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池明観『韓国 民主化への道』

投稿者: bosintang 投稿日時: 2003/08/01 17:03 投稿番号: [1449 / 3669]
(岩波新書,1995)

池明観の本は,『韓国から見た日本』『チョゴリと鎧』その他,何冊か読んで,なかなかよく出来た文化論だと思ったし,ユニークな視点もあって,感心していた。
  どの本だったか忘れたが,「韓国に三国史記,三国遺事以前の史書が残っていないのは,韓国に近親婚を認めない儒教思想が入ってきたとき,近親婚の証拠を消すために,韓国人が自らの手で史書を処分したのではないか」など,普通の韓国人なら言いそうにないことを書いていた。

  標題本は,解放後,95年頃までの韓国の歩みを,主に民主化運動に焦点を当てながら描いているが,たとえば「朝鮮半島は日本の植民地として徴発,徴用,徴兵から従軍慰安婦にいたるまで,太平洋戦争にあらゆる形で動員されたが,それでも戦場にはならなかった。このことが,戦後において朝鮮に平和の思想が具体的に定着しなかった理由の一つであるかもしれない」などというのは,それなりにユニークな発想だと思う。

  池明観は,自分を含む民主化勢力を弾圧した軍事政権を心底から憎んでおり,この本も全編,軍事政権への恨み節で満ちている。ベトナム参戦や日韓条約の,「漢江の奇跡」への貢献は不承不承認めているが,経済発展はしなくともベトナム参戦や日韓条約は結ぶべきではなかった,とでも言いたげ。

  戦後の悪い点はなんでも軍事政権のせいで,聖水大橋崩壊も,三豊百貨店崩壊もそうなんだそうだ。
「このような事故は,ほとんどその設計から工事そして監理に至るまで,すべてが「不実工事」であった。工事費の節約,工期の短縮,下請け価格の削減,監理の不誠実。でき上がった建物の不法増改築。そのすべての過程を監督官庁は収賄によって黙認した。いままで,事故があってもこのような不正の連鎖によって処罰らしい処罰を受けていなかった。軍部統治とは,そのようなものだった」

  三豊百貨店の竣工は90年で,民主化後だから,ちょっと無理があるね。(ノ・テウも軍部政権だということなんだろうけど)
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