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柳美里『私語辞典』

投稿者: bosintang 投稿日時: 2002/07/14 23:27 投稿番号: [1081 / 3669]
話題がコリアからそれてきたので,ここでおそらく別役本を意識して書いたにちがいない,柳美里の『私語辞典』(朝日新聞社1996,角川文庫1999)を紹介。

文庫版解説でテリー伊藤が「彼女の作品を読んでいると,どれも身を削りながら書いているのがよくわかる。その捨て身の文体には,鬼気迫るものがある」と書いているけれど,その通り。

たとえば,

なまえ【名前】
名前をふたつ持っているひとは,作家,タレント,詐欺師,宗教家等である。そして,在日韓国人。

こんなこと,在日じゃない人が書いたら糾弾されちゃうね、民団あたりから。

うそ【嘘】うわさ【噂】
共になくては生き難い人生のスパイス。ときには凶器と化し,真相となってひとり歩きすることがある。

これなんか,慰安婦を思い出しちゃう。本人がこれを書いたときはどうかしらないけど,柳美里は別のところで,こんなことも書いてる(『新潮45』)。

「どのような方法で朝鮮人慰安婦が戦地に赴いたか想像するに難くない。貧しい一家に年頃の娘がいる……そこへ女衒(業者)が現れて言葉巧みに身売りをすすめる。なかには軍の威厳を笠に強要めいた言動をする女衒もいる……両親に売られ,泣く泣く慰安婦になった女性もいれば,父親が自分を売ったと言えず,軍の強制だと囁き,そう思い込んでしまった女性もいるだろう……さまざまな慰安婦の中に強制連行されたと思い込むに足る状況証拠があったのだろう……」(秦本より引用)
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