喫茶室「一服汁」

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街道を逝く 台湾奇行 15

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/08/20 01:25 投稿番号: [9463 / 19672]
  店を出たあと、林森北路の向かいがわ――東側――にわたり路地に入った。
  赤い提灯を軒下に数個ぶらさげた店がある。看板には、
「台南大胖擔仔麺」
  とある。
「ここの担仔麺がおいしいです」
  朴やんがいった。むかしながらの小ぶりな椀と低いテーブルがいいという。
  席にすわり、担仔麺と豆辨虱目魚(蒸したミルクフィッシュ)を注文すると、朴やんはカウンターにゆき、ガラス戸の冷蔵庫からビールびんをもってきた。
「ウリナラでもこういうのはあったでしょう」
  たしかにこういうざっくばらんな形式はいまでもある。
  担仔麺は一杯四十元(約百五十円)である。
「もう一杯!もう一杯!」
  小ぶりな椀に入っていることもあり、チャングムにはものたりないようである。店のおかみが笑いながら応じてくれた。

  食事をおえたあと、歩いてホテルにもどった。
「先生、夜市に行っちゃいましょう」
  そういうチャングムの頬はまだすこし赤い。朴やんが止めようとしたが、かのじょの明るい表情についつられて承諾してしまった。
「いいんですか」
  朴やんは心配そうである。しかしいったん口に出した言葉を撤回してはならない。正直さを美徳とするウリミンジョクにとって、そのような恥知らずなまねはできないのである。

  シャワーを浴びたあとロビーに集合した。腹がまだこなれきっていないというチャングムのために、MRTの駅まで歩くことにした。
  MRTとはひらたく言えば地下鉄と同じである。現在、台北市内に六つの路線があるが、一つをのぞいてすべて電車形式である。例外である一つは高架路線を走りモノレールのようなゴムタイヤを使用しているという。
「どうしてそんなことになったのですか」
  わたしの疑問に朴やんは明快に答えてくれた。
「その一つだけがフランス式でつくったんです」
  ところが、李登輝総統の政策もあって二つ目以降を日本式に切りかえてつくったのだという。
「フランスのほうが優秀ですよね」
  チャングムが勢いこんでいった。酔いはすでにさめているようだが、優秀なKTXのことが念頭にあったのであろう。
「それが、不評なんです」
  朴やんはすまなさそうにいった。よくゆれるため市民の評判はよくなく、それが日本式に切りかえた一因でもあったという。
「なんだ、そうですか」
  予想に反してチャングムは冷静であるどころか、むしろ誇らしげでさえある。
「台湾みたいな二流国家がフランス方式を採用するなんて、どだい無理なことなのよ。やっぱりウリナラのような優秀な国家でないと、フランス式はものにできないのよね」
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