宗主国さまのみち 22
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/09/19 13:17 投稿番号: [10263 / 19672]
この日はとくにどこにゆくということもなかったので、大学近所のスーパーに出かけた。チャングムと殿波さんが同行してくれた。朴やんは、
「わたしは包公祠にゆきますので」
といって出かけた。
「包公」
とは、北宋に実在した人物で本名を包青天といい、名裁判官として有名である。その人物の邸宅あとが開封市内にあるという。
かれの話は「大岡政談」のもとねたになったものも多い。さすがにイルボンはこういったものまで盗むらしい。
中国や日本とちがってウリナラにはこういう人物はいない。正義を愛し、司法が厳格におこなわれているウリナラでは、公明正大な司法官はあたりまえであり、もてはやされることはないためである。こういったところにもウリナラの潔癖さと優秀さが暗示されているといっていい。
大学の南門を出て十分すこし歩くと、
「三毛」
という名前のスーパーがあった。「SAM」という英語が併記されている。食料品から生活雑貨、衣類、玩具まで売っている。
「先生、これは何ですか」
チャングムに玩具売場へひっぱられた。箱の上部をみると「WW2」とあるので第二次世界大戦の軍艦のプラモデルらしい。日本のプラモデルのようにイラストがかかれているがあまりできがよくなく、マストには国旗が掲げられていない。「電動」ともかいてあるのでモーターで動くのであろう。
いちばん上の箱には「美国 米蘇利」とある。アメリカの戦艦ミズーリである。ところがその下の箱には軍艦名がかいていない。製作者がつけたシリーズ番号だけである。不審におもって箱上部のイラストをたんねんに見てみると、どうやらこれは日帝の超弩級戦艦大和であるらしい。特徴的な副砲や煙突のかたち、カタパルト上の水上機胴体の日の丸でそれと判明した。
「な、なんちゅうことや。侵略軍国主義の象徴大和が売っとるなんて」
殿波さんはその場に呆然として立ちつくした。
「どうして光復軍の超怒級戦艦『安重根』が売ってないのよ!」
チャングムは火病を発した。
すっかり固まってしまった殿波さんをショッピングカートにのせ、地べたを転げまわるチャングムにこんなこともあろうかと携帯していた冷凍キャベツをのせて沈静化させ、ようやく店をあとにした。
「今回も大変だったようですね」
タクシーから降りて宿舎にかえると、先に帰っていた朴やんがわらった。
「まさか、日本帝国主義の新しい魔の手がここまでおよんどったとはおもわへんだ。今度は文化で侵略とはなぁ」
大汗をかいている殿波さんがつぶやいた。しかし文化で侵略といえば中国もなかなかえげつないであろう。ウリミンジョクの栄光に嫉妬して高句麗史を中国史であると詭弁を弄し、既成事実にしようと策動している。
中国にしても日本にしても、いずれもウリミンジョクの恩を忘れてひたすら捏造と曲解による敵視政策をつよめているのだが、中国人には日本人とはまたちがったえげつなさが垣間見える。このあたりがいちおうの文明国とただの野蛮国との違いなのであろうか。
中国でももっとも古い文明を有するこの中原の真ん中で、そんなことを思いながらキムチをほおばっているチャングムをみた。
(了)
・・・・・・・
今日か明日中に、エトさんのサジェスチョンによって書いた『チャングムの戦い 北の国から来た使い』をアップします。全18回の長編です。
「わたしは包公祠にゆきますので」
といって出かけた。
「包公」
とは、北宋に実在した人物で本名を包青天といい、名裁判官として有名である。その人物の邸宅あとが開封市内にあるという。
かれの話は「大岡政談」のもとねたになったものも多い。さすがにイルボンはこういったものまで盗むらしい。
中国や日本とちがってウリナラにはこういう人物はいない。正義を愛し、司法が厳格におこなわれているウリナラでは、公明正大な司法官はあたりまえであり、もてはやされることはないためである。こういったところにもウリナラの潔癖さと優秀さが暗示されているといっていい。
大学の南門を出て十分すこし歩くと、
「三毛」
という名前のスーパーがあった。「SAM」という英語が併記されている。食料品から生活雑貨、衣類、玩具まで売っている。
「先生、これは何ですか」
チャングムに玩具売場へひっぱられた。箱の上部をみると「WW2」とあるので第二次世界大戦の軍艦のプラモデルらしい。日本のプラモデルのようにイラストがかかれているがあまりできがよくなく、マストには国旗が掲げられていない。「電動」ともかいてあるのでモーターで動くのであろう。
いちばん上の箱には「美国 米蘇利」とある。アメリカの戦艦ミズーリである。ところがその下の箱には軍艦名がかいていない。製作者がつけたシリーズ番号だけである。不審におもって箱上部のイラストをたんねんに見てみると、どうやらこれは日帝の超弩級戦艦大和であるらしい。特徴的な副砲や煙突のかたち、カタパルト上の水上機胴体の日の丸でそれと判明した。
「な、なんちゅうことや。侵略軍国主義の象徴大和が売っとるなんて」
殿波さんはその場に呆然として立ちつくした。
「どうして光復軍の超怒級戦艦『安重根』が売ってないのよ!」
チャングムは火病を発した。
すっかり固まってしまった殿波さんをショッピングカートにのせ、地べたを転げまわるチャングムにこんなこともあろうかと携帯していた冷凍キャベツをのせて沈静化させ、ようやく店をあとにした。
「今回も大変だったようですね」
タクシーから降りて宿舎にかえると、先に帰っていた朴やんがわらった。
「まさか、日本帝国主義の新しい魔の手がここまでおよんどったとはおもわへんだ。今度は文化で侵略とはなぁ」
大汗をかいている殿波さんがつぶやいた。しかし文化で侵略といえば中国もなかなかえげつないであろう。ウリミンジョクの栄光に嫉妬して高句麗史を中国史であると詭弁を弄し、既成事実にしようと策動している。
中国にしても日本にしても、いずれもウリミンジョクの恩を忘れてひたすら捏造と曲解による敵視政策をつよめているのだが、中国人には日本人とはまたちがったえげつなさが垣間見える。このあたりがいちおうの文明国とただの野蛮国との違いなのであろうか。
中国でももっとも古い文明を有するこの中原の真ん中で、そんなことを思いながらキムチをほおばっているチャングムをみた。
(了)
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今日か明日中に、エトさんのサジェスチョンによって書いた『チャングムの戦い 北の国から来た使い』をアップします。全18回の長編です。
これは メッセージ 10248 (toapanlang さん)への返信です.
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