宗主国さまのみち 20
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/09/17 17:25 投稿番号: [10233 / 19672]
三十元の入場料をはらって大相国寺のなかにはいった。
入ってすぐ左手の場所に魯智深の銅像があった。髭だらけの僧が禅杖をよこにおいてポーズをとっている。禅杖は通常[金産](サン)といい柄の先端にはU字型の刃があり、もう一方にはシャベル状の刃がある。
「この人ってけっきょくは架空の人物なんでしょ。実在しない人をもてはやして銅像までつくるなんて、まるでイルボンの歴史歪曲と同じだわ」
チャングムはそういった。たしかにかれは『水滸伝』の登場人物であり実在はしない。だが、韓民族の日帝に対する抵抗の熱情と不撓不屈の闘志が伝説的な抗日戦士金日成をつくりあげたように、人民の精神が個人のかたちをとってあらわされることは歴史上にままある。魯智深が実在したかどうかはともかく、かれにはひとびとの願望がこめられているのであり、目くじらを立ててことさらに言いたててやることもないかとおもわれる。日帝が善政であったというありもしないものをあるとしたり、檀君のように実在したものをないと妄言をたれながすイルボンとは事情がちがうであろう。
じつは、この寺は信陵君の邸宅のあった場所に建てられたという。
信陵君については第一回でわずかにふれた。斉の孟嘗君、趙の平原君、楚の春申君とならんで戦国四君子と称される人物であるが、四人の中ではもっとも義気にとんでおり、その一生は苛烈なものであった。とくに秦に攻められた趙をすくうため死を賭してたち向かったときの話は、侯生、朱亥といったかれの尊崇した客の名前とともによく知られている。
「え?春秋戦国期の戦争って、奴隷制社会を受けついだ貴族階級の内部闘争ちゃうんですか?人民は苦しむだけで」
殿波さんの大学でならった歴史ではそのようになっていたらしい。
奥にすすむと、空海という名前と文章を彫った石碑がある。
「空海の生涯がかかれています。大相国寺に滞在したことがあったんですねぇ」
朴やんがいった。
空海は平安時代の僧であり、密教を日本にもたらし高野山をひらいた。書道でも草書の大家として知られている。遣唐使に随行して入唐(にっとう)したさいにこの寺で学んだことがあったらしい。それを記念して中日共同で銅像をたてたようである。
石碑の先には空海像が鎮座する建物があった。なかに入ると、中年の男性が一人、机にむかってなにかを書いている。のぞきこむと、黒地の上質紙に井の字のような升目のものさしを置いて、その区画のなかへ一字づつ毛筆で字をかいている。
入ってすぐ左手の場所に魯智深の銅像があった。髭だらけの僧が禅杖をよこにおいてポーズをとっている。禅杖は通常[金産](サン)といい柄の先端にはU字型の刃があり、もう一方にはシャベル状の刃がある。
「この人ってけっきょくは架空の人物なんでしょ。実在しない人をもてはやして銅像までつくるなんて、まるでイルボンの歴史歪曲と同じだわ」
チャングムはそういった。たしかにかれは『水滸伝』の登場人物であり実在はしない。だが、韓民族の日帝に対する抵抗の熱情と不撓不屈の闘志が伝説的な抗日戦士金日成をつくりあげたように、人民の精神が個人のかたちをとってあらわされることは歴史上にままある。魯智深が実在したかどうかはともかく、かれにはひとびとの願望がこめられているのであり、目くじらを立ててことさらに言いたててやることもないかとおもわれる。日帝が善政であったというありもしないものをあるとしたり、檀君のように実在したものをないと妄言をたれながすイルボンとは事情がちがうであろう。
じつは、この寺は信陵君の邸宅のあった場所に建てられたという。
信陵君については第一回でわずかにふれた。斉の孟嘗君、趙の平原君、楚の春申君とならんで戦国四君子と称される人物であるが、四人の中ではもっとも義気にとんでおり、その一生は苛烈なものであった。とくに秦に攻められた趙をすくうため死を賭してたち向かったときの話は、侯生、朱亥といったかれの尊崇した客の名前とともによく知られている。
「え?春秋戦国期の戦争って、奴隷制社会を受けついだ貴族階級の内部闘争ちゃうんですか?人民は苦しむだけで」
殿波さんの大学でならった歴史ではそのようになっていたらしい。
奥にすすむと、空海という名前と文章を彫った石碑がある。
「空海の生涯がかかれています。大相国寺に滞在したことがあったんですねぇ」
朴やんがいった。
空海は平安時代の僧であり、密教を日本にもたらし高野山をひらいた。書道でも草書の大家として知られている。遣唐使に随行して入唐(にっとう)したさいにこの寺で学んだことがあったらしい。それを記念して中日共同で銅像をたてたようである。
石碑の先には空海像が鎮座する建物があった。なかに入ると、中年の男性が一人、机にむかってなにかを書いている。のぞきこむと、黒地の上質紙に井の字のような升目のものさしを置いて、その区画のなかへ一字づつ毛筆で字をかいている。
これは メッセージ 10223 (toapanlang さん)への返信です.
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