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宗主国さまのみち 19

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/09/16 10:17 投稿番号: [10223 / 19672]
  もう一度開封市内にでかけた。
  大相国寺にゆくのである。

  春秋戦国期の魏の信陵君のことはすでにふれた。かれの邸宅のあとに西暦五百五十五年にたてられた寺が大相国寺である。
  製作に五十八年を要し清の乾隆三十二年にようやく完成したという千手千眼観音がまつられているのだが、それよりも『水滸伝』に登場することで知られている。
  百八人の好漢をえがいた『水滸伝』は、ならず者が徒党をくむ話でもあるところから、
「盗をおしえる」
  として、しばしば出版を禁止されたという。とうぜん、盗賊などという犯罪行為には縁のとおいウリナラでは受けいれられなかったようである。
  ともかくも物語のなかでは、百八人の好漢のうち主役級である魯智深という人物がこの大相国寺に滞在しているという。

  魯智深はもともと下級軍人であり、悪辣な高利貸しのためにこまっている老人と娘をたすけるため、その高利貸しのいとなんでいる肉屋に乗りこんだのだが、こらしめるつもりがあやまって高利貸しを殴り殺してしまった。
  官憲の目をのがれるため頭をそりにわか坊主になって五台山に転がりこんだのであるが、その粗暴さで騒動をおこし、ついには大相国寺への紹介状をあたえられて体よく追い出された。
  大相国寺では菜園の管理をまかされ、六十二斤(約三十七キロ)もの鋼鉄の禅杖を振りまわしているところをぐうぜん通りかかった禁軍(朝廷の近衛軍)師範の林冲にみられて知己となるのである。
「水滸伝はいいですよ。毛主席がおっしゃったように革命精神があふれています」
  殿波さんはうっとりとしていった。なんでも、『水滸伝』の好漢には、武松なら行者、呂方なら小温侯、孫立なら病尉遅というあだながあるのだが、それらのあだなには人民の革命精神がこめられているという。
  たとえば、黒旋風李逵なら黒は冠をかぶらない人民の頭を意味し農民起義による革命の嵐をさし、赤髪鬼劉唐なら赤は共産革命をさし、霹靂火秦明なら雷を意味する霹靂は人民の政治へのいかりであり、火は革命蜂起をさすという。
  まことにいさましい話ではあるのだが、なんだか文化大革命期の後半に毛沢東が『水滸伝』を激賞したのにおもねった学者がこじつけたような話であり、にわかには信じがたい。
  しかし、それをすなおなままに受けいれているという点に殿波さんの人がらのよさがでているようでほほえましくもある。
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