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〜歴史小説(10)

投稿者: chaamiey 投稿日時: 2007/12/06 20:05 投稿番号: [778 / 1474]
monju_jz さん、関連資料の提示ありがとう(^o^)/




[企画] 我々の時代の進歩的知識人   ④   趙廷来(チョ・ジョンレ)論

大河小説『アリラン』を中心として

[イ・ヨンフン | ソウル大学教授] 季刊『時代精神』2007年夏号

                (翻訳10)


5   怒りと憎悪の狂気

   『アリラン』が描き出している幾多の話が、それに相応する年代記上の事件との関連でどんなに食い違ってどれほど拗じれているかをいちいち検討するには、許された誌面があまりにも少ない。だから、最後に、第4巻の冒頭にある「作家の言葉」と、第12巻の末尾にある執筆後記「文字の監獄から仮出獄」を中心に、『アリラン』を導いている小説家の精神世界について簡単に考察する。

  「作家の言葉」において、小説家は、日帝下36年の間に日帝の銃刀に虐殺された我が同胞たちの数は果してどれくらいなのかという質問を投げた後、「私は、それを300万人から400万人ではないかと見ている。」と明らかにしている。そして彼が『アリラン』を書くようになったのも、その見当数字を具体的に明らかにするためだと述べている。300万〜400万人と言えば、ヒトラーのユダヤ人虐殺の規模のようだ。ただ、ユダヤ人はわずか3年の間に虐殺された。それに比べて、朝鮮人は36年間にわたり少しずつ虐殺された。死の苦痛はどちらが大きかったのか。小説家は、断然、朝鮮の方だと言う。「先に罵倒される奴がましだ」と言う論理である。しかし韓国人たちはヒトラーのユダヤ人虐殺は知りながら、何の理由で日帝の朝鮮人虐殺に対しては数字の見当さえもつかない蒙昧な国民になってしまったのか、と小説家は慨嘆を繰り返している。

   「文字の監獄から仮出獄」では、原稿用紙2万枚に達する『アリラン』を4年8ヶ月にわたって書くことになった動機がもう少し具体的に提示されている。彼は、小学校時代から日帝下36年の間、我が同胞たちが日本の人々に数えきれないほど殺されたが、学校ではどうしてそんなことを教えないのか疑問を抱き、そのこと対して怒って来たと言う。そういう疑問は大学の時まで続いたが誰も教えてくれなかった。自ら覚醒して悟って見れば、日帝下の親日派たちが解放後にも社会と国家のすべての分野を完璧に掌握したからだった。彼らによって日帝のおびただしい虐殺犯罪が意図的に忘却された。一言で言えば、解放後の韓国は「無策と嘘とまやかしが横行して、政府さえ総体的不正と定義せざるを得なくなった社会」だった。

   このような事実を自ら覚醒して知る過程で、小説家は絶えず苦しんだ。いよいよ「反逆の歴史に対する怒りが理性化され、憎悪は論理化されて行った」。 その「理性的怒り」と「論理的憎悪」に即して、植民地時代の歴史を具体的かつ総体的に知らせるために書いたのが『アリラン』だった。原稿紙2万枚400万字は、36年の間に虐殺された民族の数を象徴する。

  
(続く)
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