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ドロンパさん2

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2005/09/02 18:11 投稿番号: [551 / 30895]
続きでございます。

韓国版『芝浜の革財布』後編

それから大韓は生まれ変わったように一生懸命働きました。最初のうちは三豊屋や聖水大橋、パラオに欠ける橋(Bridge over troubled Palau)のような欠陥建築しか作れなかったのですが、欠陥が出るたびに正姫のへそくりから見舞金を出し、立派な大工道具をそろえて修行に励み、くじけそうになると裏山の漢江の滝にうたれ精神を奮い立たせました。
さらに努力の結果、波で損傷しても沈まない船を造れるところまで上達しました。百重の塔も造りました。
2年後、町内一にはまだ遠いのですが、町内有数の大工にはなれました。長屋の連中は「漢江の奇跡」と驚きました。
そんなある晩。

「ねぇ、お前さん」
「なんだ正姫。あらたまって」
「お前さんもついに町内有数の大工になったんだねぇ。あたし自慢の亭主だよ」
「よせやい、照れるじゃねぇか。全部お前のおかげだぜ」
「・・・あたしゃ、あんたに謝らなくちゃいけないんだよ」
「何を言い出すんだ?」
「2年前のあの夜、酔っ払ったお前さんが持って帰ってきた財布と証文、あれは夢じゃなかったんだよ。本当に親方からいただいたものなのさ」
そう言って正姫は鏡台から財布と証文を出します。
「ひえっ、ありゃぁ夢じゃなかったのかい!」
「あのまま、お前さんが財布を持っていたらきっと飲み代で全部消えていただろ?一念発起していい大工になってほしくてうそをついたのさ。それに借金だらけで一文無しだったあたいたちを拾ってくれて借金を肩代わりしてくれた上に長屋にまで入れてくれた親方の恩に報いなきゃって思って・・・」
「正姫・・・」
「ごめんよ。お前さん」
しんみりとした空気が流れます。
「けど、それにしちゃ財布は空だぜ」
そういえばずっしりしていたはずの財布は煙管よりも軽くなっています。
「立派な大工道具をそろえるのと、お前さんが欠陥建築を造るたびに賠償していたので、ちょうど底をついたのさ」
「ってことは俺の小遣い分も残ってないってぇこと・・・」
大韓の頬が沸騰するチゲの如く赤く染まっていきました。いきなり証文をひったくると破り捨てて表へ飛び出しました。
「お前さん!どうしたんだい?」
「へっ!これで独立祝いはチャラだい!もう一回親方に独立祝いと証文をもらってくる。俺の小遣いを計算に入れれば6千万ウォンはもらえるぜ!」

そんなことを言い出せば、親方にチャラにしてもらっていた家財道具代・光熱水費を請求されますよ。

このショックでやけ酒を喰らって暴れた大韓は借金生活に逆戻り、大家のIMFじいさんのとりなしで、日本親方に面倒を見てもらったというのはまた別のお話になります。

お粗末さまでした。
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