韓国貫く「ヘバッソ」精神
投稿者: japanese_chosun 投稿日時: 2008/05/07 10:13 投稿番号: [1437 / 4080]
韓国語で「ヘバッソ(やってみたか)?」という言葉があります。始める前から難しいとあきらめない、チャレンジ精神のことです。かつての財閥・現代創業者、故鄭周永(チョン・ジュヨン)氏の口癖で、現代系企業社長だった李明博(イ・ミョンバク)大統領に受け継がれ、大統領府でも使われているとか。ダイナミックと評価して積極性を学ぶか、無鉄砲と断じて反面教師にするか。造船と鉄鋼の新技術開発の過程から「ヘバッソ精神」をのぞいてみました。(ソウル=神谷毅)
■陸地で初の造船
韓国南東部、蔚山にある韓国造船最大手、現代重工業の造船所。07年には世界1位の144隻を受注した。ここでは04年から、世界で初めて大型船の「陸上造船」が行われている。
平地でそのまま船を造り上げる手法で、地面を掘り下げたドックの中で組み立て、水を入れて進水させるという常識を打ち破った。
進水しようとしていた大型LPG(液化石油ガス)船の真下に、私は入れてもらった。日本メディアにここまで公開したことはないそうだ。長さ215メートル、幅37メートル、高さ22メートルの船体が140個余りの支柱に支えられ、背丈ほどで浮いていた。
支柱は海に向かってのびる10本のレールに乗る。支柱の下からは窒素ガスが噴出し、船とともに数ミリ浮かんだ状態。巨体が海に向かってゆっくりスライドしていく。
危ういバランス。少しでも傾けば、倒れるか船の自重で厚い鋼板でも裂ける。さらに岸壁から海上の台船に乗せる際が最も難しい。崔南祥・海洋事業本部長は「船は風、台船は波の影響で動く。これを制御するバランスこそ命。中国企業にはまねされないよう絶対に見せない」という。
困難な造船法に挑戦したのは、海運の好況で船の注文が相次ぎドックが埋まるなか、受注を逃したくなかったからだ。支柱やレールなどの機器は既存のもの。機器の独自の使い方や組み合わせ、コンピューター制御で新工法を編み出した。
ただ、技術的にうまくいくか分からず、危なっかしい造船法で発注が来ないかもしれない「二重のリスク」があった。崔さんは「やらなければならないと考えたら、すぐにやってみる。インフラや経験はあるのだから、あとは瞬発力。目標が決まったら無条件に進まないと」と語る。
■環境配慮の新炉
韓国鉄鋼最大手、ポスコの浦項製鉄所で昨年春、新型炉が操業を始めた。生産能力は年150万トンと従来の高炉の半分ほどだが、価格の高い塊状の鉄鉱石や石炭を使う高炉と違い、粉末状の鉄鉱石を使える。生産コストは2割近く下がる。工程を簡素化し、硫黄酸化物と窒素酸化物の発生量も抑えた。
92年から開発に着手。研究開発費は5540億ウォン(約570億円)に達する。3万トンの実験炉事業は順調に進んだが、03年、60万トンまで引き上げた実証炉で壁にぶち当たった。粉状の鉄鉱石を固める温度設定などがうまくいかず、トラブルが続出したのだ。
李厚根・研究開発推進班長は「半年は全く前に進まず散々だった」と振り返る。点検や改善を重ねた末、ようやく正常化にこぎつけた。
このつまずきで、社内から開発継続に反対の声が上がった。加えて、実証炉では炉の能力を100%発揮できる「最適化」には至らずじまい。普通なら、最適化まで厳密に検討し、次の商業炉に進む。にもかかわらず、経営陣はゴーサインを出した。
判断の裏には、環境規制は強化され、いずれ高炉に代わる新しい製法が必要になるという読みがあった。また、高品質の鉄鉱石や石炭は将来、手に入りにくくなって価格は上がり、いずれ枯渇するとも考えた。その予想通りの展開になりつつある。
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200805050221.html
■陸地で初の造船
韓国南東部、蔚山にある韓国造船最大手、現代重工業の造船所。07年には世界1位の144隻を受注した。ここでは04年から、世界で初めて大型船の「陸上造船」が行われている。
平地でそのまま船を造り上げる手法で、地面を掘り下げたドックの中で組み立て、水を入れて進水させるという常識を打ち破った。
進水しようとしていた大型LPG(液化石油ガス)船の真下に、私は入れてもらった。日本メディアにここまで公開したことはないそうだ。長さ215メートル、幅37メートル、高さ22メートルの船体が140個余りの支柱に支えられ、背丈ほどで浮いていた。
支柱は海に向かってのびる10本のレールに乗る。支柱の下からは窒素ガスが噴出し、船とともに数ミリ浮かんだ状態。巨体が海に向かってゆっくりスライドしていく。
危ういバランス。少しでも傾けば、倒れるか船の自重で厚い鋼板でも裂ける。さらに岸壁から海上の台船に乗せる際が最も難しい。崔南祥・海洋事業本部長は「船は風、台船は波の影響で動く。これを制御するバランスこそ命。中国企業にはまねされないよう絶対に見せない」という。
困難な造船法に挑戦したのは、海運の好況で船の注文が相次ぎドックが埋まるなか、受注を逃したくなかったからだ。支柱やレールなどの機器は既存のもの。機器の独自の使い方や組み合わせ、コンピューター制御で新工法を編み出した。
ただ、技術的にうまくいくか分からず、危なっかしい造船法で発注が来ないかもしれない「二重のリスク」があった。崔さんは「やらなければならないと考えたら、すぐにやってみる。インフラや経験はあるのだから、あとは瞬発力。目標が決まったら無条件に進まないと」と語る。
■環境配慮の新炉
韓国鉄鋼最大手、ポスコの浦項製鉄所で昨年春、新型炉が操業を始めた。生産能力は年150万トンと従来の高炉の半分ほどだが、価格の高い塊状の鉄鉱石や石炭を使う高炉と違い、粉末状の鉄鉱石を使える。生産コストは2割近く下がる。工程を簡素化し、硫黄酸化物と窒素酸化物の発生量も抑えた。
92年から開発に着手。研究開発費は5540億ウォン(約570億円)に達する。3万トンの実験炉事業は順調に進んだが、03年、60万トンまで引き上げた実証炉で壁にぶち当たった。粉状の鉄鉱石を固める温度設定などがうまくいかず、トラブルが続出したのだ。
李厚根・研究開発推進班長は「半年は全く前に進まず散々だった」と振り返る。点検や改善を重ねた末、ようやく正常化にこぎつけた。
このつまずきで、社内から開発継続に反対の声が上がった。加えて、実証炉では炉の能力を100%発揮できる「最適化」には至らずじまい。普通なら、最適化まで厳密に検討し、次の商業炉に進む。にもかかわらず、経営陣はゴーサインを出した。
判断の裏には、環境規制は強化され、いずれ高炉に代わる新しい製法が必要になるという読みがあった。また、高品質の鉄鉱石や石炭は将来、手に入りにくくなって価格は上がり、いずれ枯渇するとも考えた。その予想通りの展開になりつつある。
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200805050221.html
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