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日本語・琉球語の中のオーストロネシア語

投稿者: shinkuuboakagi555 投稿日時: 2002/10/07 03:19 投稿番号: [1367 / 49973]
かつて新村出が、琉球語のティーダ(太陽)と台湾・アミ族の言葉チラル、チダル(太陽)が同じ語源ではないかという説をだし、彼自身の権威のせいもあり、結構注目をあつめた。

その後の研究で、現在では、琉球語のティーダは

天道が変化したものであることがほぼ確実に証明されている。

tendau→→tindau→tinda→tida

e(エ)がi(イ)になるのは琉球語の特徴。(九州の一部にもある)。tindaがtidaになったのはnの喪失による母音の代償延長。

ところが、面白いことに、ここで、チラル、チダルは退場しない。

琉球語の万葉集といわれる「おもしろさうし」に出てくるシノ、シナがこのチラル、チダルに相当し、「太陽、月」を意味する。

アミ語のチラル、チダルは、オーストロネシア語(マレーポリネシア語)系のタガログ語のsinang、フィジー語のzina(たいまつ)、サモア語のsina(しろい、月)、マレー・インドネシア語のsinar(光線)を意味する。

今から1200年ほど前の日本語にもこのシナ、シノがあった。「シナ照る」のシナは、発光天体を意味することがほぼ確定されている。

日本語のシロはすでに8世紀には色の白を意味していたが、それ以前はどうも光のことを意味していたようだ。   古事記が筑紫国を「白日別」(しらひわけ)というのは、明るい太陽の意味であろう。

ところが、本土日本語では、シラ、シナ、シノは白いの意味になり、原義がわかりにくくなっているのに、琉球方面でまだ原義に近い意味がのこっているのは、南方系言語に対する北方言語要素の働きかけが沖縄よりも本土で早く始まったことと関係があろう。

シロ、シナがsinar、sinang、南洋祖語としてのtinar、アミ語のチダル、チラルと共通要素を持つのは確実である。

「南方語と日本語」(村山七郎執筆・日本語の起源・河出)
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