【黒田勝弘】さん続き
投稿者: guiseinoyuu 投稿日時: 2005/02/19 14:16 投稿番号: [2267 / 15709]
緯度
経度
国家人権委員会の人権感覚
ソウルの中心部は市庁前広場で、周辺にはロッテ・ホテルやプラザ・ホテル、朝鮮ホテルなど
一流ホテルがある。さらに南大門や政府総合庁舎も見える。新聞社もいくつかあって
プレスセンターも近くにある。
その市庁前広場に面して以前、韓国最大の企業・浦項製鉄所のビルがあった。十七階建てビル
の最上階には企業ロゴの「POSCO」というでっかい文字が出ていたが、そこにいまはハングルで
「国家人権委員会」と書かれている。政府機関つまりお役所にしてはずいぶん派手だ。
政府機関では最も大きな「看板」かもしれない。
人権問題への政府の関心の高さと強い意欲を物語るものだ。民主化時代で革新政権下の
韓国の雰囲気を象徴しているといっていい。国家人権委員会にはいろんな団体や個人からの
訴えなどもあり活動は活発だ。マスコミにはその動向がよく紹介されている。
たとえば国家人権委員会は最近、日本で原爆被害を受け、終戦後、帰国した韓国人原爆被害者の
健康実態調査というのを発表した。記者会見での発表資料によると見出しは「原爆一世、
一般人より鬱病系九十三倍、造血器系がん七十倍も発生」「原爆二世死亡者のうち十歳未満が
52.2%過半数が原因不明」などとある。
問題はいわゆる「原爆二世」だが、発表は原爆被害が子孫の健康まで悪影響を与えているような印象だ。
マスコミも二世への遺伝的影響があるかのように伝えている。
しかし資料をよく見ると調査(郵便)対象は被害者家庭千九十二戸の四千八十人で、
たとえばそのうち死亡者は7.3%の二百九十九人、うち半分以上が原因不明の幼児死亡だったという。
今年は終戦(韓国では”光復”ないし”開放”)から六十年。韓国がまだ貧しかった
当時の時代状況および社会環境などを考えると、二世の早死の比率はことさら高いといえるのか、
さらに「原因不明」が原爆による父母の肉体的被害と関係があるのかどうかなど判断は
難しいのではないだろうか。
肝心の日本では「被爆二世」はおそらく数十万人以上になるだろう。原爆放射線の
二世など子孫への影響についてはこれまで長期的な調査が続けられているが、遺伝的影響などは
まだ確認されていない。したがって専門かもマスコミもこの問題での発言は非常に慎重である。
「子孫への影響」は場合によっては社会的差別となって被爆者の人権に悪影響を与えるからだ。
今回、韓国の国家人権委員会の資料には一部の回答者から「差別が怖くて被爆二世という
事実を隠したり結婚などで難しさがある」との意見を寄せていると紹介されているが、
発表内容およびそれを伝えるマスコミ報道にはこの”恐れ”への配慮が足りない。
韓国世論には「原爆被害―被害者の苦痛―日本の責任」という暗黙の図式があって、
この種の問題も日本批判の”情緒”に利用されがちだ。国家人権委員会の今回のような
被爆者調査発表が被爆者(二世を含む)の人権侵害にならないか気になるところだ。
人権問題では今週、ソウルで民間団体による「北韓人権・難民国際会議」が開かれた。
今年で六回目になる。世界各国からも参加者があり、ささやかながら(?)北朝鮮の
人権抑圧状況を国際社会に訴える役割を果たしてきた。
ところがこの会議を朝鮮日報が後援しているのはケシカランと、市民団体といわれる
「六・一五南北共同宣言実現と韓半島平和のための統一連帯」や「朝鮮日報反対市民連帯」
などが朝鮮日報社の前で非難のデモをやっていた。人権問題で北朝鮮に政治的圧力をかけるのは
朝鮮半島の「平和に反する」からよくないというのだ。
保守派の牙城である朝鮮日報は北朝鮮の金正日体制に対する厳しい論調で知られる。
北朝鮮当局が公然と「爆破」を扇動するほど金正日体制にとっては目の上のタンコブだ。
その意を受けているのかどうか、韓国では市民運動の名で「朝鮮日報反対」や不買運動が
執拗に続けられている。
韓国にとって、いや朝鮮半島の民族にとって今、最大の人権問題は軍事独裁体制下の
北朝鮮の人権抑圧だろう。しかし韓国では北朝鮮の人権問題を議論することに反対デモさえ起きている。
そして冒頭の国家人権委員会は韓国内の過去の人権問題には関心が強いが「同じ民族」の
北朝鮮での現在進行形の人権問題にはきわめて冷たい。
国家人権委員会と朝鮮日報は目と鼻の先にある。片や六十年前の原爆被害者の健康問題調査を
人権問題として発表し、片や北朝鮮の人権問題追及で市民団体の抗議デモを受けている。
ソウル 黒田勝弘
ホント、馬鹿な連中。
経度
国家人権委員会の人権感覚
ソウルの中心部は市庁前広場で、周辺にはロッテ・ホテルやプラザ・ホテル、朝鮮ホテルなど
一流ホテルがある。さらに南大門や政府総合庁舎も見える。新聞社もいくつかあって
プレスセンターも近くにある。
その市庁前広場に面して以前、韓国最大の企業・浦項製鉄所のビルがあった。十七階建てビル
の最上階には企業ロゴの「POSCO」というでっかい文字が出ていたが、そこにいまはハングルで
「国家人権委員会」と書かれている。政府機関つまりお役所にしてはずいぶん派手だ。
政府機関では最も大きな「看板」かもしれない。
人権問題への政府の関心の高さと強い意欲を物語るものだ。民主化時代で革新政権下の
韓国の雰囲気を象徴しているといっていい。国家人権委員会にはいろんな団体や個人からの
訴えなどもあり活動は活発だ。マスコミにはその動向がよく紹介されている。
たとえば国家人権委員会は最近、日本で原爆被害を受け、終戦後、帰国した韓国人原爆被害者の
健康実態調査というのを発表した。記者会見での発表資料によると見出しは「原爆一世、
一般人より鬱病系九十三倍、造血器系がん七十倍も発生」「原爆二世死亡者のうち十歳未満が
52.2%過半数が原因不明」などとある。
問題はいわゆる「原爆二世」だが、発表は原爆被害が子孫の健康まで悪影響を与えているような印象だ。
マスコミも二世への遺伝的影響があるかのように伝えている。
しかし資料をよく見ると調査(郵便)対象は被害者家庭千九十二戸の四千八十人で、
たとえばそのうち死亡者は7.3%の二百九十九人、うち半分以上が原因不明の幼児死亡だったという。
今年は終戦(韓国では”光復”ないし”開放”)から六十年。韓国がまだ貧しかった
当時の時代状況および社会環境などを考えると、二世の早死の比率はことさら高いといえるのか、
さらに「原因不明」が原爆による父母の肉体的被害と関係があるのかどうかなど判断は
難しいのではないだろうか。
肝心の日本では「被爆二世」はおそらく数十万人以上になるだろう。原爆放射線の
二世など子孫への影響についてはこれまで長期的な調査が続けられているが、遺伝的影響などは
まだ確認されていない。したがって専門かもマスコミもこの問題での発言は非常に慎重である。
「子孫への影響」は場合によっては社会的差別となって被爆者の人権に悪影響を与えるからだ。
今回、韓国の国家人権委員会の資料には一部の回答者から「差別が怖くて被爆二世という
事実を隠したり結婚などで難しさがある」との意見を寄せていると紹介されているが、
発表内容およびそれを伝えるマスコミ報道にはこの”恐れ”への配慮が足りない。
韓国世論には「原爆被害―被害者の苦痛―日本の責任」という暗黙の図式があって、
この種の問題も日本批判の”情緒”に利用されがちだ。国家人権委員会の今回のような
被爆者調査発表が被爆者(二世を含む)の人権侵害にならないか気になるところだ。
人権問題では今週、ソウルで民間団体による「北韓人権・難民国際会議」が開かれた。
今年で六回目になる。世界各国からも参加者があり、ささやかながら(?)北朝鮮の
人権抑圧状況を国際社会に訴える役割を果たしてきた。
ところがこの会議を朝鮮日報が後援しているのはケシカランと、市民団体といわれる
「六・一五南北共同宣言実現と韓半島平和のための統一連帯」や「朝鮮日報反対市民連帯」
などが朝鮮日報社の前で非難のデモをやっていた。人権問題で北朝鮮に政治的圧力をかけるのは
朝鮮半島の「平和に反する」からよくないというのだ。
保守派の牙城である朝鮮日報は北朝鮮の金正日体制に対する厳しい論調で知られる。
北朝鮮当局が公然と「爆破」を扇動するほど金正日体制にとっては目の上のタンコブだ。
その意を受けているのかどうか、韓国では市民運動の名で「朝鮮日報反対」や不買運動が
執拗に続けられている。
韓国にとって、いや朝鮮半島の民族にとって今、最大の人権問題は軍事独裁体制下の
北朝鮮の人権抑圧だろう。しかし韓国では北朝鮮の人権問題を議論することに反対デモさえ起きている。
そして冒頭の国家人権委員会は韓国内の過去の人権問題には関心が強いが「同じ民族」の
北朝鮮での現在進行形の人権問題にはきわめて冷たい。
国家人権委員会と朝鮮日報は目と鼻の先にある。片や六十年前の原爆被害者の健康問題調査を
人権問題として発表し、片や北朝鮮の人権問題追及で市民団体の抗議デモを受けている。
ソウル 黒田勝弘
ホント、馬鹿な連中。
これは メッセージ 2266 (guiseinoyuu さん)への返信です.
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