デフレ経済(1)
投稿者: mrmc1964 投稿日時: 2003/05/18 13:16 投稿番号: [1200 / 6473]
今朝、新聞に踊る「りそな公的資金注入」の活字を見て、心が暗く沈んでいくのを止めようがなかった。私の愁いは深く、パンとコーヒーは喉を通らず、ご飯とみそ汁で代用するほどであった。しばしの沈思黙考の後、私はある決意を固めたのであった。日本経済を救うために、消費者としての崇高な義務を、万難を排して果たさなくてはならない、という重大な決意を。
決意は鈍らないうち実行しなくてはならない。私は、開店時間も待ちきれずに、ボディーガード兼お世話係とともに、洋服屋に出かけたのであった。自慢するわけではないが、私はおしゃれとは最も縁遠い人間である。1週間くらい同じ洋服を着続けるのには、何の痛痒も感じない。それどころか、許されるなら、1年中同じものを着ていたいと心から望むほどなのだ。従って、私は洋服屋には余り慣れていない。それどころか、一人では店に入ることさえままならないのだ。
洋服屋では、私は借りてきたネコのようにおとなしくなり、これ以上になく素直になるである。今日も、慇懃無礼を絵に描いたような、店員の薦めに素直に応じ、一着のスーツを購入したのであった。店員は「2着目千円」と書かれた正札を指さし、「2着目はお得ですよ。」とのたまうのである。千円引きでは自慢するほどのこともなかろうと思いながらも、驚いたことに、私はまるで何かに憑かれたように、2着目も購入するに至ったのだ。
「りそな」が、私の心に与えた傷は思いの外強かった、というよりあるまい。さて、ここまでは、善良な消費者が手練手管の店員の甘言にのってしまった、という何でもない構図に過ぎない。しかし、日本経済の根底に触れるような、驚愕の事実が明らかになるのは、このすぐ後のことであった。
「2着目千円」は千円引きのことではなく、本当に千円であったのだ。なんという恐ろしい事実であろうか。大した品物ではないとはいえ、私はスーツをわずか千円で購入してしまったのだ。デフレ経済もここに極まれり、というほかあるまい。
店を出て、お世話係のほくほく顔とは裏腹に、私の心にどす黒い疑惑が浮かび上がってくるのを止めようもなかった。今日の私の行動は、果たして日本経済に寄与したといえるであろうか。スーツをわずか千円で購入するということは、むしろ、デフレを助長するものではなかったのか。曇天を見上げて長嘆息した後、私は、お世話係の制止を振り切って、果敢に洋服店へと引き返し、さらに、ブレザーを1着購入したのであった。
しかし、この決死の行為にも関わらず、私の心は晴れなかった。「1着千円のスーツ」の衝撃は余りにも大きかったのである。
以下、「デフレ経済(2)」に続く。
決意は鈍らないうち実行しなくてはならない。私は、開店時間も待ちきれずに、ボディーガード兼お世話係とともに、洋服屋に出かけたのであった。自慢するわけではないが、私はおしゃれとは最も縁遠い人間である。1週間くらい同じ洋服を着続けるのには、何の痛痒も感じない。それどころか、許されるなら、1年中同じものを着ていたいと心から望むほどなのだ。従って、私は洋服屋には余り慣れていない。それどころか、一人では店に入ることさえままならないのだ。
洋服屋では、私は借りてきたネコのようにおとなしくなり、これ以上になく素直になるである。今日も、慇懃無礼を絵に描いたような、店員の薦めに素直に応じ、一着のスーツを購入したのであった。店員は「2着目千円」と書かれた正札を指さし、「2着目はお得ですよ。」とのたまうのである。千円引きでは自慢するほどのこともなかろうと思いながらも、驚いたことに、私はまるで何かに憑かれたように、2着目も購入するに至ったのだ。
「りそな」が、私の心に与えた傷は思いの外強かった、というよりあるまい。さて、ここまでは、善良な消費者が手練手管の店員の甘言にのってしまった、という何でもない構図に過ぎない。しかし、日本経済の根底に触れるような、驚愕の事実が明らかになるのは、このすぐ後のことであった。
「2着目千円」は千円引きのことではなく、本当に千円であったのだ。なんという恐ろしい事実であろうか。大した品物ではないとはいえ、私はスーツをわずか千円で購入してしまったのだ。デフレ経済もここに極まれり、というほかあるまい。
店を出て、お世話係のほくほく顔とは裏腹に、私の心にどす黒い疑惑が浮かび上がってくるのを止めようもなかった。今日の私の行動は、果たして日本経済に寄与したといえるであろうか。スーツをわずか千円で購入するということは、むしろ、デフレを助長するものではなかったのか。曇天を見上げて長嘆息した後、私は、お世話係の制止を振り切って、果敢に洋服店へと引き返し、さらに、ブレザーを1着購入したのであった。
しかし、この決死の行為にも関わらず、私の心は晴れなかった。「1着千円のスーツ」の衝撃は余りにも大きかったのである。
以下、「デフレ経済(2)」に続く。
これは メッセージ 1176 (mrmc1964 さん)への返信です.