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文化人類学3

投稿者: ditgtedgbbdc 投稿日時: 2002/07/27 15:44 投稿番号: [60873 / 99628]
同じように小規模な社会であっても、農耕をおこなう村落共同体などでは、宗教体系もととのい、人々はいろいろな儀礼に参加するようになる。しかし儀礼の責任は、聖職者のような特別の人物がおうのではなく、全員が交代でひきうけている。一般に宗教的な儀式は、親族が中心になっておこなう場合が多い。

社会が階層化され、集権的な制度が確立すると、神官などの聖職者を中心とする宗教体系が発達し、社会全体にかかわる大規模な儀礼がおこなわれるようになる。また道徳的規範や政治的規範もできあがっていく。しかし、このように宗教体系が複雑化しても、病気の治療などにかかわる個人的なシャーマニズムは消滅することはないし、家族や親族がまとまっておこなう宗教儀式がきえてしまうこともない。

最初の都市国家では、宗教的なリーダーと政治経済面のリーダーはしばしば密接な関係をもっていた。これが宗教の保守的な側面を強めた。一方で、社会改革の動きの中で宗教はしばしば重要な役割をはたしてきた。社会が困難に直面し、社会不安が生じると、かならず新しい宗教体系があらわれてきた。これは簡単なシステムの社会であれ、複雑な文明社会であれ、同じようにおこる現象である。宗教は、一時的には現状維持の方向にはたらくこともあるが、社会の根本的な変化をもたらす力ももっている。

6 文化の発展
19世紀に提唱された文化の単純な進化理論は、その後いろいろな批判をうけた。20世紀前半の代表的な人類学者であるボアズやクローバーは、このような進化理論に強く反対した。文化や社会が発展する過程は世界各地でそれぞれことなっているから、普遍的な進化段階を想定したり、一般的な傾向について論じるのは誤りであるというのである。このような極端な主張は、今はあまりみられない。むしろ、考古学や民族学研究が明らかにしてきた新しい事実によって、旧来の進化理論を修正し、新しい理論展開をもとめるようになっている。

文化の進化については2つの考え方がある。19世紀の進化主義者は、すべての人類は基本的に共通の心理傾向をもつという前提にたっていた。したがって、あらゆる文化は同じような過程をたどって発展すると考えた。この考え方からいえば、国家が出現すると、どこでも支配階層が形成され、社会が階層化するという問題も、人間に共通した心理的な特性として説明されることになる。

もうひとつの考え方は、人間の生活にかかわる物質的な基盤を重視する立場である。たとえばエネルギー源や技術の水準、生産のシステムなどである。今はこちらの考え方を支持する人類学者が多い。そして物質的な基盤とともに、環境がおよぼす影響も大きな要因として考慮されるようになった。確かに複合的な文化システムは、地形や気候条件にめぐまれた場所で発展しているからである。

物質的基盤が文化の進化や社会発展を決定づける重要な要因であるという点には反論の余地はない。しかし、観念の領域に属する事柄の影響力や、それをうけとる心理的側面も、けっして無視することはできない。その具体的な例としてはイスラム文化の拡張があげられるし、共産主義と反共主義のイデオロギー対立が社会や文化にもたらした影響も大きかった。

1970年代になると、人類学には新しい理論的アプローチがみられるようになった。それは生態学理論とよばれ、さまざまな事象を個別にではなく、全体としてとらえようとするものである。つまり物質的側面と心理的側面とをすべてふくみ、その間に位置するさまざまな事柄をとりあげて考察しようというのである。そのためには、さまざまな要因をみちびきだし、相互の関連をとらえる多変数分析が必要になる。
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