テヘラン朝7時
投稿者: fyojizzzz 投稿日時: 2003/12/21 23:01 投稿番号: [722 / 3876]
NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映された「テヘラン朝7時」「ストーリー・ビギンズ・アット・
ジ・エンド」そして「5 fiveー小津安二郎に捧げるー」の3本を見てきました。
インド人監督による「ストーリー・・・」とキアロスタミ監督の「5・・・」は別の機会にゆずることにして、ここ
では1日たった今でも余韻を感じているラザヴィアン監督の「テヘラン朝7時」にふれてみたいと思います。
朝7時、テヘランの中心部とおもわれる交差点で、なかなか青に変わらない信号にいらだちをみせている歩
行者数人のアップからドラマははじまります。信号を操作する交通巡査、その巡査に片思いされ、唐突な告
白を聞かされる女優、麻薬の検査を仕事にしている、老いたにせ医者、仕事にうんざりしながらも、どこか
心やさしいバイク・タクシーの運転手。夫に追われながら、必死で逃げようとする女、これらの人々の1日
の断片が、オムニバス風に、時にユーモアたっぷりに、時には、シリアスかつロマンティックに描かれてい
ました。
多くのイラン映画と同様、1つの完結した物語であるとか、なにかはっきりした、具体的なメッセージと
いったものが提示されるわけではなく、見る側次第で、どこをどのように感じるかは、それぞれなのではな
いかな、との印象をもちました。
で、勝手に感じたことの幾つかをあげると、(これも多くのイラン映画にあてはまりますが)登場人物がい
ずれもぼくたちと同じ、普通の、弱さやずるさをしこたま抱えた人間であるということ。スーパーマンはお
ろか、自信や確信に満ちたヒーローは全く不在です。一見、日本とは多くの点で異質と思われがちなイラン
ですが、交差点でイライラを隠せない男たち、女たちも、ぼくたち日本人と同じ生身の、かよわき人間であ
ることに気付きます。共感できます。
これも、イラン旅行でも気付いたことですが、人と人との関係が、ただ密接というだけでなく、やさしいなー
ということを強く感じました。自分と他人を隔てる垣根がきわめて低いんだろうなーという印象。とくに、
この映画の直後に、インド映画をみたので、その感が一層強まりました。カーストが根強いインドでは、主人
と使用人とでは別世界を生きているかのように、けっして乗り越えられない垣根がそびえている・・・。
「テヘラン朝7時」、実はささやかな異文化体験をも期待していたのですが、見終わっての一番の印象は、
「なあーんだ、映画の登場人物、あれは自分だったり、友人であったり、隣の奥さんだったり、したん
だ。」ということ。「東京朝7時」だってかまわない、ということ。
それにしても、オレンジ色に染まったテヘラン市街を見渡している、アフガン人建設労働者のシルエットは、
息を飲むような美しさでした。異境の地、イランで、孤独そのもので、先行きの希望もなにもない、青年、
そんな青年が、小さいながらも、しっかりと両足を鉄骨の屋上に据えて、自然の祝福を体一杯に受けている、
そんな風に感じました。
ジ・エンド」そして「5 fiveー小津安二郎に捧げるー」の3本を見てきました。
インド人監督による「ストーリー・・・」とキアロスタミ監督の「5・・・」は別の機会にゆずることにして、ここ
では1日たった今でも余韻を感じているラザヴィアン監督の「テヘラン朝7時」にふれてみたいと思います。
朝7時、テヘランの中心部とおもわれる交差点で、なかなか青に変わらない信号にいらだちをみせている歩
行者数人のアップからドラマははじまります。信号を操作する交通巡査、その巡査に片思いされ、唐突な告
白を聞かされる女優、麻薬の検査を仕事にしている、老いたにせ医者、仕事にうんざりしながらも、どこか
心やさしいバイク・タクシーの運転手。夫に追われながら、必死で逃げようとする女、これらの人々の1日
の断片が、オムニバス風に、時にユーモアたっぷりに、時には、シリアスかつロマンティックに描かれてい
ました。
多くのイラン映画と同様、1つの完結した物語であるとか、なにかはっきりした、具体的なメッセージと
いったものが提示されるわけではなく、見る側次第で、どこをどのように感じるかは、それぞれなのではな
いかな、との印象をもちました。
で、勝手に感じたことの幾つかをあげると、(これも多くのイラン映画にあてはまりますが)登場人物がい
ずれもぼくたちと同じ、普通の、弱さやずるさをしこたま抱えた人間であるということ。スーパーマンはお
ろか、自信や確信に満ちたヒーローは全く不在です。一見、日本とは多くの点で異質と思われがちなイラン
ですが、交差点でイライラを隠せない男たち、女たちも、ぼくたち日本人と同じ生身の、かよわき人間であ
ることに気付きます。共感できます。
これも、イラン旅行でも気付いたことですが、人と人との関係が、ただ密接というだけでなく、やさしいなー
ということを強く感じました。自分と他人を隔てる垣根がきわめて低いんだろうなーという印象。とくに、
この映画の直後に、インド映画をみたので、その感が一層強まりました。カーストが根強いインドでは、主人
と使用人とでは別世界を生きているかのように、けっして乗り越えられない垣根がそびえている・・・。
「テヘラン朝7時」、実はささやかな異文化体験をも期待していたのですが、見終わっての一番の印象は、
「なあーんだ、映画の登場人物、あれは自分だったり、友人であったり、隣の奥さんだったり、したん
だ。」ということ。「東京朝7時」だってかまわない、ということ。
それにしても、オレンジ色に染まったテヘラン市街を見渡している、アフガン人建設労働者のシルエットは、
息を飲むような美しさでした。異境の地、イランで、孤独そのもので、先行きの希望もなにもない、青年、
そんな青年が、小さいながらも、しっかりと両足を鉄骨の屋上に据えて、自然の祝福を体一杯に受けている、
そんな風に感じました。
これは メッセージ 701 (sharghi82 さん)への返信です.