変だとは思わなかったけど
投稿者: hechiko 投稿日時: 2005/07/22 17:10 投稿番号: [1404 / 1694]
モウセンゴケについては詳しくないけれど、特に変な記事だとは思わなかったな。
記事が消える可能性があるので、ひとまず全文引用。
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<尾瀬ピンチ>コケ類衰退 ハイカーの弁当食べ残しが原因
高層湿原独特の景観で人気がある尾瀬(福島、群馬、新潟県)で、こぼれたり食べ残されたハイカーの弁当が代表的植物のコケ類への過剰な窒素の供給源となり、植生に悪影響を与える可能性の高いことが、東京農工大の赤木右(たすく)教授(無機地球化学)の調査で分かった。赤木教授は「窒素が多過ぎるとコケ類が衰退し、今は見られない植物が繁茂しやすくなる。尾瀬の景観が変わるかもしれない」と警告している。
赤木教授は99〜00年、登山者が歩く木道に沿う尾瀬ケ原の休憩場所24カ所付近で、モウセンゴケを許可を得て約5検体ずつ採取し、組織中の窒素を調べた。
尾瀬における窒素の供給源は主に雨水。自然界にある窒素は窒素14が99.6%以上を占め、残りが窒素15だ。しかし、モウセンゴケから検出された窒素15の比率は、自然界より平均で約1.5倍もあった。休憩場所から近い所に生えていたり、休憩場所が大きく大勢の人が集まる所ほど、比率が高い傾向にあった。
一方、食品中の窒素は主に魚や肉類に含まれ、食物連鎖の上位の動植物ほど窒素15が蓄積されている。赤木教授は、モウセンゴケの比率の高さはハイカーの弁当に由来していると分析。食虫植物のモウセンゴケは、食べ残されたり、こぼれた食品を食べた昆虫類を捕らえ、窒素15を取り込んだらしい。
尾瀬の湿原は栄養源に乏しいため、それに耐えるコケなどによる独特の植生を形作っている。しかし、昨年だけでも約34万人が入山し、持ち込まれた食品や排せつ物によって湿原の栄養源が過剰になると懸念されていた。今回の調査は、植物の成長に欠かせない窒素が、外部から多量に持ち込まれていることを裏付けた。赤木教授は「ハイカーは、尾瀬では弁当を食べないくらいの気持ちで行くことが必要だ」と話している。【去石信一】
(毎日新聞) - 7月21日15時15分更新
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まず、モウセンゴケのN15の比率(同位体比)が高いのは当たり前、とは限らない。
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/ecologicaldic/s/syokucyuu/syokucyuu.htm
>例えばモウセンゴケでは、虫を捕まえることができなくても生長して開花・結実するが、虫を捕まえることができるとたくさんの花を咲かせ、種子を付けることがわかっている。
によると、モウセンゴケの窒素源は虫以外にもあることがわかる。おそらく通常の植物と同様に根から摂取するのだろう。
これから予想できるのは、モウセンゴケが虫をどの程度食べたかによって、モウセンゴケの同位体比が変わってくるだろう、ということ。具体的には、虫が少ない環境では、モウセンゴケの窒素源は主に同位体比の低い無機窒素で、同位体比は通常の植物と同等か微妙に高い程度になり、虫が多い環境では、モウセンゴケの窒素源は主に同位体比の高い虫で、モウセンゴケの同位体比は高くなる、と予想できる。そして、どの程度の同位体比をとるのが自然界で平均的なのかは、その環境に依存する、と考えられる。
で、結果はというと、
>モウセンゴケから検出された窒素15の比率は、自然界より平均で約1.5倍もあった
>休憩場所から近い所に生えていたり、休憩場所が大きく大勢の人が集まる所ほど、比率が高い傾向にあった
ということらしい。
一つめの結果は、これだけでは何とも評価のしようがない。なぜなら、尾瀬のモウセンゴケの本来の同位体比(バックグラウンドレベル)がわからないから。上で書いたように、モウセンゴケの同位体比は環境によって左右されるので、いろいろな値を取りうることになる。
そこで、二つめの結果に注目する。休憩場所から近い所の方が同位体比が高く、休憩場所から遠い所の方が同位体比が低いということは、バックグラウンドレベルの同位体比は低く、人的要因によって高くなっているということが考えられる。
平均して約1.5倍(常識的にはこの値はかなり怪しいが)だから、尾瀬のモウセンゴケの同位体比のバックグラウンドレベルはそれよりも低い値ということだろう。
結論として、休憩場所から近い所の方がバックグラウンドレベルよりも高くなっている事の説明として、「食べ残されたり、こぼれた食品を食べた昆虫類を捕らえ」ることによって同位体比が高くなったのだろう、と推論することは、真実かどうかは別にして、まあ妥当だろうと思う。食べ残されたり、こぼれた食品があるところには昆虫が多いというのは一般的によくあるし、昆虫が多
記事が消える可能性があるので、ひとまず全文引用。
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<尾瀬ピンチ>コケ類衰退 ハイカーの弁当食べ残しが原因
高層湿原独特の景観で人気がある尾瀬(福島、群馬、新潟県)で、こぼれたり食べ残されたハイカーの弁当が代表的植物のコケ類への過剰な窒素の供給源となり、植生に悪影響を与える可能性の高いことが、東京農工大の赤木右(たすく)教授(無機地球化学)の調査で分かった。赤木教授は「窒素が多過ぎるとコケ類が衰退し、今は見られない植物が繁茂しやすくなる。尾瀬の景観が変わるかもしれない」と警告している。
赤木教授は99〜00年、登山者が歩く木道に沿う尾瀬ケ原の休憩場所24カ所付近で、モウセンゴケを許可を得て約5検体ずつ採取し、組織中の窒素を調べた。
尾瀬における窒素の供給源は主に雨水。自然界にある窒素は窒素14が99.6%以上を占め、残りが窒素15だ。しかし、モウセンゴケから検出された窒素15の比率は、自然界より平均で約1.5倍もあった。休憩場所から近い所に生えていたり、休憩場所が大きく大勢の人が集まる所ほど、比率が高い傾向にあった。
一方、食品中の窒素は主に魚や肉類に含まれ、食物連鎖の上位の動植物ほど窒素15が蓄積されている。赤木教授は、モウセンゴケの比率の高さはハイカーの弁当に由来していると分析。食虫植物のモウセンゴケは、食べ残されたり、こぼれた食品を食べた昆虫類を捕らえ、窒素15を取り込んだらしい。
尾瀬の湿原は栄養源に乏しいため、それに耐えるコケなどによる独特の植生を形作っている。しかし、昨年だけでも約34万人が入山し、持ち込まれた食品や排せつ物によって湿原の栄養源が過剰になると懸念されていた。今回の調査は、植物の成長に欠かせない窒素が、外部から多量に持ち込まれていることを裏付けた。赤木教授は「ハイカーは、尾瀬では弁当を食べないくらいの気持ちで行くことが必要だ」と話している。【去石信一】
(毎日新聞) - 7月21日15時15分更新
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まず、モウセンゴケのN15の比率(同位体比)が高いのは当たり前、とは限らない。
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/ecologicaldic/s/syokucyuu/syokucyuu.htm
>例えばモウセンゴケでは、虫を捕まえることができなくても生長して開花・結実するが、虫を捕まえることができるとたくさんの花を咲かせ、種子を付けることがわかっている。
によると、モウセンゴケの窒素源は虫以外にもあることがわかる。おそらく通常の植物と同様に根から摂取するのだろう。
これから予想できるのは、モウセンゴケが虫をどの程度食べたかによって、モウセンゴケの同位体比が変わってくるだろう、ということ。具体的には、虫が少ない環境では、モウセンゴケの窒素源は主に同位体比の低い無機窒素で、同位体比は通常の植物と同等か微妙に高い程度になり、虫が多い環境では、モウセンゴケの窒素源は主に同位体比の高い虫で、モウセンゴケの同位体比は高くなる、と予想できる。そして、どの程度の同位体比をとるのが自然界で平均的なのかは、その環境に依存する、と考えられる。
で、結果はというと、
>モウセンゴケから検出された窒素15の比率は、自然界より平均で約1.5倍もあった
>休憩場所から近い所に生えていたり、休憩場所が大きく大勢の人が集まる所ほど、比率が高い傾向にあった
ということらしい。
一つめの結果は、これだけでは何とも評価のしようがない。なぜなら、尾瀬のモウセンゴケの本来の同位体比(バックグラウンドレベル)がわからないから。上で書いたように、モウセンゴケの同位体比は環境によって左右されるので、いろいろな値を取りうることになる。
そこで、二つめの結果に注目する。休憩場所から近い所の方が同位体比が高く、休憩場所から遠い所の方が同位体比が低いということは、バックグラウンドレベルの同位体比は低く、人的要因によって高くなっているということが考えられる。
平均して約1.5倍(常識的にはこの値はかなり怪しいが)だから、尾瀬のモウセンゴケの同位体比のバックグラウンドレベルはそれよりも低い値ということだろう。
結論として、休憩場所から近い所の方がバックグラウンドレベルよりも高くなっている事の説明として、「食べ残されたり、こぼれた食品を食べた昆虫類を捕らえ」ることによって同位体比が高くなったのだろう、と推論することは、真実かどうかは別にして、まあ妥当だろうと思う。食べ残されたり、こぼれた食品があるところには昆虫が多いというのは一般的によくあるし、昆虫が多
これは メッセージ 1403 (meliosma さん)への返信です.