正義と悪
投稿者: nobu_ichi95 投稿日時: 2005/03/31 01:27 投稿番号: [6056 / 62227]
相手を「悪」と決め付けるとき、主張する自分は少なくともニュートラルであるべきで同じ「悪」であってはならない。
普通、欧米人が慣れ親しんだ価値観から言えば、悪の概念とは、主に「法を守らぬもの」(無法者)を指すことが多いが、そこには、第三者にも理由の説明が可能な論理性が存在する。
また、多くの場合、悪の役割を割り振られた側にも、反論の余地がある・・・「我々はこれこれの理由で法を遵守している」と。
しかし・・・確かな法概念以前の原初な理由から、「悪」と名指しされた場合、反論は効力を有しない。宗教的理由・倫理的理由・・・人間の本能的な「好き嫌い」・・・「憎悪」に近い感情から糾弾された場合、主張する自分には勝手に「絶対的な正義」を割り振り、相手を悪と呼ぶ。いわば、自分たちの行動規範からは、絶対に容認できないもの。根絶すべきものを「悪」と呼んでいるに等しいのであるから、反対弁論が受け付けられる余地などある訳が無いし、悪たる相手には何をしても責められることもない。返って称えられるだろう。
その昔、イスラエル王国の祖、ヨシュアは「天啓」に従い、罪無きエリコの全先住民を宗教的理由のみで、文字通り赤子・家畜に至るまで殺戮しつくし絶滅させたが、旧約聖書ではその業績をヨシュア記として、1章を設け神の預言を誠実に履行した「偉業」として称えている。
鯨問題が、主に倫理論に根ざしていると言うのは、かなり以前から多くの論者が指摘される所であるが、倫理を理由に相手を「悪」と責めてくる場合、こじれると底無しの危険をはらんでいるという事は考慮に値するだろう。
今のところ、鯨をIWCのルールに従って捕獲する相手に対し、「無法者!」と指弾しても、厳密なルールが存在する以上は、民衆への説得性は弱い。だが、例えば一方的な事情でIWCを脱退していたなら、相手はあえて法の埒外に出たものであり、法以前の人倫に悖る行為として、倫理的理由の豊富な鯨問題は、善と悪の明確な図式を描き、悪を容易に神のごとき立場から糾弾することが可能になりかねない。「神」の意思を代行するがごとき所業(錯覚)は、民衆の宗教的情熱をも集めやすい事はいうまでもない。
倫理や宗教に根ざした理由から「悪」と糾弾されることは非常に恐ろしい。イスラムでは、それは現代でも即「死」を意味することがある。その傾向を持つテーマに対しては、軽んずることなく、敢えて対決する愚を犯さず、慎重に扱わねばならない・・・。
普通、欧米人が慣れ親しんだ価値観から言えば、悪の概念とは、主に「法を守らぬもの」(無法者)を指すことが多いが、そこには、第三者にも理由の説明が可能な論理性が存在する。
また、多くの場合、悪の役割を割り振られた側にも、反論の余地がある・・・「我々はこれこれの理由で法を遵守している」と。
しかし・・・確かな法概念以前の原初な理由から、「悪」と名指しされた場合、反論は効力を有しない。宗教的理由・倫理的理由・・・人間の本能的な「好き嫌い」・・・「憎悪」に近い感情から糾弾された場合、主張する自分には勝手に「絶対的な正義」を割り振り、相手を悪と呼ぶ。いわば、自分たちの行動規範からは、絶対に容認できないもの。根絶すべきものを「悪」と呼んでいるに等しいのであるから、反対弁論が受け付けられる余地などある訳が無いし、悪たる相手には何をしても責められることもない。返って称えられるだろう。
その昔、イスラエル王国の祖、ヨシュアは「天啓」に従い、罪無きエリコの全先住民を宗教的理由のみで、文字通り赤子・家畜に至るまで殺戮しつくし絶滅させたが、旧約聖書ではその業績をヨシュア記として、1章を設け神の預言を誠実に履行した「偉業」として称えている。
鯨問題が、主に倫理論に根ざしていると言うのは、かなり以前から多くの論者が指摘される所であるが、倫理を理由に相手を「悪」と責めてくる場合、こじれると底無しの危険をはらんでいるという事は考慮に値するだろう。
今のところ、鯨をIWCのルールに従って捕獲する相手に対し、「無法者!」と指弾しても、厳密なルールが存在する以上は、民衆への説得性は弱い。だが、例えば一方的な事情でIWCを脱退していたなら、相手はあえて法の埒外に出たものであり、法以前の人倫に悖る行為として、倫理的理由の豊富な鯨問題は、善と悪の明確な図式を描き、悪を容易に神のごとき立場から糾弾することが可能になりかねない。「神」の意思を代行するがごとき所業(錯覚)は、民衆の宗教的情熱をも集めやすい事はいうまでもない。
倫理や宗教に根ざした理由から「悪」と糾弾されることは非常に恐ろしい。イスラムでは、それは現代でも即「死」を意味することがある。その傾向を持つテーマに対しては、軽んずることなく、敢えて対決する愚を犯さず、慎重に扱わねばならない・・・。
これは メッセージ 1 (whale_ac さん)への返信です.
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