駆除と並行して進めていくしかない
投稿者: r13812 投稿日時: 2012/03/26 17:43 投稿番号: [57648 / 62227]
サンデー・トピックス:アザラシの保護管理
漁業との共存、課題山積
難しい実態把握
/北海道
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20120325ddlk01040143000c.html
◇本格駆除に懸念の声も
アザラシによる深刻な漁業被害を受け、道は鳥獣保護法の保護管理計画に基づく個体数管理に取り組む。新年度から環境省とともに生息域や個体数の調査を始め、早ければ14年度にも本格的な駆除に乗り出したい考えだ。だが、アザラシの生態には不明な点も多く、管理の対象には絶滅危惧種のゼニガタアザラシも含まれている。生態系への影響を懸念する意見もあり、道が目指す「漁業者との共存」には課題が山積している。【田中裕之】
■被害約3億円
道などによると、道内のアザラシは複数種いるが、多くは「氷上繁殖型」のゴマフアザラシで、オホーツク海側から積丹半島にかけた日本海側に数千頭が生息しているとみられている。このほか、襟裳岬周辺や厚岸町以東の太平洋側に「陸上繁殖型」のゼニガタアザラシが約1000頭いるとされる。
近年は個体数の増加とともに、魚が食べられたり、漁網が食いちぎられたりする被害が目立っており、道内漁協が道に申告した被害総額は10年度が約2億9000万円と、03年度の約4100万円の約7倍に増えている。
野生のゴマフが間近で見られる観光スポットとして知られる稚内市の抜海港では、個体数が過去5年で7割増加。1カ月のタコの水揚げ量は10年前の1トンから100キロに激減し、港に近いサケの定置網では一日で300匹が食べられてしまうこともあるという。地元の町内会長で漁師の森寛泰さん(49)は「漁師は魚が食われるだけで、何の得にもならない」とため息をつく。
港内では1月、稚内開発建設部がアザラシが多く集まる砂場に上陸を制限する柵を設けるなどしているが、抜本策はなく、地元では苦慮している。
■全国初の試み
アザラシの食害は古くから知られるが、これまでは詳しい生態や生息数が分かっていなかったこともあり、対策はほとんど取られてこなかった。終戦直後は毛皮や脂肪が重宝され、盛んに捕獲されたが、代替品が多くなり、近年では需要がほとんどなくなった。ゴマフは現在でも道の許可があれば狩猟による駆除は可能で、ここ数年の被害で捕獲数は増えているとはいえ、10年度で89頭。ゼニガタは戦後の過剰捕獲で頭数が激減し、環境省の絶滅危惧種に指定され、駆除もできないのが現状だ。
こうした事態を受け、環境省は12〜13年度に襟裳岬周辺でゼニガタの生息数や被害実態などの調査に着手する。調査で一定の駆除が必要と判断されれば、これまで禁止していたゼニガタの駆除を容認したい考えだ。
道も環境省の調査に協力し、その結果を踏まえて14年度以降にゴマフを含めた保護管理計画を策定する方針で、海洋生物の保護管理計画は全国初の試みとなる。
■根強い慎重論
絶滅危惧種のゼニガタを含むアザラシの駆除には慎重な意見もある。海外にはアザラシの保護を掲げる環境保護団体もあり、稚内漁協抜海支所は「イルカ漁を批判的に取り上げた映画の舞台になった和歌山県太地町のように活動家の反発を招く可能性がある」と警戒する。
また、生息数や被害実態の調査には課題もある。道によると、通年で道内に生息するゼニガタと異なり、ゴマフは時期によってロシア・サハリン州など広い範囲を回遊することから、全体を数える手立てがない。漁業被害についてもアザラシが好む小魚や稚魚は丸のみされるため、実態を把握するのは難しいという。
道のアザラシ対策を検討する連絡協議会のメンバーでもある東京農大の小林万里准教授(海洋哺乳類学)は「アザラシが生息する海域を一定の広さに区切り、食べられる魚の数や種類、大きさをチェックすれば、有効な調査はできる。ただ、長期間、継続しなければ変化を読み取れないので、駆除と並行して進めていくしかない」と話す。
毎日新聞 2012年3月25日 地方版
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20120325ddlk01040143000c.html
◇本格駆除に懸念の声も
アザラシによる深刻な漁業被害を受け、道は鳥獣保護法の保護管理計画に基づく個体数管理に取り組む。新年度から環境省とともに生息域や個体数の調査を始め、早ければ14年度にも本格的な駆除に乗り出したい考えだ。だが、アザラシの生態には不明な点も多く、管理の対象には絶滅危惧種のゼニガタアザラシも含まれている。生態系への影響を懸念する意見もあり、道が目指す「漁業者との共存」には課題が山積している。【田中裕之】
■被害約3億円
道などによると、道内のアザラシは複数種いるが、多くは「氷上繁殖型」のゴマフアザラシで、オホーツク海側から積丹半島にかけた日本海側に数千頭が生息しているとみられている。このほか、襟裳岬周辺や厚岸町以東の太平洋側に「陸上繁殖型」のゼニガタアザラシが約1000頭いるとされる。
近年は個体数の増加とともに、魚が食べられたり、漁網が食いちぎられたりする被害が目立っており、道内漁協が道に申告した被害総額は10年度が約2億9000万円と、03年度の約4100万円の約7倍に増えている。
野生のゴマフが間近で見られる観光スポットとして知られる稚内市の抜海港では、個体数が過去5年で7割増加。1カ月のタコの水揚げ量は10年前の1トンから100キロに激減し、港に近いサケの定置網では一日で300匹が食べられてしまうこともあるという。地元の町内会長で漁師の森寛泰さん(49)は「漁師は魚が食われるだけで、何の得にもならない」とため息をつく。
港内では1月、稚内開発建設部がアザラシが多く集まる砂場に上陸を制限する柵を設けるなどしているが、抜本策はなく、地元では苦慮している。
■全国初の試み
アザラシの食害は古くから知られるが、これまでは詳しい生態や生息数が分かっていなかったこともあり、対策はほとんど取られてこなかった。終戦直後は毛皮や脂肪が重宝され、盛んに捕獲されたが、代替品が多くなり、近年では需要がほとんどなくなった。ゴマフは現在でも道の許可があれば狩猟による駆除は可能で、ここ数年の被害で捕獲数は増えているとはいえ、10年度で89頭。ゼニガタは戦後の過剰捕獲で頭数が激減し、環境省の絶滅危惧種に指定され、駆除もできないのが現状だ。
こうした事態を受け、環境省は12〜13年度に襟裳岬周辺でゼニガタの生息数や被害実態などの調査に着手する。調査で一定の駆除が必要と判断されれば、これまで禁止していたゼニガタの駆除を容認したい考えだ。
道も環境省の調査に協力し、その結果を踏まえて14年度以降にゴマフを含めた保護管理計画を策定する方針で、海洋生物の保護管理計画は全国初の試みとなる。
■根強い慎重論
絶滅危惧種のゼニガタを含むアザラシの駆除には慎重な意見もある。海外にはアザラシの保護を掲げる環境保護団体もあり、稚内漁協抜海支所は「イルカ漁を批判的に取り上げた映画の舞台になった和歌山県太地町のように活動家の反発を招く可能性がある」と警戒する。
また、生息数や被害実態の調査には課題もある。道によると、通年で道内に生息するゼニガタと異なり、ゴマフは時期によってロシア・サハリン州など広い範囲を回遊することから、全体を数える手立てがない。漁業被害についてもアザラシが好む小魚や稚魚は丸のみされるため、実態を把握するのは難しいという。
道のアザラシ対策を検討する連絡協議会のメンバーでもある東京農大の小林万里准教授(海洋哺乳類学)は「アザラシが生息する海域を一定の広さに区切り、食べられる魚の数や種類、大きさをチェックすれば、有効な調査はできる。ただ、長期間、継続しなければ変化を読み取れないので、駆除と並行して進めていくしかない」と話す。
毎日新聞 2012年3月25日 地方版
これは メッセージ 57534 (r13*12 さん)への返信です.
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