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和泉かよ子(毎日新聞)(1)

投稿者: r13812 投稿日時: 2011/09/12 20:18 投稿番号: [55758 / 62227]
特集ワイド:イルカ漁解禁の太地町ルポ   捕鯨は文化か蛮行か


イルカの追い込み漁の船が出航する太地漁港   ◇「海の人間」を殺すのか、牛や豚はよくて、何で?−−漁業者と反対派、続く「長い闘い」
  捕鯨の町として、今や世界的に知られる和歌山県太地町。1日にはイルカの追い込み漁が解禁されたが、今年はイルカ漁に反対する欧米の市民団体の抗議行動に備え、警察と海上保安庁が“厳戒態勢”を敷いた。イルカ漁に揺れる町を歩き、反対派にも話を聞いた。【和泉かよ子】

  台風12号が近付く太地町の空は、不穏な雲に覆われていた。太地町は約400年の捕鯨の歴史があり、捕鯨発祥の地と言われる。昨年3月、この町のイルカ漁を批判的に取り上げた映画「ザ・コーヴ」(入り江の意味)が、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞し、人口約3400人の小さな町「タイジ」の名は世界に広まった。

  イルカは小型鯨類に属し、生物学上は「小さい鯨」。日本の捕鯨は欧米のような鯨油目的ではなく、食料の確保だったため小型鯨類も対象としてきた。バンドウイルカやハナゴンドウなど小型鯨類の漁は、モリで突いて捕獲する「突きん棒漁業」と、「ザ・コーヴ」で撮影された「追い込み漁」がある。突きん棒漁業は北海道、岩手、宮城などでも行われているが、追い込み漁は太地町だけだ。

  捕鯨反対の活動家たちは漁の現場の映像を撮影して公表してきた。突きん棒漁業は捕獲後、船上で解体して帰航するので映像になりにくい。そこで、イルカの群れを湾に追い込む太地町の追い込み漁が標的にされたとみられる。

  町で民宿を営む磯田喜代子さん(75)は、父も夫も漁師だった。南極海の鯨漁に出ると、半年は戻らない。毎日、仏壇に手を合わせ、毎月1日は神社にお参りして無事を祈った。「鯨漁は命がけ。伝統を守って一生懸命やってきた。牛や豚は食べてもよくて、何で鯨やイルカはいかんのやろうか」と納得できない。

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  イルカ漁を巡っては、いけすの網を切断したり、食用のイルカを処理する様子を撮影しようとする反対派と、地元漁師との間でいさかいが続いてきた。追い込み漁の漁業者で作る「太地いさな組合」(23人)の副組合長、三好雅之さん(66)は「抗議行動とは長い闘いになってしまった。もう10年ぐらいになる。暴言を吐かれたり石を投げられたりして、その挑発に乗ってしまった。追い払おうとするのを映像に撮られ、反対派の宣伝に使われた」と悔やむ。今は「絶対に挑発に乗らない」と申し合わせている。

  米国のNPО「アース・アイランド研究所」は、今年のイルカの追い込み漁の解禁に合わせ、イルカ救援活動のカリスマ的存在、リック・オバリーさん(71)を担当責任者として「日本のイルカを救おう」キャンペーンを展開。「太地町でイルカのために祈りをささげよう」と呼び掛けた。これに応じたボランティア18人を含む11カ国の23人が来日。オバリーさんらは「平和的にイルカ救援を訴える」と述べ、「シー・シェパード」のような過激な団体とは一線を画すと強調した。
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