Re: 泥沼状態への回帰願望ですか?
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/09/15 21:38 投稿番号: [47772 / 62227]
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|最初に仮定する初期資源量および繁殖力の値によって、計算される捕獲限度量
|は異なる。
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>という解説があるのに、なぜ「繁殖力μを求める必要はない」という頓珍漢な
>発想に至るわけ?
ちょっとこれ、本当は複雑な話なんだけど、「最初に仮定する初期資源量
および繁殖力」というのは、現実に、あるいは生物学的にありうるすべての
範囲の数値を仮に入力としてソフトウェアに入れるという段階です。
それで、ありとあらゆる可能性の組み合わせで、過去と未来の特定系群
クジラの「長期人口動態」をシミュレーションします。
それで出てきた曲線の束を、もう一度過去の捕鯨数の時系列データや過去
何回か行われたそれなりの生息数推定の多くの点の配置と比べて、どういう
仮定の組み合わせは現実にありそうもないか、というふうにして動態の
「クセ」をだんだん明確にしてゆくというのがRMP(改訂管理方式)の
やりかたです。
「点の雲の形」にいちばんよくフィットする「曲線の形」をコンピュータの
中で探し出してゆくというやり方ね。初期資源量の幅も自動的に計算で
だんだん幅が縮まり、真ん中から見て扇形に過去のほうへ広がるという
形になります。
ここで外部からデータとして入れてやるのは現在の推定生息数と過去の
捕鯨記録の毎年の頭数だけでよいということです。
過去の捕鯨記録は、1930以降だとノルウェーの国際捕鯨統計事務局で発行
している年報に出ているし(International whaling statistics)、
それ以前のものは19世紀米海軍の海洋学者、モーリー(Matthew Fontaine
Maury)や、1935年に「タウンゼント・チャート」を発表したニューヨーク
水族館館長タウンゼント(Charles Haskin Townsend)による、各帆船捕鯨船
ログブックの集大成が有名です。
クジラの「現在生息数」推定は1960年代頃からIWCではじめられるのですが、
初期のものは特にいろいろなバイアスがかかっているので、バイアスの
特性に配慮しながら、不確実性の幅を大きくとった形で、人口動態の
可能性の検定に使います。
このようにして、はじめは広い幅をもって入れられた増殖率などの
「ありうる仮定の数値」というのが、コンピュータ実験の中で、より現実に
近づけられてゆくと考えるのがRMP(改訂管理方式)です。
実測値は過去の捕鯨記録と現在目視で出している推定生息数だけ、
ということになります。
たとえ調査捕鯨で、南極海南緯60°以南の南極ミンククジラ妊娠率が85ー95%
と出たとしても、南アあたりの鯨類学者の行動生態観察で、雌のナンキョク
ミンククジラがほぼ5年に一度妊娠を休止するから、実際の妊娠率は約
78%とわかっており、そうなるとそれより高い「実測妊娠比率」は調査海域
のバイアスか、統計処理の間違いか、その複合だろうということになります。
この5年に一度の妊娠休止というのは、懐妊周期(14ヶ月)と年回遊周期
(当然12ヶ月)のズレを調整するために出てくるもので、もう進化論的
長期間にわたって変わることのない数字です。(Peter Best, "Whales and
Dolphins of the Southern Africa Subregion, 2007. これ、立派な本だけど、
オランダのダイヤモンド屋、デビアスと並んで、マツダ・ワイルドファンド
が資金提供してるね)
いずれにしても、日本側で調査捕鯨の成果として出すものは、出産関連の
データ(排卵率、妊娠率)は高すぎ、死亡関連が低すぎという、増加率を
高く見積もりたい方々には非常に好都合な数値が出てますね。
|最初に仮定する初期資源量および繁殖力の値によって、計算される捕獲限度量
|は異なる。
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>という解説があるのに、なぜ「繁殖力μを求める必要はない」という頓珍漢な
>発想に至るわけ?
ちょっとこれ、本当は複雑な話なんだけど、「最初に仮定する初期資源量
および繁殖力」というのは、現実に、あるいは生物学的にありうるすべての
範囲の数値を仮に入力としてソフトウェアに入れるという段階です。
それで、ありとあらゆる可能性の組み合わせで、過去と未来の特定系群
クジラの「長期人口動態」をシミュレーションします。
それで出てきた曲線の束を、もう一度過去の捕鯨数の時系列データや過去
何回か行われたそれなりの生息数推定の多くの点の配置と比べて、どういう
仮定の組み合わせは現実にありそうもないか、というふうにして動態の
「クセ」をだんだん明確にしてゆくというのがRMP(改訂管理方式)の
やりかたです。
「点の雲の形」にいちばんよくフィットする「曲線の形」をコンピュータの
中で探し出してゆくというやり方ね。初期資源量の幅も自動的に計算で
だんだん幅が縮まり、真ん中から見て扇形に過去のほうへ広がるという
形になります。
ここで外部からデータとして入れてやるのは現在の推定生息数と過去の
捕鯨記録の毎年の頭数だけでよいということです。
過去の捕鯨記録は、1930以降だとノルウェーの国際捕鯨統計事務局で発行
している年報に出ているし(International whaling statistics)、
それ以前のものは19世紀米海軍の海洋学者、モーリー(Matthew Fontaine
Maury)や、1935年に「タウンゼント・チャート」を発表したニューヨーク
水族館館長タウンゼント(Charles Haskin Townsend)による、各帆船捕鯨船
ログブックの集大成が有名です。
クジラの「現在生息数」推定は1960年代頃からIWCではじめられるのですが、
初期のものは特にいろいろなバイアスがかかっているので、バイアスの
特性に配慮しながら、不確実性の幅を大きくとった形で、人口動態の
可能性の検定に使います。
このようにして、はじめは広い幅をもって入れられた増殖率などの
「ありうる仮定の数値」というのが、コンピュータ実験の中で、より現実に
近づけられてゆくと考えるのがRMP(改訂管理方式)です。
実測値は過去の捕鯨記録と現在目視で出している推定生息数だけ、
ということになります。
たとえ調査捕鯨で、南極海南緯60°以南の南極ミンククジラ妊娠率が85ー95%
と出たとしても、南アあたりの鯨類学者の行動生態観察で、雌のナンキョク
ミンククジラがほぼ5年に一度妊娠を休止するから、実際の妊娠率は約
78%とわかっており、そうなるとそれより高い「実測妊娠比率」は調査海域
のバイアスか、統計処理の間違いか、その複合だろうということになります。
この5年に一度の妊娠休止というのは、懐妊周期(14ヶ月)と年回遊周期
(当然12ヶ月)のズレを調整するために出てくるもので、もう進化論的
長期間にわたって変わることのない数字です。(Peter Best, "Whales and
Dolphins of the Southern Africa Subregion, 2007. これ、立派な本だけど、
オランダのダイヤモンド屋、デビアスと並んで、マツダ・ワイルドファンド
が資金提供してるね)
いずれにしても、日本側で調査捕鯨の成果として出すものは、出産関連の
データ(排卵率、妊娠率)は高すぎ、死亡関連が低すぎという、増加率を
高く見積もりたい方々には非常に好都合な数値が出てますね。
これは メッセージ 47769 (marique625 さん)への返信です.
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