1977年6月21日朝日新聞
投稿者: r13812 投稿日時: 2010/07/17 21:46 投稿番号: [45995 / 62227]
誤解招く?捕鯨PR 「協会」発行のパンフ
毎日食べている印象
「相互理解求める工夫を」
オーストラリアのキャンベラで二十日から始まった国際捕鯨委員会(IWC)の本会議は、鯨をできるだけ多くとりたい、という日ソと捕鯨禁止を主張する米英などの意見が烈しく対立、捕獲量の設定は難航の気配である。日本捕鯨協会(大村秀雄理事長)ではこれら捕鯨に反対する諸国民に、日本の立場を理解してもらおう、と数年前から英文のパンフレットを作り配布している。しかし、その内容は日本人が毎日鯨を食べているような誤解を招きかねない記述など、疑問点が少なくない。鯨に関心を持つ水産学者や、自然保護関係者の間で「こうしたPRが米国民に偏見を抱かせ、日本品ボイコットなどに走らせる一方、日本人はこれに反発するなど無用な摩擦を生んでいる」との批判が強まっている。このため同協会でも記載内容を再検討、真の理解と協力を求めるという。
意見参考に再検討 協会側
鯨の捕獲禁止の動きは、一九七二年のストックホルム国連人間環境会議をきっかけに急速な高まりを見せた。事態を重視した日本捕鯨協会は、さっそく捕鯨反対運動の根拠地米国に、捕鯨についての“正しい”情報を伝える機関を設け、「捕鯨問題・日本の立場」などの英文小冊子を発行、主として米国民の理解を求める一方、国内でも「捕鯨の継続と資源の増加は両立します」という小冊子を作り、捕鯨の“正当性”を主張する作戦を続けている。
ところが、これら冊子の中には、①鯨は確実にふえている②IWCが提唱している「鯨類をある数量になるまで捕獲せず、その目標値到達後も絶対数は減らさない範囲で、数量的には最高の捕獲をする」いわゆるMSY方式をニシキの御旗にしている③米国の反捕鯨団体は単なる宣伝目的から行動しており非常識だ④日本人は鯨を大きな魚と呼び、千年も前から食べて来た。その結果鯨に対するし好性が強い⑤学校給食でも必要量が確保できず困っている⑥年間総漁獲量一千万㌧のうち四百五十万㌧を外国の二百カイリ経済水域内でとっている日本は今後大きな影響を受ける。その際、鯨は貴重なたんぱく源であるなどと書いてある。
これに対して東京水産大学の平沢豊教授(水産経営)、水口憲哉助教授(水産資源)、各種自然保護団体は「鯨の数の確認は目で確かめることが主体、捕獲が始まる前にどれぐらいの頭数が存在したかはもちろん、生態もはっきりはわかっていないものが多い。従ってMSY方式を最善の資源管理方式とするのはムリがある」「米国の反捕鯨団体の中には日本自然保護団体が顔負けするほど日本捕鯨に詳しく、ボイコットをたしなめているものもある」「日本人全部が鯨を食べるようになったのは終戦後。昔は適切な貯蔵手段もなく、とてもし好が強いなどとはいえない。それに最近のこどもの間では鯨肉給食はあまり歓迎されていない」「いまでさえ二百五十万㌧が飼料になっている。わずか六、七万㌧の鯨肉がなくなったからといって社会問題にはならない。むしろ高くて大衆は食べられないのが実情」などと反論している。
また、水口助教授らは日本の捕鯨の主要品目の一つに鯨油があるのに、これには一切ふれていないのも不思議だ、という。そしてこうした間違った側面を強調すると、米国人の間に日本人は毎日鯨を食べている、といった誤った認識を植えつける。それは日本品ボイコットに結びつく。そんなこととは知らぬ日本人はそうした反捕鯨の動きに感情的に反発、その結果不必要な反目を生じさせるのが心配の様子。
「米国でも漁民がマグロ漁の時、同じほ乳類のイルカを年間三十万頭も殺して捨てている。またマッコウ鯨から取れる航空用潤滑油を米国が他国から別の名称品目で買いつけているという話もある。自分たちもありのままの姿を見せ、相手にもいうべきことをはっきりいうことが真の相互理解への近道」と忠告している。
こうした批判に対して日本捕鯨協会の河村春平事務局長は「こちらにも言い分はあるが、なるほどという指摘も少なくない。こうした意見を参考にパンフレットの内容を再検討したい」という。
毎日食べている印象
「相互理解求める工夫を」
オーストラリアのキャンベラで二十日から始まった国際捕鯨委員会(IWC)の本会議は、鯨をできるだけ多くとりたい、という日ソと捕鯨禁止を主張する米英などの意見が烈しく対立、捕獲量の設定は難航の気配である。日本捕鯨協会(大村秀雄理事長)ではこれら捕鯨に反対する諸国民に、日本の立場を理解してもらおう、と数年前から英文のパンフレットを作り配布している。しかし、その内容は日本人が毎日鯨を食べているような誤解を招きかねない記述など、疑問点が少なくない。鯨に関心を持つ水産学者や、自然保護関係者の間で「こうしたPRが米国民に偏見を抱かせ、日本品ボイコットなどに走らせる一方、日本人はこれに反発するなど無用な摩擦を生んでいる」との批判が強まっている。このため同協会でも記載内容を再検討、真の理解と協力を求めるという。
意見参考に再検討 協会側
鯨の捕獲禁止の動きは、一九七二年のストックホルム国連人間環境会議をきっかけに急速な高まりを見せた。事態を重視した日本捕鯨協会は、さっそく捕鯨反対運動の根拠地米国に、捕鯨についての“正しい”情報を伝える機関を設け、「捕鯨問題・日本の立場」などの英文小冊子を発行、主として米国民の理解を求める一方、国内でも「捕鯨の継続と資源の増加は両立します」という小冊子を作り、捕鯨の“正当性”を主張する作戦を続けている。
ところが、これら冊子の中には、①鯨は確実にふえている②IWCが提唱している「鯨類をある数量になるまで捕獲せず、その目標値到達後も絶対数は減らさない範囲で、数量的には最高の捕獲をする」いわゆるMSY方式をニシキの御旗にしている③米国の反捕鯨団体は単なる宣伝目的から行動しており非常識だ④日本人は鯨を大きな魚と呼び、千年も前から食べて来た。その結果鯨に対するし好性が強い⑤学校給食でも必要量が確保できず困っている⑥年間総漁獲量一千万㌧のうち四百五十万㌧を外国の二百カイリ経済水域内でとっている日本は今後大きな影響を受ける。その際、鯨は貴重なたんぱく源であるなどと書いてある。
これに対して東京水産大学の平沢豊教授(水産経営)、水口憲哉助教授(水産資源)、各種自然保護団体は「鯨の数の確認は目で確かめることが主体、捕獲が始まる前にどれぐらいの頭数が存在したかはもちろん、生態もはっきりはわかっていないものが多い。従ってMSY方式を最善の資源管理方式とするのはムリがある」「米国の反捕鯨団体の中には日本自然保護団体が顔負けするほど日本捕鯨に詳しく、ボイコットをたしなめているものもある」「日本人全部が鯨を食べるようになったのは終戦後。昔は適切な貯蔵手段もなく、とてもし好が強いなどとはいえない。それに最近のこどもの間では鯨肉給食はあまり歓迎されていない」「いまでさえ二百五十万㌧が飼料になっている。わずか六、七万㌧の鯨肉がなくなったからといって社会問題にはならない。むしろ高くて大衆は食べられないのが実情」などと反論している。
また、水口助教授らは日本の捕鯨の主要品目の一つに鯨油があるのに、これには一切ふれていないのも不思議だ、という。そしてこうした間違った側面を強調すると、米国人の間に日本人は毎日鯨を食べている、といった誤った認識を植えつける。それは日本品ボイコットに結びつく。そんなこととは知らぬ日本人はそうした反捕鯨の動きに感情的に反発、その結果不必要な反目を生じさせるのが心配の様子。
「米国でも漁民がマグロ漁の時、同じほ乳類のイルカを年間三十万頭も殺して捨てている。またマッコウ鯨から取れる航空用潤滑油を米国が他国から別の名称品目で買いつけているという話もある。自分たちもありのままの姿を見せ、相手にもいうべきことをはっきりいうことが真の相互理解への近道」と忠告している。
こうした批判に対して日本捕鯨協会の河村春平事務局長は「こちらにも言い分はあるが、なるほどという指摘も少なくない。こうした意見を参考にパンフレットの内容を再検討したい」という。
これは メッセージ 45861 (r13812 さん)への返信です.
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