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捕鯨問題に関する国内世論の喚起(10)

投稿者: r13812 投稿日時: 2010/07/15 21:43 投稿番号: [45868 / 62227]
IWCへのアピールの提出

毎年夏に開催されるIWCの前に会合を開き、捕鯨懇としてのアピールをまとめ、全員がサインしてIWC議長、事務局長、各国コミッショナーに送る。内容は、日本にとって重要な議題に関し、政府とは異なる立場からの主張を盛り込む。例えば「仮にモラトリアムが採択されれば、われわれは政府に対し意義を申し立てるよう強固に要求する」といった具合。また、78年のIWCで起った染料水事件に関しては、IWC関係者に手紙を送り、「今後二度とこのような事件が起こらないよう万善を期すべきだ」と訴えた。これに対し、7ヵ国のコミッショナーから「全く同意」との返事が寄せられた。



農林水産大臣への陳情

「捕鯨存続の方針を強く打ち出し、米国と交渉してほしい」――このような陳情書を2回、時の農林水産大臣に提出した。78年1月30日、中川一郎農水相、同年12月18日、渡辺美智雄農水相に代表世話人ほかのメンバーが直接会い、陳情した。

中川氏は「反捕鯨団体は民間のパワー。これに対して日本でも民間人が捕鯨擁護に立ち上がってくれてありがたい」と答えた。

渡辺氏との面会ではおもしろい場面があった。鯨の件で文化人が訪ねてきたということで誤解したのだろう。いきなり「捕鯨をやめろというのですか」といって迎えた。説明を聞いて一笑、「一頭もとれなくなることなどあり得ない」と述べた。

大臣に対する陳情で、IWC日本代表団の姿勢が強くなったことが、大きな収穫だった。



IWCへの代表者派遣

これは捕鯨協会から「IWC会議をじかに見てほしい」との要請で、78年から代表2人がロンドンまで足を運んでいる。捕鯨懇代表はロンドンで日本人記者、外国特派員、反捕鯨団体などと精力的に会い、日本国民の感情を率直に伝えた。



パブリシティ活動

各分野で活躍するメンバーは、それぞれの立場で、自主的にパブリシティ活動を実施している。例えばロンドンから帰ってきた代表は、IWC会議がいかに無茶苦茶なものであるかをテレビに出演して語った。赤い染料水で汚れた背広を着て出た。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



捕鯨懇はいまや業界にとっては百万の味方といえよう。79年11月の会合では、年2〜3回の頻度では少ないので、もっと会合の回数をふやすことを申し合わせた。そして「外国とケンカできるのはわれわれしかいない」との発言も出た。捕鯨懇の存在で、政府は捕鯨問題を軽視できなくなることは確かである。

メンバーに対する“お返し”は会合のたびに、鯨肉のおみやげと若干の交通費を渡すだけである。時間と智恵を商品とする文化人が、なぜこれほど打ち込んでくれるのか。われわれは不思議に思う。ただ、“クジラは大きくて深い存在”という感慨をかみしめているだけである。



(文責・国際ピーアール(株))
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