資源を枯渇させることの「合理性」
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/05/09 23:29 投稿番号: [43827 / 62227]
今回の大西洋/地中海クロマグロ問題で、CITEに先立つ国連食糧
農業機関(FAO)のパネル審議会にモナコ代表として資源政策を
論じたジャスティン・クックの資源管理論に関するスタンダードな
説明を提示しておきます。
捕鯨管理の大失敗と、大西洋クロマグロ群の崩壊はまったく
パラレルな論理構造になってます。
キーワードは、「商業的絶滅」の合理性です。
遠洋漁業営業者、一定規模以上の自然収奪経営企業にとって、
天然資源を絶滅させることが経済的、商業的には合理性がある
場合がかなり多いということが、数学的に証明されています。
たとえば現在、日本の総合商社、水産大手は大西洋クロマグロ
の冷凍在庫を大量に抱えているわけで、たとえば今すぐ、
火山爆発や海底油田事故で大西洋クロマグロが全滅すると、
価格の暴騰で膨大なを得ることが出来、この利益を振り替えて、
次への転進に非常に有利な立場に立てるというのが一例です。
=====
【大海性野生動物の持続的利用 /商業捕鯨から何を学ぶか?】
ワシリー・パパスタヴロウ&ジャスティン・クック 114 頁
First attempts at international regulation of whaling
[捕鯨を国際的に規制する最初の試み]
捕鯨を国際的に規制しようという試みは1930年代に国際連盟
の下で始まったが、これは第二次世界大戦の到来とともに断念
され、鯨にとっては数年間の相対的猶予が訪れた。
新たなイニシアチブが戦後開始され、国際捕鯨取締条約(ICRW)
という形で1946年に署名された。
この条約が国際捕鯨委員会(IWC)を設立し、これは主に南極海の
捕鯨を規制することに焦点を当てた。南極海捕鯨は主要に英国、
ノルウェー、オランダ、日本、ソ連の船団によって行われていた。
捕獲水準はストック(資源/系群)が持続可能であるより
はるか上方に戻された。1950年代中頃にはシロナガスクジラと
ザトウクジラが希少になり、ナガスクジラが減少していると
推察された。
しかし捕獲を抑制しようという真摯な努力はなされなかった。
どの国も捕獲の大きな切り下げを受け入れようとはしないようだった。
受け入れすなわち、捕鯨装備への既存投資のかなりの部分を
損金処理する、ということだったからであろう。国際捕鯨
委員会は南極海のヒゲクジラ捕獲に全般的制限枠を設定したが、
この枠はあまりにも大きすぎ、また鯨種別の区分さえしていなかった。
トレンドはもはや明らかだった。これは漁業管理のみならず、
環境管理でさえ広く見られる一般的な傾向だった。
管理行動をとることに失敗したという原因は、主に参加者たちの
合理的な自己利益目的によるものなのだが、そういうことを
オープンに認める者は少ない。
そのかわりに捕鯨枠削減の反対者たちは、削減の必要性に
関する科学的証拠で争った。
実際には目的と意志をめぐる論争なのだが、あたかも事実
(facts)をめぐる論争であるかのように装われた。
(つづく)
農業機関(FAO)のパネル審議会にモナコ代表として資源政策を
論じたジャスティン・クックの資源管理論に関するスタンダードな
説明を提示しておきます。
捕鯨管理の大失敗と、大西洋クロマグロ群の崩壊はまったく
パラレルな論理構造になってます。
キーワードは、「商業的絶滅」の合理性です。
遠洋漁業営業者、一定規模以上の自然収奪経営企業にとって、
天然資源を絶滅させることが経済的、商業的には合理性がある
場合がかなり多いということが、数学的に証明されています。
たとえば現在、日本の総合商社、水産大手は大西洋クロマグロ
の冷凍在庫を大量に抱えているわけで、たとえば今すぐ、
火山爆発や海底油田事故で大西洋クロマグロが全滅すると、
価格の暴騰で膨大なを得ることが出来、この利益を振り替えて、
次への転進に非常に有利な立場に立てるというのが一例です。
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【大海性野生動物の持続的利用 /商業捕鯨から何を学ぶか?】
ワシリー・パパスタヴロウ&ジャスティン・クック 114 頁
First attempts at international regulation of whaling
[捕鯨を国際的に規制する最初の試み]
捕鯨を国際的に規制しようという試みは1930年代に国際連盟
の下で始まったが、これは第二次世界大戦の到来とともに断念
され、鯨にとっては数年間の相対的猶予が訪れた。
新たなイニシアチブが戦後開始され、国際捕鯨取締条約(ICRW)
という形で1946年に署名された。
この条約が国際捕鯨委員会(IWC)を設立し、これは主に南極海の
捕鯨を規制することに焦点を当てた。南極海捕鯨は主要に英国、
ノルウェー、オランダ、日本、ソ連の船団によって行われていた。
捕獲水準はストック(資源/系群)が持続可能であるより
はるか上方に戻された。1950年代中頃にはシロナガスクジラと
ザトウクジラが希少になり、ナガスクジラが減少していると
推察された。
しかし捕獲を抑制しようという真摯な努力はなされなかった。
どの国も捕獲の大きな切り下げを受け入れようとはしないようだった。
受け入れすなわち、捕鯨装備への既存投資のかなりの部分を
損金処理する、ということだったからであろう。国際捕鯨
委員会は南極海のヒゲクジラ捕獲に全般的制限枠を設定したが、
この枠はあまりにも大きすぎ、また鯨種別の区分さえしていなかった。
トレンドはもはや明らかだった。これは漁業管理のみならず、
環境管理でさえ広く見られる一般的な傾向だった。
管理行動をとることに失敗したという原因は、主に参加者たちの
合理的な自己利益目的によるものなのだが、そういうことを
オープンに認める者は少ない。
そのかわりに捕鯨枠削減の反対者たちは、削減の必要性に
関する科学的証拠で争った。
実際には目的と意志をめぐる論争なのだが、あたかも事実
(facts)をめぐる論争であるかのように装われた。
(つづく)
これは メッセージ 43825 (aplzsia さん)への返信です.
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