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イヌイットのホッキョククジラ捕鯨2

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/05/05 08:16 投稿番号: [43734 / 62227]
Encyclopedia of Marine Mammals
by William F. Perrin, Bernd Würsig, J. G. M. Thewissen
海洋哺乳類エンサイクロペディア第2版(2008年)628ー637頁
Inuit and Marine Mammals]
Anne M. Jensen, Glenn W. Sheehan, and Stephen A. MacLean
I. Precontact Whaling
I.(西洋人との) 接触以前の捕鯨
(つづき)

トゥーリー捕鯨文化は850―900年頃北西アラスカで発達し、
数百年後には急速に北極圏アラスカからカナダ、北ラブラドル、
グリーンランドにまで広がった。さらに中部北極圏ではより北の
領域へ進出した。

トゥーリー捕鯨文化の急速な拡大は気候温暖化に影響されたもの
と思われる。暖かい気候により、北西アラスカから東カナダ、
グリーンランド沿岸全域が季節的に無氷海域となり、太平洋系群の
クジラと大西洋系群のクジラガつながって、頭数も多くなった
と推測される。このような条件で、沿岸ベースの捕鯨文化が
促進されたのであろう。

極北では温暖で安定した気候は長くは続かなかった。
寒冷な気候は氷に覆われる範囲と期間を拡張し、北極圏のクジラの
分布域と、おそらく頭数も縮小させた。

クジラを中心とした経済を持続しうる地理的範囲が縮小するにつれ、
より辺境にある地域ではクジラへの依存がリスクをともなう
ものとなった。

捕鯨中心で続けられなくなったトゥーリーの人々はより小さな海洋
哺乳類や他の狩猟対象へ重点を置くようになった。中央カナダ北極圏
では人が住まなくなった。

気象の変動はトゥーリー捕鯨文化の全域で大きな変化をもたらした。
トゥーリー文化の遺風が現在のカナダ、グリーンランド、アラスカ
イヌイット文化の起源になっている。

アラスカでは、捕鯨者たちが毎春クジラの出現する氷海中の水路
へ歩いて行ける陸上の地点に大きな定住集落を作る、ということに
よって彼らのもともとの捕鯨への依存という性格を持続することが
できた。

クジラは夏に向かって北上する際にこの水路を通る。水路はクジラを
収穫する上での要であり、秋季に南下する際の開けた海での通過
ポイントが秋の捕鯨でこれを補完する。

II. Mysticetes
A. Bowhead Whale, agviq
Ii.ヒゲクジラ類
A.ホッキョククジラ、 agviq

ホッキョククジラは前史あるいは歴史時代にも、狩猟採集社会で
猟られた最大の動物である。成獣は少なくとも体長20mに達し、
体重は50,000kgかそれ以上になる。

ゆっくりと泳ぎ、脂肪の豊かなこの鯨は、予測可能な周遊
パターンで岸近くを泳ぐので特に格好の標的となった。

商業捕鯨の出現とそれによるヨーロッパ人との接触は原住民の
ホッキョククジラ捕鯨に永久に名残を残す変化を与えた。

商業捕鯨はホッキョククジラのほとんどの生息海域でその
個体数を低下させ、生存捕鯨を支える水準以下に減らした。

チュコトカ原住民は1980年代までホッキョククジラ捕鯨を
続けていたが、ソヴィエト当局が陸上ベース捕鯨をキャッチャー
ボート捕鯨に切り替え、これは主にコククジラ(Eschrichtius
robustus)を対象にするものとなった。

1997年にアラスカエスキモー捕鯨委員会(AEWC)は彼らの
ホッキョククジラ捕獲枠をチュコトカ原住民と分け合うように
なった。国際捕鯨委員会(IWC)の規則で許可された年間総
射殺数のうち5頭分を彼らに分け与えたのである。

アラスカ捕鯨者の補助とトレイニングにより、チュコトカ
原住民はホッキョククジラ捕鯨を再開した。

カナダ・イヌイットは第一次世界大戦のころ伝統的ホッキョク
クジラ捕鯨を終止した。鯨の数が減ったためと、カナダ政府による
積極的な捕鯨停止の働きかけによるものだった。

1991年にマッケンジー河デルタ、Aklavikのカナダ・イヌイットが
20世紀初期以来はじめてホッキョククジラを陸揚げした。
1994年の捕鯨の試みは失敗し、1996年の漁は成功した。
しかしそれ以来、捕鯨の試みはしていない。

グリーンランド・イヌイットは商業捕鯨が大西洋のホッキョククジラ
ストックをほとんど絶滅にまで減らす以前、何世紀にもわたって
ホッキョククジラを捕っていた。

グリーンランド・イヌイットは18世紀後期から1851年まで
デンマークの商業捕鯨者に雇われていたが、ホッキョククジラが
枯渇したので商業捕鯨も終焉した。

(つづく)
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