LAWS1977オキアミ余剰≠ミンク鯨増加
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/04/25 07:58 投稿番号: [43617 / 62227]
クジラの生態系表だけ貼ってもわかりにくいので、この「オキアミ余剰仮説」
で有名なロウズ1976/77年論文の触りの部分だけ訳出しておきます。
===
Phil. Trans. R. Soc. Lond. B. 279, 81-96 (1977)
Printed in Great Britain
[ 81 ]
Seals and whales of the Southern Ocean
By R. M. LAWS
British Antarctic Survey, Madingley Road, Cambridge CB3 OET
南極圏の海洋哺乳類は北極圏より動物種の数が少ない。
たぶんこれは深く広い大海に、類の分化を促進する地理的障害がなかった
ことによるものだろう。
南極圏ではストックは基本的に大きく、個々の動物種での体のサイズは大きい。
これはたぶん餌の供給が他より豊富だということによるものだろう。
環境の季節的変動は南大洋では著しく、ヒゲクジラによる餌の入手可能性は
夏には非常に高い。
基本的にナンキョクオキアミを巡る餌消費者たちの生態学的相互関係を
ここで議論し、生態的な住み分けが種の内部および種間でおこる
いくつかの経路に注意をうながしたい。
生息数、バイオマス(生物量)、餌の需要量を、アザラシ類、大型鯨類に
ついて提示する。
オリジナルの鯨類の頭数は、南極海では他の大洋よりはるかに多かったが、
ストックは捕鯨により、深刻に低減した。これにより、他の消費動物たちが
手に入れられるようになったオキアミの量が、1億5000万トンほど増加した。
ヒゲクジラ類の性的成熟年齢が下がり、妊娠率が上昇したことが示され、
カニクイアザラシの成熟が早くなったことも示された。
これらの動物種で生息数が増えたということを示すことはできていないが、
オットセイとペンギン類はモニターされており、生息数は顕著に増加した。
重要な問題は、この生態系(エコシステム)のオリジナルなバランスが、
適切なマネージメントで復興できるかどうかということである。
[導 入]
南極圏のアザラシ、オットセイ類の生態系は多くのレビュー論文の対象と
なっており、このことは彼らへの関心の高まりを示している(Carrick 1964;
Laws1964,1977; Oritsland 1970, 1977; Ray 1970; Gilbert & Erickson 1977) 。
マッキントッシュは近年、鯨類の生態について良質の概観を与えてきたが、
(Mackintosh 1965, 1972b)、最近の会議は鯨類の状態を評価することに
貢献している(Schevill 1974)。また国際捕鯨委員会の科学委員会はその
新知見を毎年発表しているが、これは大きな関心と論争を呼び起こしている。
これは現在の鯨類と、捕鯨に関する極度の関心を反映したものである。
南極圏アザラシ・オットセイ類の保全に関する国際条約は最近12カ国の
署名を得ている(Anon 1972)。
南極圏哺乳類の何が顕著な特徴なのだろうか。
特に良く適応した生物種の集まりという点と、保全し、適切にマネージ
すべき貴重な資源という点から考察してみよう。
(つづく)
で有名なロウズ1976/77年論文の触りの部分だけ訳出しておきます。
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Phil. Trans. R. Soc. Lond. B. 279, 81-96 (1977)
Printed in Great Britain
[ 81 ]
Seals and whales of the Southern Ocean
By R. M. LAWS
British Antarctic Survey, Madingley Road, Cambridge CB3 OET
南極圏の海洋哺乳類は北極圏より動物種の数が少ない。
たぶんこれは深く広い大海に、類の分化を促進する地理的障害がなかった
ことによるものだろう。
南極圏ではストックは基本的に大きく、個々の動物種での体のサイズは大きい。
これはたぶん餌の供給が他より豊富だということによるものだろう。
環境の季節的変動は南大洋では著しく、ヒゲクジラによる餌の入手可能性は
夏には非常に高い。
基本的にナンキョクオキアミを巡る餌消費者たちの生態学的相互関係を
ここで議論し、生態的な住み分けが種の内部および種間でおこる
いくつかの経路に注意をうながしたい。
生息数、バイオマス(生物量)、餌の需要量を、アザラシ類、大型鯨類に
ついて提示する。
オリジナルの鯨類の頭数は、南極海では他の大洋よりはるかに多かったが、
ストックは捕鯨により、深刻に低減した。これにより、他の消費動物たちが
手に入れられるようになったオキアミの量が、1億5000万トンほど増加した。
ヒゲクジラ類の性的成熟年齢が下がり、妊娠率が上昇したことが示され、
カニクイアザラシの成熟が早くなったことも示された。
これらの動物種で生息数が増えたということを示すことはできていないが、
オットセイとペンギン類はモニターされており、生息数は顕著に増加した。
重要な問題は、この生態系(エコシステム)のオリジナルなバランスが、
適切なマネージメントで復興できるかどうかということである。
[導 入]
南極圏のアザラシ、オットセイ類の生態系は多くのレビュー論文の対象と
なっており、このことは彼らへの関心の高まりを示している(Carrick 1964;
Laws1964,1977; Oritsland 1970, 1977; Ray 1970; Gilbert & Erickson 1977) 。
マッキントッシュは近年、鯨類の生態について良質の概観を与えてきたが、
(Mackintosh 1965, 1972b)、最近の会議は鯨類の状態を評価することに
貢献している(Schevill 1974)。また国際捕鯨委員会の科学委員会はその
新知見を毎年発表しているが、これは大きな関心と論争を呼び起こしている。
これは現在の鯨類と、捕鯨に関する極度の関心を反映したものである。
南極圏アザラシ・オットセイ類の保全に関する国際条約は最近12カ国の
署名を得ている(Anon 1972)。
南極圏哺乳類の何が顕著な特徴なのだろうか。
特に良く適応した生物種の集まりという点と、保全し、適切にマネージ
すべき貴重な資源という点から考察してみよう。
(つづく)
これは メッセージ 43606 (aplzsia さん)への返信です.
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