副産物収入予算額から捕獲規模を予測する
投稿者: r13812 投稿日時: 2010/03/31 20:55 投稿番号: [43259 / 62227]
捕ってくるのは440頭?
まもなく帰港する日新丸船団の捕獲規模を予測する
http://www.janjannews.jp/archives/2967841.html
佐久間淳子
2010年03月31日
3月11日、(財)日本鯨類研究所の平成22年度の予算収支書がようやくWeb公開された。同研究所の会計年度は10月1日から翌年9月30日。ディスクロージャー資料がWeb発表されるようになって以降、年末には予算収支書は発表されてきた。この資料の公開がこれだけ遅れたのは初めてだ。水産庁の催促があってWebにアップしたようだが、単なる掲載忘れだろうか。
■副産物収入予算額から推測できる、その年の捕獲規模
筆者が注目したのは副産物収入の予算額だ。57億8028万円。この数字だけでは意味はわからない。グラフを見ていただこう。
鯨研の予算収支書に見る副産物収入金額の変化(グラフはクリックで拡大します)
これは、同研究所が発足した1988年以降の副産物収入の予算額を追ったものだ。つまり、その年度の捕獲調査によって生産される鯨肉の売上をあらかじめいくらと見積もったかがこの金額でわかる。そしてこの約58億という金額は、6年前に同研究所が掲げた副産物収入による予算額とほぼ同等である。2007年には同研究所史上最高額の72億近くを計上したものの昨年度は微減。そして今年度は一気に6年前のレベルに落としている。これが意味することは、おそらくはまもなく帰港するはずの日新丸船団が捕獲したクジラの規模が、6年前とほぼ同じだ、ということだ。6年前の南極海での捕獲規模は、ミンククジラ400頭±10%(360〜440頭)のみ。ナガスクジラもザトウクジラも含まれていない。
同研究所は夏期に北西太平洋でも鯨類捕獲調査を行っていて2000t弱の副産物販売を行っているが、他国やNGOの抗議が激しいのは南極海なので、減らすのは南極海での捕獲と想像できる。計画書上はミンククジラ850±10%(765〜935頭)、ナガスクジラ50頭、ザトウクジラ50頭だが、筆者が2007年11月の出港時に「ザトウクジラ本当に捕るの? 調査捕鯨船団出港」 http://www.news.janjan.jp/living/0711/0711185802/1.php で予測したようにザトウクジラは捕獲を取り止めているし、ナガスクジラも10頭以上捕ったことはない。ミンククジラも初回に853頭捕ったのみで、翌年からはグリーンピースやシーシェパードの妨害活動や、なによりも日新丸の火災によって結局捕獲頭数は500〜600頭台にとどまっている。その結果、副産物販売による収益は予算書の金額を大幅に下回ったというわけだ。グラフに示したもう一本の折れ線は、実際に鯨肉の売上がいくらになったかを示す数字だ。入手できた数字は5年分しかないが、JARPA IIになって以来、副産物による収入は予算上の収入を5億円以上、多い年には18億円以上下回っている。平成13年度には予算と実際の副産物収益がほぼ一致しているところからみると、JARPA一期の頃には予算組がほぼ実現していたのかもしれない。
グリーンピースのクジラ肉裁判で明らかになったことだが、鯨研では2000年頃から鯨肉の売れ行きが落ち、以前ならば会計年度末までに売り切っていた鯨肉が鯨研の手許に残るようになったため、共同船舶(株)が8月末時点の在庫全量を買い取るようになったということである。鯨研が鯨肉を販売するのは年に2回、南極からの副産物販売(7〜8月)と、北西太平洋からの副産物の販売(11月〜1月)の時期だけ。9月末で鯨研の会計年度が終わるので、何が何でも売り切らなくてはならないのだが、以前はまとめ買いを厭わなかった業者が不要な在庫を抱えたがらなくなったらしい。2008年秋のリーマンショック以降、事態が好転したとは思えない。
2008年11月から、出港時にはプレスリリースが発表されておらず、乗員や船団の規模もわからないが、今期は正社員だけを乗せ、派遣や出向の乗員がいないという噂もある。捕獲規模が昨年よりも大幅に縮小している可能性は高い。副産物収入の予算額で見るかぎりはJARPAの一期(1994〜2005)同等のミンククジラ440頭、ナガスクジラ0頭まで捕獲規模を落としている。そこまで減らさないにしても、多くても500頭前後というのが最初からの計画だった可能性はある。
http://www.janjannews.jp/archives/2967841.html
佐久間淳子
2010年03月31日
3月11日、(財)日本鯨類研究所の平成22年度の予算収支書がようやくWeb公開された。同研究所の会計年度は10月1日から翌年9月30日。ディスクロージャー資料がWeb発表されるようになって以降、年末には予算収支書は発表されてきた。この資料の公開がこれだけ遅れたのは初めてだ。水産庁の催促があってWebにアップしたようだが、単なる掲載忘れだろうか。
■副産物収入予算額から推測できる、その年の捕獲規模
筆者が注目したのは副産物収入の予算額だ。57億8028万円。この数字だけでは意味はわからない。グラフを見ていただこう。
鯨研の予算収支書に見る副産物収入金額の変化(グラフはクリックで拡大します)
これは、同研究所が発足した1988年以降の副産物収入の予算額を追ったものだ。つまり、その年度の捕獲調査によって生産される鯨肉の売上をあらかじめいくらと見積もったかがこの金額でわかる。そしてこの約58億という金額は、6年前に同研究所が掲げた副産物収入による予算額とほぼ同等である。2007年には同研究所史上最高額の72億近くを計上したものの昨年度は微減。そして今年度は一気に6年前のレベルに落としている。これが意味することは、おそらくはまもなく帰港するはずの日新丸船団が捕獲したクジラの規模が、6年前とほぼ同じだ、ということだ。6年前の南極海での捕獲規模は、ミンククジラ400頭±10%(360〜440頭)のみ。ナガスクジラもザトウクジラも含まれていない。
同研究所は夏期に北西太平洋でも鯨類捕獲調査を行っていて2000t弱の副産物販売を行っているが、他国やNGOの抗議が激しいのは南極海なので、減らすのは南極海での捕獲と想像できる。計画書上はミンククジラ850±10%(765〜935頭)、ナガスクジラ50頭、ザトウクジラ50頭だが、筆者が2007年11月の出港時に「ザトウクジラ本当に捕るの? 調査捕鯨船団出港」 http://www.news.janjan.jp/living/0711/0711185802/1.php で予測したようにザトウクジラは捕獲を取り止めているし、ナガスクジラも10頭以上捕ったことはない。ミンククジラも初回に853頭捕ったのみで、翌年からはグリーンピースやシーシェパードの妨害活動や、なによりも日新丸の火災によって結局捕獲頭数は500〜600頭台にとどまっている。その結果、副産物販売による収益は予算書の金額を大幅に下回ったというわけだ。グラフに示したもう一本の折れ線は、実際に鯨肉の売上がいくらになったかを示す数字だ。入手できた数字は5年分しかないが、JARPA IIになって以来、副産物による収入は予算上の収入を5億円以上、多い年には18億円以上下回っている。平成13年度には予算と実際の副産物収益がほぼ一致しているところからみると、JARPA一期の頃には予算組がほぼ実現していたのかもしれない。
グリーンピースのクジラ肉裁判で明らかになったことだが、鯨研では2000年頃から鯨肉の売れ行きが落ち、以前ならば会計年度末までに売り切っていた鯨肉が鯨研の手許に残るようになったため、共同船舶(株)が8月末時点の在庫全量を買い取るようになったということである。鯨研が鯨肉を販売するのは年に2回、南極からの副産物販売(7〜8月)と、北西太平洋からの副産物の販売(11月〜1月)の時期だけ。9月末で鯨研の会計年度が終わるので、何が何でも売り切らなくてはならないのだが、以前はまとめ買いを厭わなかった業者が不要な在庫を抱えたがらなくなったらしい。2008年秋のリーマンショック以降、事態が好転したとは思えない。
2008年11月から、出港時にはプレスリリースが発表されておらず、乗員や船団の規模もわからないが、今期は正社員だけを乗せ、派遣や出向の乗員がいないという噂もある。捕獲規模が昨年よりも大幅に縮小している可能性は高い。副産物収入の予算額で見るかぎりはJARPAの一期(1994〜2005)同等のミンククジラ440頭、ナガスクジラ0頭まで捕獲規模を落としている。そこまで減らさないにしても、多くても500頭前後というのが最初からの計画だった可能性はある。
これは メッセージ 43213 (r13812 さん)への返信です.
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