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近代産業の野生生物利用不能論

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/07/19 08:18 投稿番号: [36347 / 62227]
(Krebs, C.J. 2001. Ecology、319頁つづき)

  クラーク(1990)は洗練された分析で、漁師にとっては
漁場を絶滅に至らせるまで枯渇させてしまうことが採算に
合う場合もあるということを示した。たとえば国際捕鯨委員会
が介入しなければ、クジラにかんして実際に起ったであろうと
思われる状況である。

このようなケースで鍵となる経済的概念は、将来の利益を(現在利率で)
割り引くという理念である。

ある漁師が、今日過剰漁獲で1000ドルを得るか、収穫を
10年後に遅らせて1500ドルを得るか、どちらかを選んで
よいという選択肢を与えられたら、たいていはすぐに現金を
得るほうを選び、待ったりはしないだろう。

このタイプの収奪型開発は、現在のわれわれの経済理論から
すれば、完全に経済合理性にかなった行動であるが、乱獲された
生物群と生態学的惨事という結果を引き起こす。

強力な社会的、政治的コントロール無しには、持続的生産が
達成されることは稀である。

世界の漁業のほとんどは持続性の限界を超えて過剰漁獲
されている。水産管理を歴史的に眺めてみると、未来に
かんしては悲観的な結論が導き出されている(Ludwig et al.
1993)。

問題は最適生産が均衡概念だということで、しかも漁獲
対象個体群が長期間にわたって安定的である時にのみ
うまく機能する均衡概念だということである。

しかし収穫可能な資源が揺れ動く場合には、ラチェット
効果が作動し始める(Figure 17.15 )。

持続的漁獲率の推定はほとんどいつも高すぎ、利幅が良好
である場合には装備に対する追加投資が行われる。
収穫に依存する産業は、順当に廻ってくる不漁年に敏感な
弱さを増してゆくことになる。

失業問題の故に、政府は不漁年の漁獲に対して補助金を
出すというのが典型的な対応だ。これが過剰漁獲を奨励する
ことにさえなる。
長い目で見ると、重度に補助された産業が資源を過剰収穫し、
壊滅に至らしめるという結果になる。

以下の3つの例は、以上のような収穫理論と最適生産の
コンセプトを、水産の現実の世界で適用することがいかに
難しいことであるかを描いている。

#この3つの例というのは、北太平洋タラバガニ漁、タイセイヨウ
ダラ、南極海捕鯨です。長くなるのでこのへんでやめときます。

<参照文献>
Larkin, P. A. 1977. An epitaph for the concept of maximum sustained yield.
Transactions of the american fisheries society 106, 1 -- 11.

Walters, C. 1986. Adaptive Management of Renewable Resources. Macmillan, New York.

Gordon, H. S. 1954. The economic theory of a common property resource:
The fishery.
Journal of Political Economics 62:124-142.

Clark, C. W 1990. Mathematical Bioeconomics: The Optimal Management of
Renewable Resources. Wiley, New York.(第2版)

Ludwig, D., R. Hilborn, and C. Walters. 1993. Uncertainty,
resource exploitation, and conservation: Lessons from
history. Science 260:17,36.
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