(更に続き)
KREBSの教科書22章から24章までが、私の好きな「体育会系学問」、
メタボリズムの世界だ。
栄養循環、生態系の呼吸から酸性雨のメカニズムまで説明されていてね、
畜産が海洋環境系破壊の最大の元凶だなんて、そんなFAO2006年論文に実際に
は書いてないことも、きちんとメカニズムを知ってれば解決できるという
ことが書いてある。
FAO2006年のシュタインフェルト他論文(長い影)だと、中国沿岸地方で畜産
が盛んになり、草の生えてない裸の土の上で家畜に糞尿をさせるので、
これが分解されずに地下水汚染―>河川、河口、沿岸の富栄養化―>
プランクトン過剰の赤潮発生になる、という説明があるだけだね。
ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/010/a0701e/こんなの、家畜小屋の床で糞尿の地下水浸透を遮断し、汚水処理を教科書
どおりにやればいいことだ。防水床を作る金がなければ、家畜は下草の生えた
大きな木の下で寝かせればいいのだね。
こういうことは実際グリーンピース・ヨーロッパやWWF、各国の技術
援助機構、世界銀行の技術スタッフが、中国をはじめ発展途上国の水質
汚染解決計画としてずっと前からやってることなんだけどね。
先進国はすでにメキシコ湾北部、バルト海、地中海等でこういう問題は
経験済み、解決済みだから誰でも良く知ってます。
あと、もう一つ「畜産/家畜の長い影」が指摘してるのが、家畜の餌と
してカタクチイワシとか魚粉、魚油脂を多用していて、これが海洋生態系
からの過剰収奪になってる、というのがあるね。これも水産庁が毛嫌いする
V.クリステンセン+D.パウリーはじめ、生態系に造詣の深い多くの
水産学者がずっと前から指摘してることで、別にFAOの2006年論文を
引用しなきゃいけないという筋合いのものじゃない。
FAO2006年論文には、何かこれにしか書いてない真実があると、信じて
疑わないアホな人たちが、日本人の中に何人かいるようだけど、そういうのは
なんかのミニ宗教か、単なるチンピラの言いがかりとして、無視しといた
ほうがいいですね。水産庁が本気でこんなこと言い出したら、逆に崩壊を
早めるだけだから、ある意味いいことかもしれないけど。