Re: 生態系モデル鯨資源管理
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/05/18 00:00 投稿番号: [34700 / 62227]
>で、どうやってその具体的な数字を導き出したのでしょうか?
>“生息数増減(急増か否か?)”は分かるけど
>“具体的な推定生息数”を算出することはできないと思うからです。
まず増減が遺伝子多様性から推定できるというのは直観的にもわかり
やすいですから、ここはしっかり押さえておきましょう。絶対妥協
しちゃあいけないディベートポイントですw
それで二番目のご質問、「具体的生息数推定」という問題にテクニカル
に答えるのは簡単なんですが、それをやってしまうと、「何匹いれば
何匹食えるのか」という水産庁、鯨研流の下品な「科学主義」の土俵に
乗ってしまうことになるのでちょっと躊躇しちゃいますww
木村資生さん、太田朋子さん、下村脩さんといった人たちはそんなに
下品な科学やってたわけじゃないですからね、われわれ日本人はもっと
生態的環境全般を見渡すような広い視野でものごとを判断したほうが
よいのだろうと思います(理論的にコアな部分だけだったらRuegg他
SC/61/EM1のわずか2行、relationship between genetic diversity (θ)
and long-term effective population size (Ne) (θ = 4Neμ,
where μ is the average mutation rate)で終わってます。
もっと後のほうでナンキョクミンククジラのジェネティック
ディバーシティー<遺伝子的多様性θ>は東太平洋コククジラの
4倍あると書いてますけど、これが今回1頭あたり11個所の細胞別
部位で検出されたDNA多様性の値です。これをミトコンドリアの
アロザイムとか核遺伝子のマイクロサテライトとか、突然変異出現
頻度の違う部位(11カ所)でそれれ違うμという既知の値で割れば、
長期安定の有効な集団サイズ(Ne)が11カ所で相互に検算された
という形で計算できるわけです。Neを実測生息数に曵き直すには
幼獣/成獣比率とか、世代の長さなんかが必要になってきますけどね。
これは1980年代−90年代のいろいろな論文でクリアしてます。)
ちょっと迂遠ですが、もっと視野の広い2006年か07年のIWC科学委員会提出
論文のさわりを訳出しておきます。
科学委員会の科学委員たちに遺伝生態学を使った生態系管理の意味を説明してる
文書です。原文の’population’というのは微妙な揺れのある言葉なので
そのままカタカナで「ポピュレイション」とやっときます。
http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/workshops/What_is_a_population.pdf
What is a population?
An empirical evaluation of some genetic methods for identifying the number
of gene pools and their degree of connectivity
Robin S. Waples and Oscar Gaggiotti
[ポピュレイションとは何か?
遺伝子プールの数を特定し、その結合度を実証的に評価するための
遺伝学的方法]
[導 入]
現代進化論の統合説はポピュレイションをめぐる遺伝理論の
豊かな体系を発展させた。ライト、フィッシャーなどの初期の
初期の仕事は拡張され、生物種や生物学に関する膨大な領域で
応用されている。この仕事の体系の中でくりかえしテーマとして
浮上するのが、自然の中での種の遺伝的構造についての研究
であり、各個体がつくる異なったグループあるいは「ポピュレイ
ション」間での遺伝的、人口論的な結びつきのパターンを理解
するということである。
「ポピュレイション」という概念はしたがって生態学、進化
生物学、保全生物学の分野で中心的な概念であり、文献では
数多くの定義が見いだされる(表1)。
>“生息数増減(急増か否か?)”は分かるけど
>“具体的な推定生息数”を算出することはできないと思うからです。
まず増減が遺伝子多様性から推定できるというのは直観的にもわかり
やすいですから、ここはしっかり押さえておきましょう。絶対妥協
しちゃあいけないディベートポイントですw
それで二番目のご質問、「具体的生息数推定」という問題にテクニカル
に答えるのは簡単なんですが、それをやってしまうと、「何匹いれば
何匹食えるのか」という水産庁、鯨研流の下品な「科学主義」の土俵に
乗ってしまうことになるのでちょっと躊躇しちゃいますww
木村資生さん、太田朋子さん、下村脩さんといった人たちはそんなに
下品な科学やってたわけじゃないですからね、われわれ日本人はもっと
生態的環境全般を見渡すような広い視野でものごとを判断したほうが
よいのだろうと思います(理論的にコアな部分だけだったらRuegg他
SC/61/EM1のわずか2行、relationship between genetic diversity (θ)
and long-term effective population size (Ne) (θ = 4Neμ,
where μ is the average mutation rate)で終わってます。
もっと後のほうでナンキョクミンククジラのジェネティック
ディバーシティー<遺伝子的多様性θ>は東太平洋コククジラの
4倍あると書いてますけど、これが今回1頭あたり11個所の細胞別
部位で検出されたDNA多様性の値です。これをミトコンドリアの
アロザイムとか核遺伝子のマイクロサテライトとか、突然変異出現
頻度の違う部位(11カ所)でそれれ違うμという既知の値で割れば、
長期安定の有効な集団サイズ(Ne)が11カ所で相互に検算された
という形で計算できるわけです。Neを実測生息数に曵き直すには
幼獣/成獣比率とか、世代の長さなんかが必要になってきますけどね。
これは1980年代−90年代のいろいろな論文でクリアしてます。)
ちょっと迂遠ですが、もっと視野の広い2006年か07年のIWC科学委員会提出
論文のさわりを訳出しておきます。
科学委員会の科学委員たちに遺伝生態学を使った生態系管理の意味を説明してる
文書です。原文の’population’というのは微妙な揺れのある言葉なので
そのままカタカナで「ポピュレイション」とやっときます。
http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/workshops/What_is_a_population.pdf
What is a population?
An empirical evaluation of some genetic methods for identifying the number
of gene pools and their degree of connectivity
Robin S. Waples and Oscar Gaggiotti
[ポピュレイションとは何か?
遺伝子プールの数を特定し、その結合度を実証的に評価するための
遺伝学的方法]
[導 入]
現代進化論の統合説はポピュレイションをめぐる遺伝理論の
豊かな体系を発展させた。ライト、フィッシャーなどの初期の
初期の仕事は拡張され、生物種や生物学に関する膨大な領域で
応用されている。この仕事の体系の中でくりかえしテーマとして
浮上するのが、自然の中での種の遺伝的構造についての研究
であり、各個体がつくる異なったグループあるいは「ポピュレイ
ション」間での遺伝的、人口論的な結びつきのパターンを理解
するということである。
「ポピュレイション」という概念はしたがって生態学、進化
生物学、保全生物学の分野で中心的な概念であり、文献では
数多くの定義が見いだされる(表1)。
これは メッセージ 34689 (r13812 さん)への返信です.
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