Re: 餌を食べてる水深が両者で完全にわかれ
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/05/09 07:13 投稿番号: [34216 / 62227]
昨日のシロナガスクジラとナガスクジラの潜水深度の説明で、
「2回飲み込み」とか「3回飲み込み」というの、説明が足りないなと
気になっていたので追加しときます。
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747 この論文の
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747/FIG1 この絵の
ところですね。
鯨が裏返って餌へ伸び上がりながら口いっぱいに餌を入れ、
沈み込みながら髭に舌をなぞらせて餌を漉しとり、飲み込む
という動作を数回やっているところが、グラフにあらわされて
います。この伸び上がり、飲み込み回数別に、潜水深度を
表示したというのが、昨日のややっこしい話でした。
このメキシコとカリフォルニアのおにいちゃんたち、体育会系の
運動生理学みたいな学問をしっかりやってるんだね。
ちょっと面白いから、要約の部分訳しときます。
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747
The Journal of Experimental Biology 205, 1747-1753 (2002)
High feeding costs limit dive time in the largest whales
A. Acevedo-Gutiérrez*, D. A. Croll and B. R. Tershy
[摂食コストの高さが大型鯨類の潜水時間を制限する]
空気中で呼吸する脊椎動物では、体が大きいということが潜水時間を
長くすることになるというのが普通だ。
しかし地上最大の補食者2種、シロナガスクジラ(Balaenoptera musculus) と
ナガスクジラ(B. physalus)はその体の大きさの割には潜水時間が短い。
われわれはここで、この2種の採食行動(飲み込み型)はエネルギー的に
高くつくため、潜水時間が短くなっているという仮説を検証する。
7頭のシロナガスクジラと8頭のナガスクジラに時間/深度レコーダー
を取り付け、集められた潜水情報を、潜水行動の理想型モデルから
導かれる予想値と比べた。
鯨が摂食潜水から疲労回復するのに必要な時間比率は、摂食しない
潜水の場合の2倍だった。摂食行動のコストは、餌の群への行き帰りの
旅行費用の3.15倍(シロナガス、95 %信頼区間2.58-3.72)と
3.60倍(ナガス、95 % 信頼区間 2.35-4.85)だった。
鯨は狭い範囲(1平方km以内)で続けて何回も潜水摂食するので、
餌は分散してしまわないと考えられ、したがって餌の分散が鯨の
潜水時間に上限を与えるということにはならない。
シロナガスクジラとナガスクジラは体のサイズが膨大であるにも
かかわらず、飲み込み摂食のエネルギー費用が高いため、潜水時間
に制限がつき、餌種が高密度で存在する海域にだけ生息しうる
ということになる。
水面下の摂食時間の制限ということから、これらの鯨は餌となる
生物種の豊富さが撹乱されると特に脆弱だと言いうる。
==============================
こういうふうに、エネルギーバランスを個別種ごとにその特徴を
とらえて資料化し、必要エネルギー量=摂食必要量というふうに
丁寧に計算するのが近頃の傾向なんだね。
<IWC専門家パネルによるJARPN II審議> 2009/ 5/ 5 7:49 No.34119
でパネルが憂慮してる点、「パネルの特別の憂慮は、ほとんどのJARPN II論文
が一日あたり消費量推定で、ただひとつのモデルしか使用していないという
ことである。
このモデルは(消費量を)体重指数の関数として定式化したSigurjonsson and
Vikingsson(1997)の試みである。これは、はじめにクライバー(Kleiber1975)
が提起した単純なアロメトリー(対比成長)式の、数多くあるパラメータ化の
試みの一つにすぎない。
最近の包括的な再検討(Leaper and Lavigne, 2007)によると、ありうる多くの
公式の幅の中から、どれか一つを選択するという科学的正当性はほとんど
見いだせないということである。実際にはSigurjonsson and Vikingsson
アプローチが導き出す推定値は、合理的な値の上方領域のものである」と
指摘しているところが、このテーマにかかわる問題です。
Ecopath/Ecosimモデルというのも、一つの筋道として、年間の太陽エネルギー
降下がどういう経路で生態系全体を動かしながら経過してゆくのかという
視点で、整合性をチェックしてますから、こういう体育会系エネルギー学問も
けっこう重要なんだね。
「2回飲み込み」とか「3回飲み込み」というの、説明が足りないなと
気になっていたので追加しときます。
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747 この論文の
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747/FIG1 この絵の
ところですね。
鯨が裏返って餌へ伸び上がりながら口いっぱいに餌を入れ、
沈み込みながら髭に舌をなぞらせて餌を漉しとり、飲み込む
という動作を数回やっているところが、グラフにあらわされて
います。この伸び上がり、飲み込み回数別に、潜水深度を
表示したというのが、昨日のややっこしい話でした。
このメキシコとカリフォルニアのおにいちゃんたち、体育会系の
運動生理学みたいな学問をしっかりやってるんだね。
ちょっと面白いから、要約の部分訳しときます。
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747
The Journal of Experimental Biology 205, 1747-1753 (2002)
High feeding costs limit dive time in the largest whales
A. Acevedo-Gutiérrez*, D. A. Croll and B. R. Tershy
[摂食コストの高さが大型鯨類の潜水時間を制限する]
空気中で呼吸する脊椎動物では、体が大きいということが潜水時間を
長くすることになるというのが普通だ。
しかし地上最大の補食者2種、シロナガスクジラ(Balaenoptera musculus) と
ナガスクジラ(B. physalus)はその体の大きさの割には潜水時間が短い。
われわれはここで、この2種の採食行動(飲み込み型)はエネルギー的に
高くつくため、潜水時間が短くなっているという仮説を検証する。
7頭のシロナガスクジラと8頭のナガスクジラに時間/深度レコーダー
を取り付け、集められた潜水情報を、潜水行動の理想型モデルから
導かれる予想値と比べた。
鯨が摂食潜水から疲労回復するのに必要な時間比率は、摂食しない
潜水の場合の2倍だった。摂食行動のコストは、餌の群への行き帰りの
旅行費用の3.15倍(シロナガス、95 %信頼区間2.58-3.72)と
3.60倍(ナガス、95 % 信頼区間 2.35-4.85)だった。
鯨は狭い範囲(1平方km以内)で続けて何回も潜水摂食するので、
餌は分散してしまわないと考えられ、したがって餌の分散が鯨の
潜水時間に上限を与えるということにはならない。
シロナガスクジラとナガスクジラは体のサイズが膨大であるにも
かかわらず、飲み込み摂食のエネルギー費用が高いため、潜水時間
に制限がつき、餌種が高密度で存在する海域にだけ生息しうる
ということになる。
水面下の摂食時間の制限ということから、これらの鯨は餌となる
生物種の豊富さが撹乱されると特に脆弱だと言いうる。
==============================
こういうふうに、エネルギーバランスを個別種ごとにその特徴を
とらえて資料化し、必要エネルギー量=摂食必要量というふうに
丁寧に計算するのが近頃の傾向なんだね。
<IWC専門家パネルによるJARPN II審議> 2009/ 5/ 5 7:49 No.34119
でパネルが憂慮してる点、「パネルの特別の憂慮は、ほとんどのJARPN II論文
が一日あたり消費量推定で、ただひとつのモデルしか使用していないという
ことである。
このモデルは(消費量を)体重指数の関数として定式化したSigurjonsson and
Vikingsson(1997)の試みである。これは、はじめにクライバー(Kleiber1975)
が提起した単純なアロメトリー(対比成長)式の、数多くあるパラメータ化の
試みの一つにすぎない。
最近の包括的な再検討(Leaper and Lavigne, 2007)によると、ありうる多くの
公式の幅の中から、どれか一つを選択するという科学的正当性はほとんど
見いだせないということである。実際にはSigurjonsson and Vikingsson
アプローチが導き出す推定値は、合理的な値の上方領域のものである」と
指摘しているところが、このテーマにかかわる問題です。
Ecopath/Ecosimモデルというのも、一つの筋道として、年間の太陽エネルギー
降下がどういう経路で生態系全体を動かしながら経過してゆくのかという
視点で、整合性をチェックしてますから、こういう体育会系エネルギー学問も
けっこう重要なんだね。
これは メッセージ 34188 (aplzsia さん)への返信です.
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