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Re: 餌を食べてる水深が両者で完全にわかれ

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/05/08 09:31 投稿番号: [34188 / 62227]
まず南極海のザトウクジラとナンキョクミンククジラが生息域、餌を巡って
競合していないという最新論文の要約(英文)があるところを貼っておきます。
http://www3.interscience.wiley.com/journal/121515555/abstract
Evidence of resource partitioning between humpback and minke whales around the western Antarctic Peninsula
Ari S. Friedlaender ,Gareth L. Lawson ,Patrick N. Halpin

南極半島西の海域では、水深133mが分岐点ですね。
それより浅いところでザトウクジラが餌を食べているのに対して、南極ミンク
クジラはより深く、水温の低いところで食べています。

オキアミの群は、水深50mあたりと、100ー150mにかけてと、分布に二つの
ピークがありますね。ザトウ鯨は下の層の群の上のほうも食べてるみたいですが。


>ついでながら大隅氏の「ミンクの急増がシロナガスの増加を妨げている」仮説の場合は
>どうなんでしょうか?

シロナガスクジラの場合、南極での潜水深度調査を見たことはないですが、
カリフォルニアのグループのはありますね。
Donald A. Croll , Alejandro Acevedo-Gutierrez, Bernie R. Tershy,Jorge Urban-Ramırez
http://www.seaturtle.org/PDF/author/Croll_2001_CompBioPhysA.pdf
シロナガスクジラ、潜水深度:140.0m(標準偏差46.01m)、潜水時間:7.8分(標準偏差1.89分)
ナガスクジラ、潜水深度:97.9m(標準偏差32.59m)、潜水時間:6.3分(標準偏差1.53分)
A. Acevedo-Gutierrez, D. A. Croll,B. R. Tershy
http://jeb.biologists.org/cgi/content/full/205/12/1747
シロナガスクジラ、潜水深度:2回飲込み132.0m(標準偏差48.87m)、3回飲込み157.3m(標準偏差33.27m)、4回飲込み150.3m(標準偏差52.09m)
ナガスクジラ、潜水深度:2回飲込み102.0m(標準偏差40.77m)、3回飲込み133.3m(標準偏差36.00m)、4回飲込み109.8m(標準偏差34.62m)

カリフォルニア沖や、メキシコのカリフォルニア湾で、夏も極地地方へ
移動せず、亜熱帯常駐のシロナガスクジラ/ナガスクジラの潜水行動です。
ほぼ南極のミンク/ザトウに相当する深度別棲み分けのようですね。

南極海のシロナガスクジラがこれと同じような潜水性向を示すとすると、
ナンキョクミンククジラと摂食域が一部重なるかもしれないと言えるけれど、
これではまだ競合(コンペティション)しているとは言えないです。

「競合(コンペティション)」と言えるためには、排他的に限られた餌の量を
巡って争うという条件になっていなければならないのだけれど、フリードレンダー
他の論文だと、ミンクもザトウもシロナガスもいないけれど、オキアミはいくらでも
いるという海域がものすごく広いです。これでは喧嘩になりません。

いちばん権威ある海洋哺乳類辞典の最新版だと(旧版も同じこと書いてある
けれど)、シロナガスクジラの回復が遅いのは、ミンククジラのせいでは
なく、かつての商業捕鯨時代に旧ソ連が大量に違法操業で獲っていた
シロナガスが国際捕鯨統計に報告されていなかったので、統計上増えるはず
だと思われていたカーブが出てくるのが大幅に遅れているからだと説明されてます。
執筆者はポール・ウェイド。
"Encyclopedia of marine mammals ", eds, William F. Perrin, Bernd Wursig,
J.G.M. Thewissen,2nd ed   (2009)’Population Dynamics’, p.913-918
"It should be noted that some general textbooks (such as books on
oceanography) state that competition for krill from Antarctic
minke whales (Balaenoptera bonaerensis) has prevented the recovery
of depleted blue whales in the Antarctic. However, competition between
the two species has not been demonstrated, and recent information
indicates that the lack of recovery of blue whales in the Antarctic might
be fully explained by previously unknown illegal catches by the former
Soviet Union (Clapham et al. 1999 -> Mamm.Rev. 29, 35-60).
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