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Re: 胃内容物調査と脂肪酸分析 レスの例

投稿者: corax_lupus 投稿日時: 2008/09/02 11:15 投稿番号: [27487 / 62227]
さて、せっかく実例を挙げたから解説を兼ねてレスの例を書いておこう。r氏は本来、こう答えるべきなんだな。

>砂州の生物群集において、アリモドキ(体長数ミリの昆虫)は大形のクモやモズ(どちらも高次捕食者)を超えるδ15Nを示す・・つまりアリモドキはクモやモズよりも高次捕食者ってことになるんだが、これはどう解釈する?

死体食なら栄養段階が上がっても不思議じゃない。実際に何を食べているのか調べれば矛盾しない結果が出るはずだ。それに餌のδ15Nを調べたのか?起源となる餌の窒素同位体比が高ければ引きずられて上がる。

>さらに陸域でもクモ類は鳥類より高いδ15Nを示す事があるんだが、クモは鳥類を捕食しているのかな?

クモならば完全に肉食性であり、肉食性昆虫を捕食することもあり得る(例えば捕食性アブ)。一方、鳥類には種子食性のものもあるから完全肉食とは言えない。何を食べているかちゃんと観察すればいい。

>一方で同じ植物を食草としている筈の鱗翅目幼虫とテントウムシを比較するとテントウムシの方がδ15Nはほぼ1栄養段階ぶん高い。これはどう理解する?単純に処理するとこのテントウムシは肉食性にされてしまうぞ。

同化段階での挙動は経験的に1栄養段階ごとに0.33パーミル上がることが知られているが、絶対じゃない。鱗翅目では上がらない場合があることも知られている。個別の条件に即した解釈をしないと無意味。

●ここから言えるのは、安定同位体比を用いた調査は有用ではあるがそれだけでは完結せず、他の方法と相補的に行ってこそ意味がある、ということ。当たり前だがどんなメソッドにも利点と欠点がある。r氏が強弁するように「胃内容調査が時代遅れ」なんてことは全くない。
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