欧米はくじらの80%を棄てたか
投稿者: aguatibiapy 投稿日時: 2006/07/31 05:41 投稿番号: [13626 / 62227]
彼も証拠!と叫ぶし、未だ物足りない様だから又蒸し返そう。
次が問題の小松発言である。
「明治時代にノルウェーから導入された捕鯨砲の技術と資本が結び付いて、沿岸捕鯨の近代化が図られ、最終的に昭和9年に南氷洋へ進出する母船式捕鯨業となりました。それは、クジラの体を余すところなく利用する江戸時代の捕鯨の特質を受け継いだものであり、脂皮(クジラノカワ)から鯨油だけを取り、残り80%に及ぶ鯨体を海洋に投棄した英国、ノルウェーや米国の捕鯨と全く異なります。このようなわが国の捕鯨と食文化の特質を、国内外に情報発信することが重要です。」
この内から
「脂皮(クジラノカワ)から鯨油だけを取り、残り80%に及ぶ鯨体を海洋に投棄した英国、ノルウェーや米国の捕鯨と全く異なります。」
の部分を検証してみよう。
この点に関するnobu氏の認識は
「欧米に鯨体を完全利用する・・・という発想が本当にあったかどうか定かでは無いが、盟友ノルウェー等の食文化やヒゲ鯨のヒゲを傘の骨や馬の鞭にするなどの例外的加工事例を除けば、終始志向方向は「鯨油」であり、その1頭当たりの搾り出し量をいかに上げるか・・・に行き着くと考えるのが最も妥当な商業的見方であろう。」
この程度の浅薄なものである。 その後やや方向を転換した形跡はあるが、初めはここから出発している。
小松原文は英国、ノルウェイ、米国を名指ししている。
このうちで米国についてヤンキー・ホエーリングを想定しているのならば、それは正当であろう。余り大きくない帆船を2年間も操って油(場合によっては鯨ひげも)を集める場合、それ以外の部分を回収することは困難であったろう。
しかし英国、ノルウェイの事情は大いに異なる。
サウス・ジョージアの陸上基地を見てみよう。 次の資料が現在の荒廃した同基地の姿である。
http://www.mclaren.gs/manager's_house.htm
サウス・ジョージアは南極に近い英国領の島であるが、この基地はノルウェイの企業家によってアルゼンチン資本で建設され主としてノルウェイ人によって運転された。
この基地に関する資料は多いが次のオージュボンSCのものが最も纏まっている。
http://home.att.net/~cgbraggjr/v22n1.htm#Grytviken%20Whaling%20Station
興味の有るポイントを抜書きすると次の通りである。
・・・この基地の操業開始は1904年である。
・・・最盛期には各種の処理装置、従業員宿所、墓地、映画館、豚飼育場、修理工場、教会、病院、水力発電所などを揃えた大規模なものであり、約500人の作業員が働いていた。
・・・初期には有効利用の面からは無駄が多かった。 然し英国当局は鯨の有効利用(whole carcase utilization)を奨励し、次いで法的に強制した。
・・・これに応じて種々の処理装置が建設された。
・・・皮下脂肪からは高品質の油が製造された。 骨や肉そして内臓すら別途に処理されて搾油された。 その残滓からは肉粉及び骨粉が製造され欧州、米国などで販売された。
・・・後年には肉エキスなどの価値の高い製品も付け加えられた。
・・・数十年の運転により、この基地では54000頭の鯨が処理され、45万トンの鯨油や約20万トンの骨肉粉が製造された。
この基地は1930年代の母船捕鯨の出現により衰退に向かうが最盛期には地理的に類似したサウス・シェットランドの基地と合わせると全世界の捕鯨量の3割程度を生産していた。
そもそも当時の主流であった陸上基地による生産では、衛生的な理由からも、残滓を周辺に投棄していたのでは持続的操業が困難になるのであり、これの利用による骨肉粉の製造は必然的方向であったろう。
これを見ると小松発言が妥当でないことが明白である。 肥飼料への利用は有効利用に入らないなど小松発言を正当化しようとする向きもあるが、それでは肥飼料向けの利用は廃棄と同義語と断定するのと同じである。
肥飼料製造は現在も重要な産業分野だがあれを誰も廃棄物処理業とは言わない。
次が問題の小松発言である。
「明治時代にノルウェーから導入された捕鯨砲の技術と資本が結び付いて、沿岸捕鯨の近代化が図られ、最終的に昭和9年に南氷洋へ進出する母船式捕鯨業となりました。それは、クジラの体を余すところなく利用する江戸時代の捕鯨の特質を受け継いだものであり、脂皮(クジラノカワ)から鯨油だけを取り、残り80%に及ぶ鯨体を海洋に投棄した英国、ノルウェーや米国の捕鯨と全く異なります。このようなわが国の捕鯨と食文化の特質を、国内外に情報発信することが重要です。」
この内から
「脂皮(クジラノカワ)から鯨油だけを取り、残り80%に及ぶ鯨体を海洋に投棄した英国、ノルウェーや米国の捕鯨と全く異なります。」
の部分を検証してみよう。
この点に関するnobu氏の認識は
「欧米に鯨体を完全利用する・・・という発想が本当にあったかどうか定かでは無いが、盟友ノルウェー等の食文化やヒゲ鯨のヒゲを傘の骨や馬の鞭にするなどの例外的加工事例を除けば、終始志向方向は「鯨油」であり、その1頭当たりの搾り出し量をいかに上げるか・・・に行き着くと考えるのが最も妥当な商業的見方であろう。」
この程度の浅薄なものである。 その後やや方向を転換した形跡はあるが、初めはここから出発している。
小松原文は英国、ノルウェイ、米国を名指ししている。
このうちで米国についてヤンキー・ホエーリングを想定しているのならば、それは正当であろう。余り大きくない帆船を2年間も操って油(場合によっては鯨ひげも)を集める場合、それ以外の部分を回収することは困難であったろう。
しかし英国、ノルウェイの事情は大いに異なる。
サウス・ジョージアの陸上基地を見てみよう。 次の資料が現在の荒廃した同基地の姿である。
http://www.mclaren.gs/manager's_house.htm
サウス・ジョージアは南極に近い英国領の島であるが、この基地はノルウェイの企業家によってアルゼンチン資本で建設され主としてノルウェイ人によって運転された。
この基地に関する資料は多いが次のオージュボンSCのものが最も纏まっている。
http://home.att.net/~cgbraggjr/v22n1.htm#Grytviken%20Whaling%20Station
興味の有るポイントを抜書きすると次の通りである。
・・・この基地の操業開始は1904年である。
・・・最盛期には各種の処理装置、従業員宿所、墓地、映画館、豚飼育場、修理工場、教会、病院、水力発電所などを揃えた大規模なものであり、約500人の作業員が働いていた。
・・・初期には有効利用の面からは無駄が多かった。 然し英国当局は鯨の有効利用(whole carcase utilization)を奨励し、次いで法的に強制した。
・・・これに応じて種々の処理装置が建設された。
・・・皮下脂肪からは高品質の油が製造された。 骨や肉そして内臓すら別途に処理されて搾油された。 その残滓からは肉粉及び骨粉が製造され欧州、米国などで販売された。
・・・後年には肉エキスなどの価値の高い製品も付け加えられた。
・・・数十年の運転により、この基地では54000頭の鯨が処理され、45万トンの鯨油や約20万トンの骨肉粉が製造された。
この基地は1930年代の母船捕鯨の出現により衰退に向かうが最盛期には地理的に類似したサウス・シェットランドの基地と合わせると全世界の捕鯨量の3割程度を生産していた。
そもそも当時の主流であった陸上基地による生産では、衛生的な理由からも、残滓を周辺に投棄していたのでは持続的操業が困難になるのであり、これの利用による骨肉粉の製造は必然的方向であったろう。
これを見ると小松発言が妥当でないことが明白である。 肥飼料への利用は有効利用に入らないなど小松発言を正当化しようとする向きもあるが、それでは肥飼料向けの利用は廃棄と同義語と断定するのと同じである。
肥飼料製造は現在も重要な産業分野だがあれを誰も廃棄物処理業とは言わない。
これは メッセージ 1 (whale_ac さん)への返信です.
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