感動的な人間物語『美しき日本人は死なず』
投稿者: shouhishahogo 投稿日時: 2009/10/03 12:42 投稿番号: [992 / 1194]
林田力
あえてタイトルを『美しき日本人は死なず』とした理由として、著者は「日本人ならでは」の物語と感じたためとする(5頁)。そこには義や志、利他の精神がある。記者は民族を超えた普遍性を有するからこそ美徳になると考えるが、本書に日本人ならではの美徳があるとすれば、どのような悪条件下にあっても目の前の問題を放っておけない性質である。
もっとも、これは目も前の火を消すことだけに熱中し、火事が起きた根本原因を考えない日本人の悪徳でもある。たとえば本書では医療問題が多く取り上げられているが、現代の医療崩壊は個々人の善意と超人的な努力では解決できない構造的な欠陥を抱えている。それを個人の美徳で乗り越えたとするならば問題解決への誤ったメッセージを与えることになる。制度的な問題を個人の頑張りで乗り切ろうとする精神論は特殊日本的精神論と呼べるほど日本社会に根付いている(「麻生首相の失言と特殊日本的精神論」参照)。この意味で本書の物語は良くも悪くも日本的である。
これは メッセージ 1 (idensikumikaekiken さん)への返信です.
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