工作の世界3
投稿者: youchuuijinnbutu 投稿日時: 2003/12/25 19:35 投稿番号: [97065 / 232612]
しかし金氏は、自らが特殊工作を繰り広げた北朝鮮の土地が正確にどこなのか、そして彼が死線を乗り越え、南に帰り着いた場所が正確にどこなのか、さらには彼が韓国軍どの師団が守っていた所に帰り着いたのかについて、正確に知ることができなかった。金氏が属する特殊工作隊(便衣隊・別名「豚」とも呼ばれた)を管理した陸軍諜報部隊所属の工作課長(少領)が、浸透時についてただの一度も説明しなかったためである。
金氏が属する便衣隊5人は、江原道春城郡(いまは春川市)○面○○里○○山で訓練を受けていたため「春川部隊」と呼ばれた。春川部隊がいた場所は軍部隊でなく、火田民(朝鮮で火田を耕作する農民)が住む山の中だった。彼らは通常軍部隊とは完全に遮断されて過ごしたがゆえに、師団マークを区別するものも、また師団マークを見る必要すらまったく感じなかったという。工作課長はもちろんのこと、彼らに生活必需品を運んでくる助手さえ彼らに会いにくる時は階級と名札、部隊マークをはずして来ていた。
こうして山中で過ごし、いざ浸透命令が下れば、彼らは車窓のふさがれた車に乗り、一時間ほど未舗装道路を走って、南方限界線のちょうど南側にあるGOP部隊に到着する。春川から未舗装道路で一時間しかかからなかったため、金氏は自分が浸透した場所が中東部戦線だと信じていたという。
だが金氏は、自分が浸透した北朝鮮地域は今でもはっきり記憶している。その理由は作戦開始前、米空軍が撮ってきた航空写真を見て、砂と石灰で作った「写版」で、数十回も浸透路を研究したためである。写版とは実際の地形とまったく同様に、山と渓谷を縮小して作った模型で、縦横が約4mほどであった。この写版は非常に細密であったため、座標とすべき大きな山だけを注意深く確認しておけば、北朝鮮領土のどこでも自分の位置を確認することができたという。
こうして写版を見て地形になじみ、工作開始3日前からは髭剃りはもちろん、石鹸で顔を洗うこともも歯磨き粉で歯を磨くこともしない。自然がそのまま残っている非武装地帯では、数日前に使った石鹸や歯磨き粉の匂いが意外に遠くまで広がる。人間よりずっと鋭敏な鳥獣はこの匂いをかぐと、ごそごそと逃げまどう。鳥獣が声を出して逃げだせば、敵軍はそちらに注目するため浸透が難しくなる(6・25戦争時、パルチザンも石鹸と歯磨き粉を使わなかった。彼らを捕らえに行く討伐隊も、作戦の数日前からはこれを使わなかった)。
南方限界線南側のGOP連隊に到着すると、緊張をほぐすために連隊の特等射撃手と射撃試合をはじめた。金氏は当時、子どもたちがたくさん持って遊んでいたビー玉を25mの距離から射ってたたき壊す実力だったため、連隊の特等射撃手は相手にならなかった。
そして翌日が明ければ、最前方での実習に出た新参少尉に偽装し、南方限界線の通門を開け、トラックを乗って非武装地帯中にある韓国軍のGPへ行く。そして日が沈む頃、GPの兵士に彼らが着てきた新参少尉の制服を着せ、トラックに乗せて南方限界線向こう側のGOP部隊へ送るのである(夜中は韓国軍もちろん人民軍も緊張するため、GOP部隊からGP小隊に移動することができない
金氏が属する便衣隊5人は、江原道春城郡(いまは春川市)○面○○里○○山で訓練を受けていたため「春川部隊」と呼ばれた。春川部隊がいた場所は軍部隊でなく、火田民(朝鮮で火田を耕作する農民)が住む山の中だった。彼らは通常軍部隊とは完全に遮断されて過ごしたがゆえに、師団マークを区別するものも、また師団マークを見る必要すらまったく感じなかったという。工作課長はもちろんのこと、彼らに生活必需品を運んでくる助手さえ彼らに会いにくる時は階級と名札、部隊マークをはずして来ていた。
こうして山中で過ごし、いざ浸透命令が下れば、彼らは車窓のふさがれた車に乗り、一時間ほど未舗装道路を走って、南方限界線のちょうど南側にあるGOP部隊に到着する。春川から未舗装道路で一時間しかかからなかったため、金氏は自分が浸透した場所が中東部戦線だと信じていたという。
だが金氏は、自分が浸透した北朝鮮地域は今でもはっきり記憶している。その理由は作戦開始前、米空軍が撮ってきた航空写真を見て、砂と石灰で作った「写版」で、数十回も浸透路を研究したためである。写版とは実際の地形とまったく同様に、山と渓谷を縮小して作った模型で、縦横が約4mほどであった。この写版は非常に細密であったため、座標とすべき大きな山だけを注意深く確認しておけば、北朝鮮領土のどこでも自分の位置を確認することができたという。
こうして写版を見て地形になじみ、工作開始3日前からは髭剃りはもちろん、石鹸で顔を洗うこともも歯磨き粉で歯を磨くこともしない。自然がそのまま残っている非武装地帯では、数日前に使った石鹸や歯磨き粉の匂いが意外に遠くまで広がる。人間よりずっと鋭敏な鳥獣はこの匂いをかぐと、ごそごそと逃げまどう。鳥獣が声を出して逃げだせば、敵軍はそちらに注目するため浸透が難しくなる(6・25戦争時、パルチザンも石鹸と歯磨き粉を使わなかった。彼らを捕らえに行く討伐隊も、作戦の数日前からはこれを使わなかった)。
南方限界線南側のGOP連隊に到着すると、緊張をほぐすために連隊の特等射撃手と射撃試合をはじめた。金氏は当時、子どもたちがたくさん持って遊んでいたビー玉を25mの距離から射ってたたき壊す実力だったため、連隊の特等射撃手は相手にならなかった。
そして翌日が明ければ、最前方での実習に出た新参少尉に偽装し、南方限界線の通門を開け、トラックを乗って非武装地帯中にある韓国軍のGPへ行く。そして日が沈む頃、GPの兵士に彼らが着てきた新参少尉の制服を着せ、トラックに乗せて南方限界線向こう側のGOP部隊へ送るのである(夜中は韓国軍もちろん人民軍も緊張するため、GOP部隊からGP小隊に移動することができない
これは メッセージ 97062 (komash0427 さん)への返信です.