日本の衛星技術はお粗末
投稿者: hangyosyufu 投稿日時: 2003/11/24 02:12 投稿番号: [93710 / 232612]
環境観測技術衛星「みどり2号」が先月末、電力低下のため運用断念に追い込まれたのに続き、わが国初の火星探査機「のぞみ」も電源故障のため、来月の火星到達は絶望的だ。トラブル続きの日本の衛星は大丈夫なのか。(科学部
滝田
恭子)
今月17日。文部科学省宇宙開発委員会の調査部会のメンバーが、「みどり2号」の事故原因究明のため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙利用推進本部(茨城県つくば市)を訪れ、「2号」と同じ構造の太陽電池パネルなどを視察した。JAXAは今月中の原因解明を目指していたが、調査は難航。片木嗣彦執行役ら担当者の表情もさえない。
一方、JAXA宇宙科学研究本部(神奈川県相模原市)では、「のぞみ」の電源回復のため、スタッフが連日、わずかな望みをかけて遠隔操作の信号を送り続けている。「のぞみ」は昨年4月、部品がショートし、電源が落ちた。回復しない限り、火星の周回軌道には投入できない。
旧宇宙開発事業団は1975年以来、これまで44基の衛星を打ち上げた。衛星自体の故障により任務を達成できなかったのは4基だけだが、うち3基は2トン以上の大型衛星だった。2トン以上の衛星5基に限ると、ロケットのトラブルによる失敗も1基あり、任務を果たしたのは1基に過ぎない。
旧宇宙科学研究所が担当した科学衛星も、「のぞみ」をはじめ、来年打ち上げ予定だった赤外線天文衛星に異常が見つかるなど、最近はトラブルが目立つ。
事故多発の理由としてまず挙げられるのは、衛星の大型化。高度3万6000キロ・メートルの静止軌道に2トン級衛星の打ち上げを可能にしたH2ロケットの有効活用を目指し、事業団が大型衛星の開発を進めたためだ。
だが大型衛星は大電力を必要とする。軽くて発電量が大きい太陽電池パネルを採用した初代の「みどり」は、パネル破断で運用を停止した。また、大型になれば部品数が増える分だけ故障の危険は高まる。ある民間技術者は「基本技術を小型の衛星で実証するという段階を踏まずに、大型化を推し進めたのがトラブルの遠因だ」と批判する。
大型化は任務の複雑化と表裏一体でもある。大型衛星は開発費が高い分、多くの役割が期待される。「みどり」には8個、「みどり2号」には5個の環境観測機器が積まれた。機器が増えれば、さらに電力が必要となり、太陽電池や回路などの負担も大きくなる。
小型の科学衛星も任務の複雑化に直面している。重量540キロ・グラムの「のぞみ」には14個もの観測機器が積まれた。ロケットに積む重量には制限があり、観測機器が増えればトラブルに備えた装置や予備燃料を削ることになる。科学衛星の製造を支えてきたNEC東芝スペースシステムの折井武さんは「惑星探査の衛星は飛行距離も期間も長くなり、不測の事態に遭遇する確率が高くなっている。もう少し余裕をもった設計が望ましい」と話す。
衛星機能への要求は高くなる一方なのに、製造にあたる日本のメーカーはまだ力不足だ。米への技術依存から国産化への移行が進んでいた1990年、米国から市場開放要求を受けた政府が国の実用衛星を国際入札にしたため、コスト競争力で劣る国内メーカーは衛星製造の機会を極端に減らすことになったからだ。
国内民間企業の放送・通信衛星はすべて米国製。これまで打ち上げられた5基の気象衛星「ひまわり」も元請けは日本電気だが、部品の6割以上を提携先の米企業に頼っている。
衛星はロケットと並ぶ宇宙開発の柱であり、ロケット関連機器の年間売上高約740億円に対し、衛星は1320億円。通信や放送、カーナビなど他産業への波及効果もあるため、産業界の期待は大きい。だがトラブルが続けば、国内の利用企業もリスクの高い衛星を避け、光ファイバーなど地上の技術に目を向けるようになる。
衛星大国の米国は、航空宇宙局と国防総省が衛星の二大発注元となり、商用衛星にも使える技術を下支えしてきた。日本の技術力を高めるには何が必要か。東京大の中須賀真一助教授(航空宇宙工学)は「問題は衛星一基ごとに新しい設計にしていること。同型機をいくつか作らないと、故障原因も判断できないまま終わってしまう」と述べ、量産による安定した衛星技術の確立を求めている。
◆宇宙航空研究開発機構(JAXA)=H2Aなどの大型ロケットと衛星を手がけてきた宇宙開発事業団、太陽系探査などのための衛星と小型ロケットを開発してきた宇宙科学研究所、航空機開発に取り組む航空宇宙技術研究所の3機関が統合、先月1日に発足した独立行政法人。(読売新聞)
今月17日。文部科学省宇宙開発委員会の調査部会のメンバーが、「みどり2号」の事故原因究明のため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙利用推進本部(茨城県つくば市)を訪れ、「2号」と同じ構造の太陽電池パネルなどを視察した。JAXAは今月中の原因解明を目指していたが、調査は難航。片木嗣彦執行役ら担当者の表情もさえない。
一方、JAXA宇宙科学研究本部(神奈川県相模原市)では、「のぞみ」の電源回復のため、スタッフが連日、わずかな望みをかけて遠隔操作の信号を送り続けている。「のぞみ」は昨年4月、部品がショートし、電源が落ちた。回復しない限り、火星の周回軌道には投入できない。
旧宇宙開発事業団は1975年以来、これまで44基の衛星を打ち上げた。衛星自体の故障により任務を達成できなかったのは4基だけだが、うち3基は2トン以上の大型衛星だった。2トン以上の衛星5基に限ると、ロケットのトラブルによる失敗も1基あり、任務を果たしたのは1基に過ぎない。
旧宇宙科学研究所が担当した科学衛星も、「のぞみ」をはじめ、来年打ち上げ予定だった赤外線天文衛星に異常が見つかるなど、最近はトラブルが目立つ。
事故多発の理由としてまず挙げられるのは、衛星の大型化。高度3万6000キロ・メートルの静止軌道に2トン級衛星の打ち上げを可能にしたH2ロケットの有効活用を目指し、事業団が大型衛星の開発を進めたためだ。
だが大型衛星は大電力を必要とする。軽くて発電量が大きい太陽電池パネルを採用した初代の「みどり」は、パネル破断で運用を停止した。また、大型になれば部品数が増える分だけ故障の危険は高まる。ある民間技術者は「基本技術を小型の衛星で実証するという段階を踏まずに、大型化を推し進めたのがトラブルの遠因だ」と批判する。
大型化は任務の複雑化と表裏一体でもある。大型衛星は開発費が高い分、多くの役割が期待される。「みどり」には8個、「みどり2号」には5個の環境観測機器が積まれた。機器が増えれば、さらに電力が必要となり、太陽電池や回路などの負担も大きくなる。
小型の科学衛星も任務の複雑化に直面している。重量540キロ・グラムの「のぞみ」には14個もの観測機器が積まれた。ロケットに積む重量には制限があり、観測機器が増えればトラブルに備えた装置や予備燃料を削ることになる。科学衛星の製造を支えてきたNEC東芝スペースシステムの折井武さんは「惑星探査の衛星は飛行距離も期間も長くなり、不測の事態に遭遇する確率が高くなっている。もう少し余裕をもった設計が望ましい」と話す。
衛星機能への要求は高くなる一方なのに、製造にあたる日本のメーカーはまだ力不足だ。米への技術依存から国産化への移行が進んでいた1990年、米国から市場開放要求を受けた政府が国の実用衛星を国際入札にしたため、コスト競争力で劣る国内メーカーは衛星製造の機会を極端に減らすことになったからだ。
国内民間企業の放送・通信衛星はすべて米国製。これまで打ち上げられた5基の気象衛星「ひまわり」も元請けは日本電気だが、部品の6割以上を提携先の米企業に頼っている。
衛星はロケットと並ぶ宇宙開発の柱であり、ロケット関連機器の年間売上高約740億円に対し、衛星は1320億円。通信や放送、カーナビなど他産業への波及効果もあるため、産業界の期待は大きい。だがトラブルが続けば、国内の利用企業もリスクの高い衛星を避け、光ファイバーなど地上の技術に目を向けるようになる。
衛星大国の米国は、航空宇宙局と国防総省が衛星の二大発注元となり、商用衛星にも使える技術を下支えしてきた。日本の技術力を高めるには何が必要か。東京大の中須賀真一助教授(航空宇宙工学)は「問題は衛星一基ごとに新しい設計にしていること。同型機をいくつか作らないと、故障原因も判断できないまま終わってしまう」と述べ、量産による安定した衛星技術の確立を求めている。
◆宇宙航空研究開発機構(JAXA)=H2Aなどの大型ロケットと衛星を手がけてきた宇宙開発事業団、太陽系探査などのための衛星と小型ロケットを開発してきた宇宙科学研究所、航空機開発に取り組む航空宇宙技術研究所の3機関が統合、先月1日に発足した独立行政法人。(読売新聞)
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.