小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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憲法の変遷2

投稿者: t2daiisuki48 投稿日時: 2003/05/12 00:10 投稿番号: [67883 / 232612]
http://plaza11.mbn.or.jp/~matsuo2000/E/E25.htm

  時々の裁判所があるいは所謂統治行為論により、あるいは訴えの利益論により憲法
と国民の政治意識のズレを容認せざるを得なかった理由は、憲法自体にビルトインされた国際関係の前提が
崩壊したからに他ならない。そして、NMさんの投書の要旨③は間違いである。憲法規範の内容と現実政治の
隙間を埋めるものは、憲法規範の貫徹と憲法改正の他に憲法の変遷という第三の道がありうるからである。
■憲法変遷論
憲法の変遷とは、慣行や有権解釈が積み重ねられることにより憲法規範の内容が変化し、かつ、国民の規範
意識がその変化した規範内容を<正しい規範内容>と理解するに至ることである。ドイツの法学者イエリネック
が19世紀後半に論じ始めた概念である。日本国憲法を巡っても憲法変遷論は時々提議されてきた。例えば、
1980年代前半に憲法学者、橋本公亘は憲法第9条と自衛隊に関して憲法変遷を論じた。橋本はこのことにより
リヴェラル側=旧体制側から猛烈な攻撃を受け、結局、その主著を絶版にせざるを得なかった。また、
リヴェラル側=旧体制側の憲法学者の一人、小林直樹は自衛隊は「違憲だが法的存在である」という所謂
自衛隊の違憲合法論を展開して、ウルトラ旧体制側からこれまた激烈な批判を受けた。例えば、京都の
田畑忍先生を囲む勉強会(上田勝美や土井たかこ、を含む。)は連名の抗議文を一市民たる小林に送付した。
この動きは、総評&同盟体制から連合体制に労働組合運動が移行するに伴う旧社会党内の路線闘争の顕れ
の一つであったのかもしれないが、法哲学者としての小林直樹の友人の先生方(八木鉄男、井上茂、等)から
聞いた所では、「1ヶ月でダンボール3箱分くらいの抗議文が届きましたよ」、と小林は飄々と言っていたらしい。

ことほど左様に、憲法変遷論は危険な議論である。
それは、リヴェラル側=旧体制側からの攻撃や誹謗中傷を覚悟しなければならないだけでなく、憲法解釈に
憲法意識という漠然とした契機を持ち込む点で、自己の願望を憲法の規範内容と詐称する危険性が常に孕む
からである。

私は、しかし、憲法第9条は変遷したと考える。その理由は以下の4個。即ち、
(甲)日本国憲法が公布・発効した段階の安全保障に関する前提が冷戦構造崩壊により完全に解体したこと
(乙)日本国憲法は、国連憲章や諸外国と締結し批准した条約を遵守する義務を負うことは、憲法前文からも
    憲法第98条第2項(国際法規の遵守)によっても明らかであり、これらの多国間と2国間の条約からも、
    または、確立した国際法から見ても日本が所謂集団的自衛権を行使する権利と義務を負うと考えられること
(丙)自衛隊に関するここ四半世紀に渡る幾多の世論調査は国民が自衛隊を支持していることを示していること
(丁)自衛隊に関する法規は(前身の保安隊や警察予備隊も含めれば、)半世紀近く合法的な存在としての
    自衛隊を制御してきたこと

私の憲法変遷論は、普通、自衛隊を合憲と考える立場が(丙)を根拠にし、自衛隊が違憲だが法的存在と考える
立場が個別的な自衛権は国家の固有の権利であることと共に(丙)と(丁)を根拠に挙げるのに比べ、日本国憲法
自体に国連憲章で謳われている安全保障体制への信頼と支持が組込まれていること、そして、その国連憲章の
安全保障体制(集団安全保障・集団的自衛権・個別的自衛権)への支持と信頼は国際法的にも幾多の多国間と
2国間条約において日本が確認してきたことを根拠にしている(乙)。この点で私見は、既存の憲法変遷論に比べ
ても一層、憲法解釈技術的な説得力があると自負している。加えて、その(乙)の国連体制も崩壊したのならば、
日本が集団的と個別的な自衛権を行使する権利と義務を持つことは最早、自明ではなかろうか(甲)?

蓋し、日本国憲法は変遷した。憲法改正は最早、不要である。
むしろ、自衛権の行使を完全なシビリアンコントロールに置くことと、国際関係の秩序を維持するという国益を全う
するために、臨機応変かつ合理的な自衛権行使を具現するために、安全保障基本法/自衛権行使手続法なりを
制定すべき秋ではないかと私は考える。何故ならば、憲法第9条は日本の安全保障を制度不全に陥れるのみ
ならず、世界の安全保障を不安定にするに至っていると考えるからである。憲法と現実政治の隙間は埋められ
なければならない。そのキーワードは憲法変遷である。
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