アラブ問題の深遠
投稿者: ahoahoahocha6 投稿日時: 2003/03/31 00:39 投稿番号: [59628 / 232612]
日本人が論じるほど単純じゃない。
アメリカがサウジの「油田を没収する」ということは、米軍がサウジに軍事侵攻して油田地帯を占領するということを意味している。箇条書きになっている報告書の末尾には、中東における戦略提案として「(アメリカにとって)イラクは戦術的な要所、サウジは戦略的な要所。そしてエジプトは戦利品である」(Iraq is the tactical pivot. Saudi Arabia the strategic pivot. Egypt the prize)という文言が書かれており、アメリカがイラクのフセイン政権を転覆できたら、次はサウジの「油田没収」に取りかかるべきだ、といった論調になっている。(関連記事)
この報告書は、ランド研究所のロラン・ムラウィエ(Laurent Murawiec)という人が書き、国防総省の「国防政策委員会」に対して提出された。この委員会は、政権内のタカ派(ネオコン)の思想的な中核を担っているリチャード・パールが委員長を務めている。(関連記事)
報告書が米政権の内外で大きな物議を醸したため、ランド研究所はその後「報告書はムラウィエが個人的に作ったもので、研究所が組織として認知したわけではない」と釈明した。ムラウィエ自身、それまでほとんど無名だったため、この報告書は形だけランド研究所で作られたことにして、実際はパール委員長らネオコン勢力が、自らの戦略に対するワシントンにおける反応を試す観測気球として、この報告書を世に出したのではないか、と見る向きもある。(関連記事)
▼米中枢への影響力を競ったサウジとイスラエル
今年11月に入ると、サウジアラビア王室が911のハイジャック実行犯の関係者に対して資金援助していたのではないか、とする疑惑が持ち上がるなど、その後もアメリカとサウジの関係を悪化させる方向で事態は進んでいる。
こうした関係の悪化からは、以前にはサウド家と仲良くしていたブッシュ家が、911事件によってサウド家から裏切られた、とみることもできる。だが、最近書いた記事で説明したように、911事件の実行犯らテロリストをアメリカ当局の一部が「養成」してきた可能性を加味して考えると、アメリカ政権内部のタカ派(ネオコン)が、アメリカに対して影響力を持ちすぎているサウド家をおとしめようとして、現在の関係悪化の流れを演出しているのではないか、とも思える。
そう考えられる背景として、サウジアラビアとイスラエルが、アメリカの政権中枢に対する影響力を競ってきた経緯を指摘することができる。
これは メッセージ 59627 (ahoahoahocha6 さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1143583/beaec0tbcsaja4nkacdaba4h2ddbja4ka4da4a4a4fa1ya1ya1ya1ya1y_1/59628.html