憲法と条約2
投稿者: ahoahoahochan0 投稿日時: 2003/02/12 23:28 投稿番号: [49643 / 232612]
条約と、憲法及びその他の国内法との関係】
憲法第98条を斟酌すると、条約は憲法の下位にあるか上位にあるかを規定するものではない。では、条約と憲法は、並立的ないし相互補完的なものとして規定されているのであろうか。
●憲法第98条(憲法の最高法規制、条約及び国際法規の遵守)
この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
●同条②
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
とある。第①の条文には「条規に反する法律」とあるが、その「法律」に条約を含むとみなして考える。みなして考えたとしても、憲法の条規に反する条約は、さしずめ国会によって承認されないであろう。後に説明するが、これを学説上「憲法優位説」と呼ぶ。また反面、「条約優位説」もあるのだが、これは憲法第96条(憲法改正の手続、その公布)の存在理由を失わせることとなり、日本国憲法の硬性憲法性を著しく損なうことになる。よって、憲法優位説を以て正当とすることが一般的である。
憲法第98条で、憲法は国の最高法規性と硬性の旨を規定し、続けて同条第②で条約を遵守しなければならないとしている。文脈から判断すれば、条約及び憲法は、その他の国内法の上位に位置する法規として相互補完的に存在し得ると解釈する。相互補完的と表現したが、その意図するところを説明する。確かに憲法は国の最高法規であるが、国際社会では何を最高法規とするかである。誤解のない様にしたいのだが、憲法と条約とを同一水準の最高法規と考えている訳ではない。憲法はともかく、条約の国内法的効力について以下の学説があるので紹介しておく。尚、self-executingとは、国内法の立法を待つことなく、そのまま国内法として適用し得る内容を持つ条約を指す。
【(7)憲法と条約(答練・憲法)】
条約の国内法的効力については、各国憲法の定めに依ると云うのが現代国際法上一般に承認されている原則であり、現に行われている慣行である。この点に関する各国憲法の定めは必ずしも一様でないが、概してself-executingな条約については、公布と同時に国内法的効力を認める立場、すなわち一般的受容の立場を採る例が多い。日本国憲法もこの様な一般的受容の立場を採っていること(憲法第98条②、73条3号、7条1号)、及び、この様な自律的規範を通じて国内法化された条約が、法律に優位する形式的効力を持つことは、学説上異論を挟まない。しかし、憲法に優位する効力まで持つか否かについては説が分かれている。
憲法優位説に立つならば、それを実効的なものとする為には、少なくとも条約を実施する国内法令の合憲性を審査する前提問題として、内容的違憲条約の国内法的効力につき司法審査を肯定すべきであろう。
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答練・憲法:池田政章・好美清光:他編
学陽書房(昭和55年度版):24頁〜26頁
憲法第98条を斟酌すると、条約は憲法の下位にあるか上位にあるかを規定するものではない。では、条約と憲法は、並立的ないし相互補完的なものとして規定されているのであろうか。
●憲法第98条(憲法の最高法規制、条約及び国際法規の遵守)
この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
●同条②
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
とある。第①の条文には「条規に反する法律」とあるが、その「法律」に条約を含むとみなして考える。みなして考えたとしても、憲法の条規に反する条約は、さしずめ国会によって承認されないであろう。後に説明するが、これを学説上「憲法優位説」と呼ぶ。また反面、「条約優位説」もあるのだが、これは憲法第96条(憲法改正の手続、その公布)の存在理由を失わせることとなり、日本国憲法の硬性憲法性を著しく損なうことになる。よって、憲法優位説を以て正当とすることが一般的である。
憲法第98条で、憲法は国の最高法規性と硬性の旨を規定し、続けて同条第②で条約を遵守しなければならないとしている。文脈から判断すれば、条約及び憲法は、その他の国内法の上位に位置する法規として相互補完的に存在し得ると解釈する。相互補完的と表現したが、その意図するところを説明する。確かに憲法は国の最高法規であるが、国際社会では何を最高法規とするかである。誤解のない様にしたいのだが、憲法と条約とを同一水準の最高法規と考えている訳ではない。憲法はともかく、条約の国内法的効力について以下の学説があるので紹介しておく。尚、self-executingとは、国内法の立法を待つことなく、そのまま国内法として適用し得る内容を持つ条約を指す。
【(7)憲法と条約(答練・憲法)】
条約の国内法的効力については、各国憲法の定めに依ると云うのが現代国際法上一般に承認されている原則であり、現に行われている慣行である。この点に関する各国憲法の定めは必ずしも一様でないが、概してself-executingな条約については、公布と同時に国内法的効力を認める立場、すなわち一般的受容の立場を採る例が多い。日本国憲法もこの様な一般的受容の立場を採っていること(憲法第98条②、73条3号、7条1号)、及び、この様な自律的規範を通じて国内法化された条約が、法律に優位する形式的効力を持つことは、学説上異論を挟まない。しかし、憲法に優位する効力まで持つか否かについては説が分かれている。
憲法優位説に立つならば、それを実効的なものとする為には、少なくとも条約を実施する国内法令の合憲性を審査する前提問題として、内容的違憲条約の国内法的効力につき司法審査を肯定すべきであろう。
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答練・憲法:池田政章・好美清光:他編
学陽書房(昭和55年度版):24頁〜26頁
これは メッセージ 49642 (ahoahoahochan0 さん)への返信です.