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イラク問題は冷戦後の米欧関係の分水嶺

投稿者: nigakudo72 投稿日時: 2003/02/11 09:20 投稿番号: [49331 / 232612]
新欧州シフト鮮明   イラク攻撃めぐり関係変化(産経新聞)

米の独仏観転機、18カ国支持得て強気
「NATOの団結乱す」

  【ワシントン10日=古森義久】米国は九日、イラク攻撃の計画に欧州のドイツ、フランスなどの一部の国が反対することに対し、同じ欧州の他の十八カ国が支持を表明することを重視し、今後の対欧州政策に反映させていくという基本姿勢を明確にし始めた。その意味ではイラク問題は冷戦後の米欧関係の分水嶺(ぶんすいれい)になったともいえる。
  米国側のドイツやフランスに対する批判的な姿勢は九日、さらに鮮明となった。ベルリンで開かれた国際安全保障会議でドナルド・ラムズフェルド国防長官がトルコに米軍のパトリオット対空ミサイルを配備する案にフランス、ドイツ、ベルギー三国が反対したことを「NATO(北大西洋条約機構)の団結を乱す行為だ」と非難したという動きは九日、米側で広範に報道された。

  同長官に同行した共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員も「パリとベルリンの行為は大西洋同盟への重大な疑問を提起した」と述べ、米国のイラク攻撃の意図への独仏の反対を単にイラク問題での意見の相違にとどめず、米欧同盟の今後を左右する重要な展開とみていることを明らかにした。

  米国のこうした強気な姿勢の背後には欧州全般、とくにNATO加盟国の間ではイラク問題に関して、米国に賛成する国の方が多数であり、ドイツやフランスが少数派として孤立傾向にあるという認識がある。米国への支持はまず一月三十日にイギリス、イタリア、スペイン、デンマーク、ポルトガル、ポーランド、ハンガリー、チェコの八カ国首脳により共同声明の形で打ち出された。

  続いて今月五日にはアルバニア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マケドニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニアの十カ国の外相が米欧の団結をうたい、イラクの大量破壊兵器への断固たる対応を表明する共同声明を発表した。

  これら合計十八カ国はみなNATOのメンバーか、あるいはメンバー候補であり、米国に対する支援が中欧や東欧の新生民主主義国にきわめて強く、NATOの重心が同じ欧州でも西から東へと移っている新傾向を反映する。ハンガリーのアンドラス・シモンイ駐米大使はこうした動きについて「中欧の新民主主義国は大西洋同盟の真のプレーヤーとして米国を強く支持したいと願っており、西欧諸国とは態度を基本的に異にするといえる」と説明した。

  米国側でも欧州のこうした多様性は単にイラク問題だけでなく対米観の基本に及ぶ相違とみていることは一月、ブッシュ大統領が訪米したポーランドのクワシニエフスキ大統領に社交辞令にせよ「米国はいま欧州でポーランドよりもよい友人は持っていない」と述べたことにも示された。

  政府のこうした新欧州観を反映するようにニューヨーク・タイムズの外交コラムニストのトーマス・フリードマン氏は九日付の評論記事でフランスの外交活動を無責任だと酷評し、国連安保理の常任メンバーもフランスからインドに替えるべきだと主張した。ワシントン・ポストも同日、米欧関係の専門家ウィリアム・ドロジアク氏の欧州の中心は経済的にも西から東に移っているとする解説記事を載せた。
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