小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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ミサイル防衛――そんなに急ぐべきことか?

投稿者: masa4618 投稿日時: 2002/12/23 18:09 投稿番号: [34367 / 232612]
■ミサイル防衛――そんなに急ぐべきことか

  猛スピードで飛んでくる弾道ミサイルをミサイルで撃ち落とし、米国や同盟国と世界各地の米軍基地を守る。

  そんなミサイル防衛(MD)の配備を04年から始めると、ブッシュ大統領が発表した。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの核やミサイル開発をにらんだ決定という。当面は迎撃ミサイル20基を配備する。

  しかしMDには依然として問題が多い。技術面では、過去8回の実験で3回も迎撃に失敗するなど信頼性に欠ける。

  MDが配備されれば敵側だって、おめおめと撃ち落とされるようなことは避ける。おとり弾頭による目くらましなどの対抗手段を講じるに違いない。地をはうように飛ぶのでMDでは迎撃できない巡航ミサイルに切りかえることも考えられる。

  巨額の費用がかかり効果のほども確かでないのに、これほど配備を急ぐ意味があるのか。新しい脅威を取り除くには、国際社会を糾合して核やミサイルの拡散を防ぐなど、もっと先にやるべきことが多い。

  MD配備が初期段階を超えて進めば、中国やロシアは、米国の核の優位が強まったと考えるだろう。そうなれば自前の核攻撃力を強める誘惑にかられるかも知れない。核軍拡につながる恐れがある。

  世界の安全に影響を及ぼすこうした問題に十分配慮せずに、米国がMD配備を表明したのは遺憾と言わざるをえない。

  そうした事情が分かった上でのことだったのか。先に訪米した石破防衛庁長官は「将来の開発・配備を視野に入れたうえで検討を行いたい」と、米側に伝えた。

  これに対し小泉首相は、今は「研究の段階」であり、開発・配備への移行は別途判断するとの政府方針は不変だと強調した。石破発言は先走りだったのだろう。

  日本は98年、飛距離の短い弾道ミサイルを迎撃する戦域ミサイル防衛(TMD)について、米国との共同技術研究を始めた。北朝鮮のテポドン発射が招いた国民の不安感を背景に始まったものである。

  TMDは、米国が配備を決めた長距離の弾道ミサイル迎撃システムに比べて研究が遅れており、実効性は未知数だ。

  米国はその後、防衛範囲の狭いTMDもMD全体のなかに組み込んで開発、配備をめざす方針を固め、日本に協力を促している。だが、日本にとってMDと一体化したTMDは簡単なことではない。

  かりに将来安定したMDができるとしても、それまでに資金や技術協力で膨大なコストがかかる。米国との共同防衛態勢に自らを組み込むことになれば、集団自衛権の行使に絡む憲法問題もでてくる。北東アジアの戦略バランスにも影響を与える。

  北朝鮮の核やミサイル開発の脅威があるからといって、MDがはらむ政治的、軍事的、経済的問題を忘れてはならない。担当閣僚が首相との意思一致もなく米国防長官に考えを述べてよい問題ではない。 (朝日新聞社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
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