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H2A成功――着実に自立をめざせ

投稿者: masa4618 投稿日時: 2002/12/15 12:45 投稿番号: [31873 / 232612]
朝日新聞社説から

■H2A成功――着実に自立をめざせ
  国産の大型ロケット「H2A」4号機の打ち上げが成功した。

  地球観測衛星「みどり2号」やオーストラリアの衛星など、搭載されていた4衛星も予定の軌道に乗った。

  今年2月の2号機では試験衛星がうまく分離しなかったが、ロケットそのものは4回続けて順調に上がった。

  今回の成功で、衛星にかける保険料が安くなりコストが下がる。来年には、日本初の情報収集衛星や気象衛星「ひまわり」の後継機など重要な衛星の打ち上げが予定されている。これらを着実に軌道に乗せていけば信頼感も増し、いまは低調な海外からの受注増も期待できるだろう。

  それでも、H2Aの将来は手放しで楽観できるものではない。

  H2Aの技術は、05年度に三菱重工業に移転される。今は宇宙開発事業団(NASDA)が各社に機体を分散発注しているが、三菱重工が他社と協力してつくるようになる。H2Aは基本的に完成しており、もう官が主導する必要はないからだ。

  一元化で製造責任が明確になり、民間経営によるコスト削減が期待される。

  政府も情報収集衛星をはじめ、各種の衛星の打ち上げにはH2Aを優先的に使う方針だ。しかし、こうした政府の支援を頼りにしてはなるまい。世界の商業衛星の打ち上げ市場で顧客を獲得して、自立できるのでなければ民営化の意味はない。

  世界市場では欧州のアリアンロケットを筆頭に、米国、ロシアがしのぎを削っており、中国も参入する。しかも当面、打ち上げの需要は全世界で年間30機ほどしかない状態が続く。ここに、後発の日本が割って入るのは容易なことではない。

  H2Aの民営化だけでなく、日本の宇宙開発全体も転機を迎えている。

  NASDA、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所の宇宙3機関は来年10月に統合し、新機関となる。宇宙予算も減っている。開発の戦略とテーマを明確にし、集中することが求められているのだ。

  まず、H2A後の戦略が見えない。より大型の「H3」をめざすのか。有人飛行という夢を追うのか。これらについて長期的な戦略を早く示すべきだろう。

  石川島播磨重工業などが出資する会社が米国、ロシアの技術を導入し、中型のGXロケットの開発を計画している。NASDAの支援も期待されているが、外国の技術を多く使う民間ロケットに国が支援すべきでないという意見もある。これにも明確な判断を示すことが必要だろう。

  いま、宇宙先進国はどんなロケットを持つかではなく、宇宙利用をどう広げるかの競争に入っている。衛星づくりの市場はロケットよりも大きい。日本の衛星の開発力をどう高めていくかも大きな課題だ。

  世界は前を進んでいる。H2Aの4回の成功ぐらいで、浮かれてはいられない。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html
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