謎の組織「科協」に迫る (9)
投稿者: kyabaajp 投稿日時: 2006/06/09 22:30 投稿番号: [228417 / 232612]
「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」
前・(財)化学技術戦略推進機構筑波管理事務所所長の安部桂司氏は、論文「問い直される在日朝鮮人『科協』と北朝鮮の関係」のなかで、「いま科協に求められているのは、近代市民社会への忠誠である」と看破している。
「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」……。科協の精神を体現した言葉である。だがこの言葉がロマンティックに響くのは、科学という透徹した論理と客観の世界と、才能と理知を慈しみ育んだ土地の匂いや手触りとが、科学者という一個の人間の物語として、有機的に結びつくからではなかろうか。
だが、この「祖国」という言葉が北朝鮮の「愛国愛族主義」という理念への忠誠と結びつくと、ロマンは悲劇に転ずる。そして世界に通用するはずの優れた才能が、「工作」に酷使され、学問的栄光を見ないまま人生を終えていく……。貧しさや差別という文脈で語られがちな在日の、もう一つの哀歌というべきであろう。日本におけるマイノリティ科学者集団「科協」の悲劇とは、ひとえにこの「愛国愛族主義への忠誠心」であろうと、筆者は思う。
「在日の気持ちが貴様にわかるか」と責められることを覚悟しつつ、あえて述べたい。科協に属する科学者たちの祖国とは、北朝鮮ではない。彼らが絢爛たる才能を開花させるべく、安寧かつ充実した研究の日々を過ごしたのは、他ならぬ日本ではなかったのか。
(おわり)
http://www.pyongyangology.com/index.php?option=com_content&task=view&id=180&Itemid=33
これは メッセージ 1 (mitokoumon_2002 さん)への返信です.
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