小泉首相の訪朝と課題について☆☆☆☆☆

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青木直人 「北朝鮮処分」から

投稿者: komash0427 投稿日時: 2006/03/30 23:31 投稿番号: [227461 / 232612]
  1972年10月22日、4時間あまりにわたって行われた会談のテーマの4分の1は、実は日本問題にあてられていた。周恩来首相とキッシンジャー大統領首席補佐官の間では、こんな会話が交わされていた。

【日本人観】
周恩来   「ものの見方が狭く、とても変わっている。島国の国民だ」
キッシンジャー   「中国は伝統的に普遍的な視野があるが、日本は部族的な視野しかない。日本人は他の国民がどう感じるかになんの感受性もない。日本にはなんの幻想も持たない」

【日本経済】

周   「日本は第二次世界大戦の賠償も払わずに、戦争から利益を得た。経済拡大は軍事拡大につながる。米国は日本を今の状態に太らせた」
キ   「日本を経済的に発展させたことをいまは後悔している」

  ほとんど民族差別と言ってもいいやり取りである。だが日本人が留意すべきは次の内容だ。赤裸々な日本をめぐる安全保障観が語られているからだ。

周   「日本は過去、25年あまり防衛に必要以上の金を使ってきた。いまや羽が生えようとしている。一度日本が軍事拡大に走ればどこまで行くかわからない」


「日本軍国主義」は、当時の中国が以降のキーワードのひとつだった。戦前の日本の中国大陸への軍事進出は、周たち共産党のトラウマでもある。その不安にキッシンジャーは飛びついた。


キッシンジャー   「日本が自主防衛すれば、周辺の国にとって危険だ。米国は米国のために核兵器を使うよりも、日本のために使う可能性は実際は少ない。米国が(日本から)撤退すれば、日本は平和利用計画で得た十分なプルトニウムで、核兵器を作ることもできる」

「日本が大規模な再軍備に走るような事態になれば、伝統的な米中関係が再びモノをいう。米国は日本の拡張を抑えるために他国と協調できることをする。日本については我々米中両国は同方向の利害を持っている」


  キッシンジャーは周恩来の対日警戒心に付け込むかのように、「日本の核武装を含む自主防衛は危険であり、米軍が日本から引き上げれば、日本の核開発は可能となる。日本の軍事的拡張に対しては、第二次大戦中における日本軍国主義との共同の闘争がそうであったように、アメリカと中国は共同で対応できるのではないのか」と、こう提案するのだった。

  米中のホンネが出たということだろう。ウィンストン・ロードは、その場にいたのだ。

(※この場面は、米国のニクソン政権時、当時対立していた中国共産党政権と国交関係を結ぶためにキッシンジャー氏が極秘で北京を訪問し、周恩来と交わした会話。ロードは中国語がペラペラでそのときの通訳を担当していた、と記憶しています)

  ニクソン訪中を終え、中国との関係改善を果たしたワシントンが日本に対して強く要求してきたのは、日本政府による核兵器不拡散条約(NPT)の批准だった。実現すれば、日本は核の放棄を国際公約にして、独自の核武装の道は遠のく。フォード政権の国務長官に就任にしたキッシンジャーは、周恩来との公約手形を切るべく、時の三木政権に猛烈な圧力をかけ始めた。宮沢喜一外相の訪米ごとに、ワシントンからのプレッシャーが繰り返されたのである。1976年、三木武夫首相はNPT条約に調印した。

  上海コミュニケにある「アジア太平洋における覇権」という言葉は、日本を意味する言葉だった。日米安保と米中友好は一致した。
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唐突ですが「北朝鮮処分」で描かれている日本の軍事力、核武装を巡る中国と米国の認識を引用しました。

なぜ米国と中国が軍事的・イデオロギー的対決から両国同士が政策転換して、「友好」関係を結ぶのかという動機について、両国の指導者が極秘に内心を「吐露」した場面です。
要は日本の軍事大国化・核武装化を抑止するために米中が国交関係をつくろう、と言うなれば共通の仮想敵国として日本というスケープゴートがかつて戦前もそして戦後も米中にはあったということです。

ただし「北朝鮮処分」ではこのこと自体がメインテーマではなく、北朝鮮の核兵器廃棄、さらには金氏朝鮮の体制転換を巡ってどのような「取引」をしているのか、しようとしているのかを解き明かそうとするものです。その取引のカードとして、ないしは北朝鮮の核兵器開発を抑止する名目として米中の30年前の密約が蒸し返されている、ということを作者は訴えています。

次回は、この描写に至るまでの経緯を紹介したいと思います。
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