月報「北朝鮮問題」拡大版⑤
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/12/13 22:54 投稿番号: [224120 / 232612]
“南吉林省”か傀儡政権か
荒木
もし北朝鮮が跳ね上がり、ミサイルや核を使った“恐喝外交”を再び展開したら、中国の選択肢は大きく3つしかないでしょう。
ひとつは北朝鮮を切って、日米とともに制裁に回ることです。かつてのようにイデオロギーと安全保障を紐帯とした同盟関係ならば、この選択はほぼ不可能だったでしょう。しかし、中国の北朝鮮政策が経済の論理を取り込んだ今、中国は場合によっては北朝鮮を切ることがありうる。
ふたつ目は、直接支配です。いわば北朝鮮全体を“南吉林省”にしてしまう。
そして三番目は、まったく信頼のおけない金正日を排して完全な傀儡政権をつくることです。これは「金正日独裁体制は容易には崩壊しない」と考えている人にとっては非常識に聞こえるかもしれませんが、中国は非常に警戒している。オルブライト訪朝のエピソードでもわかるように、いつアメリカと通じるかもしれない。もし中国が北朝鮮に本格的にコミットするとすれば、これまでにも不安定な外交戦術をとってきた金正日を、政権から追い出すことになると思います。いずれにしても、青木さんの著書のタイトルではありませんが、「北朝鮮処分」が行われることになる(笑)。
青木
金正日を追い出した場合は、後釜は誰だと?
荒木
巷間言われているような「金王朝による世襲」はありえないと、私は思います。もともと金正日自身が、父からの継承というよりは、お互いを利用し合う形で軍などの支持を受け、かろうじて地位を保っている状態ですから、世襲が可能なほどの求心力は持っていません。中国の意向が重きをなすことを勘案すれば、息子たちの出番はまずないでしょう。
胡錦濤訪朝直前の10月22日に、対中国の窓口だった元首相・延亨黙が死去しましたが、彼が生きていれば有力な候補の一人だったと思います。国防委員会の中で唯一非軍人、行政テクノクラートで、中国の意向をくむことができる人物だった。私は、もともと胡錦濤は北朝鮮にはあまり行きたくなかったんじゃないか、とみています。しかし、この延亨黙が死んだことで、自分が直接手を突っ込まないと、北朝鮮は持たないと考えたのではないか。延死後では、実力を伴った後継者になりうる候補は、元総参謀長だった呉克烈あたりしかいませんね。後はせいぜい謹慎処分を受けている張成沢あたりかな。
いずれにしても、直接支配にせよ、傀儡政権にせよ、北朝鮮への支配を強化することは、中国にとっては大きな負担となる。国家の体をなしていない、解体寸前の国を抱えていかなければならないのですから。その意味では、胡錦濤が訪朝して、垂直的な支配の方向を鮮明にしたことは、ひとつ間違えば、自分の足元をすくう羽目にもなりかねません。
青木
確かにある意味では、非常にリスキーですね。本音を言えば、どこの国も北朝鮮にはかかわりたくないんですよ。中国にしても、何も好きこのんで「北朝鮮処分」をやるのではなくて、北朝鮮が経済的にも社会的にも解体しつつある状況をこのまま放置したら、自分のところにも火がつくから、てこ入れするしかなくなっている。どうせ面倒をみなければならないなら、これまでのような無償援助を続けるのも損だし、東北開発も行き詰まっている。なんとか北朝鮮の安い資源と労働力を利用してやろう、という助平根性を出したわけです。北朝鮮は、いわばかつての日本にとっての満州なんです。日露戦争の莫大な犠牲があったので、国も世論も満州を放棄できなかったように、中国、なかんずく人民解放軍は北朝鮮という地域を手放すことはできない。しかし、金正日をはじめとする現在の政権を守り続けるか、といえば疑問ですよね。
荒木
今の北朝鮮を見ていると、日韓併合にいたる前の大韓帝国の末期にそっくりですね。皇帝は統治能力を持たず、好感の中であるものは清につき、あるものはロシアを頼り、あるものは日本と結ぶ。それで、鉱山の採掘権などを、ロシアに次から次へと売り飛ばしていた。違うのは今は日本人が、右から左まで誰も併合を望んでいないことくらいかな(笑)。
荒木
もし北朝鮮が跳ね上がり、ミサイルや核を使った“恐喝外交”を再び展開したら、中国の選択肢は大きく3つしかないでしょう。
ひとつは北朝鮮を切って、日米とともに制裁に回ることです。かつてのようにイデオロギーと安全保障を紐帯とした同盟関係ならば、この選択はほぼ不可能だったでしょう。しかし、中国の北朝鮮政策が経済の論理を取り込んだ今、中国は場合によっては北朝鮮を切ることがありうる。
ふたつ目は、直接支配です。いわば北朝鮮全体を“南吉林省”にしてしまう。
そして三番目は、まったく信頼のおけない金正日を排して完全な傀儡政権をつくることです。これは「金正日独裁体制は容易には崩壊しない」と考えている人にとっては非常識に聞こえるかもしれませんが、中国は非常に警戒している。オルブライト訪朝のエピソードでもわかるように、いつアメリカと通じるかもしれない。もし中国が北朝鮮に本格的にコミットするとすれば、これまでにも不安定な外交戦術をとってきた金正日を、政権から追い出すことになると思います。いずれにしても、青木さんの著書のタイトルではありませんが、「北朝鮮処分」が行われることになる(笑)。
青木
金正日を追い出した場合は、後釜は誰だと?
荒木
巷間言われているような「金王朝による世襲」はありえないと、私は思います。もともと金正日自身が、父からの継承というよりは、お互いを利用し合う形で軍などの支持を受け、かろうじて地位を保っている状態ですから、世襲が可能なほどの求心力は持っていません。中国の意向が重きをなすことを勘案すれば、息子たちの出番はまずないでしょう。
胡錦濤訪朝直前の10月22日に、対中国の窓口だった元首相・延亨黙が死去しましたが、彼が生きていれば有力な候補の一人だったと思います。国防委員会の中で唯一非軍人、行政テクノクラートで、中国の意向をくむことができる人物だった。私は、もともと胡錦濤は北朝鮮にはあまり行きたくなかったんじゃないか、とみています。しかし、この延亨黙が死んだことで、自分が直接手を突っ込まないと、北朝鮮は持たないと考えたのではないか。延死後では、実力を伴った後継者になりうる候補は、元総参謀長だった呉克烈あたりしかいませんね。後はせいぜい謹慎処分を受けている張成沢あたりかな。
いずれにしても、直接支配にせよ、傀儡政権にせよ、北朝鮮への支配を強化することは、中国にとっては大きな負担となる。国家の体をなしていない、解体寸前の国を抱えていかなければならないのですから。その意味では、胡錦濤が訪朝して、垂直的な支配の方向を鮮明にしたことは、ひとつ間違えば、自分の足元をすくう羽目にもなりかねません。
青木
確かにある意味では、非常にリスキーですね。本音を言えば、どこの国も北朝鮮にはかかわりたくないんですよ。中国にしても、何も好きこのんで「北朝鮮処分」をやるのではなくて、北朝鮮が経済的にも社会的にも解体しつつある状況をこのまま放置したら、自分のところにも火がつくから、てこ入れするしかなくなっている。どうせ面倒をみなければならないなら、これまでのような無償援助を続けるのも損だし、東北開発も行き詰まっている。なんとか北朝鮮の安い資源と労働力を利用してやろう、という助平根性を出したわけです。北朝鮮は、いわばかつての日本にとっての満州なんです。日露戦争の莫大な犠牲があったので、国も世論も満州を放棄できなかったように、中国、なかんずく人民解放軍は北朝鮮という地域を手放すことはできない。しかし、金正日をはじめとする現在の政権を守り続けるか、といえば疑問ですよね。
荒木
今の北朝鮮を見ていると、日韓併合にいたる前の大韓帝国の末期にそっくりですね。皇帝は統治能力を持たず、好感の中であるものは清につき、あるものはロシアを頼り、あるものは日本と結ぶ。それで、鉱山の採掘権などを、ロシアに次から次へと売り飛ばしていた。違うのは今は日本人が、右から左まで誰も併合を望んでいないことくらいかな(笑)。
これは メッセージ 224106 (komash0427 さん)への返信です.