アメリカが求めた10項目
投稿者: hangyosyufu 投稿日時: 2005/10/27 21:40 投稿番号: [221922 / 232612]
国務省職員ランドレス・ハリソンのメモは次の如く記している。
「長官はその日、突然、大統領に呼ばれてホワイトハウスの緊急会議に出かけた。その後、えらい剣幕で帰ってきたが、『あそこの連中は何もわかっていない。プライドが高く、力もある民族に、最後通牒を与えてはいけない。日本が攻撃してくるのは当然じゃないか』などと、繰り返しつぶやいた。」
さらにハルは、親支那反日論者として知られる国務省顧問、スタンレー・ホーンベックから、「上からの指示による決定であっても、いずれそれでよかったと考えるようになる」と慰められた時、次の如きメモを残した。
「この緊急の時に、どうせ日本は(暫定案を)受け入れないだろうなどというのは正しくないし、望ましくない。(日本を宥和するため)私が支那を売ったと非難するのはそもそもおかしい話だし、そんな悪宣伝が罷り通るようでは、剣突き合わせて対立している国が妥協するなんて不可能だ。」
この日の午後五時、ハル国務長官は、野村・来栖両大使にホワイト・モーゲンソー案を「合衆国及び日本国間協定の基礎概略」として提示した。それは我が国の乙案を「法と正義に基づく平和確保に寄与せず」と峻拒し、第一項で所謂四原則を掲げ、第二項で次の十項目を掲げていた。
一、 米国政府及び日本国政府は英国、中国、日本、オランダ、ソ連、タイ国及び米国の間に多辺的不可侵条約の締結に努むべし。
二、 両国政府は米、英、中、日、蘭、タイ政府間において各国政府が仏領印度支那の領土主権を尊重し且つ印度支那の領土保全に対する脅威発生するが如き場合、かかる脅威に対処するに必要且つ適当なりと看なされるべき措置を講ずるの目的を以て即時協議する旨誓約すべき協定の締結に努むべし。かかる協定は又協定締結国たる各国政府が印度支那との貿易もしくは経済関係における特恵的待遇を求め、または之を受けることなく且つ各締結国の為仏領印度支那との貿易通商における平等待遇を確保するが為、尽力すべき旨規定すべきものとす。
三、 日本国政府は中国及び印度支那より一切の陸海空兵力及び警察力を撤収するものとす。
四、 米国政府及び日本国政府は、臨時に重慶に置ける中華民国国民政府以外の中国におけるいかなる政府もしくは政権をも軍事的政治的経済的に支持することなし。
五、 両国政府は外国租界及び居留地内およびこれに関連せる諸権益をも含む中国にある一切の治外法権を放棄するものとす。両国政府は外国政府租界地及び居留地における諸権利に、一九〇一年義和団事件議定書による諸権利を含む中国における治外法権放棄につき英国政府および其の他の政府の同意を取り付けるべく努力するものとす。
六、 米国政府及び日本国政府は、両国による互恵的最恵国待遇及び通商障壁引き下げを基本とする米日間通商協定締結のための交渉に入るものとす。右通商障壁引き下げには生糸を自由品目に据え置くべき米国による約束を含むものとす。
七、 米国政府及び日本国政府は、各々米国にある日本資産及び日本にある米国資産に対する凍結措置を撤廃するものとす。
八、 両国政府は円ドル為替安定計画に付協定し、右目的の為の所要資金の分担は日米折半とするに同意するものとす。
九、 両国政府は、その何れか一方が第三国と締結しあるいかなる協定も、本協定の根本目的即ち太平洋地域全般の平和樹立及び保持に矛盾するが如く解釈せざるべきに同意するものとす。
十、 両国政府は、他の諸政府をして本協定に定められある基本的な政治的及び経済的諸原則を遵守し且つ之を実際に適用せしむる為其の影響力を行使するものとす。
来栖大使は、陸海空軍と警察の支那全面撤退と重慶政府以外不支持の両項は実行できず、アメリカが重慶(蒋介石)政権を見殺しにできないのと同様、日本は南京(汪兆銘)政権を見殺しにはできないことを述べ、更に重慶に対する日本の謝罪を要求するに等しいノートをこのまま本国政府に伝達するのは交渉妥結を祈願する者として深い疑念がある旨を述べた。
「長官はその日、突然、大統領に呼ばれてホワイトハウスの緊急会議に出かけた。その後、えらい剣幕で帰ってきたが、『あそこの連中は何もわかっていない。プライドが高く、力もある民族に、最後通牒を与えてはいけない。日本が攻撃してくるのは当然じゃないか』などと、繰り返しつぶやいた。」
さらにハルは、親支那反日論者として知られる国務省顧問、スタンレー・ホーンベックから、「上からの指示による決定であっても、いずれそれでよかったと考えるようになる」と慰められた時、次の如きメモを残した。
「この緊急の時に、どうせ日本は(暫定案を)受け入れないだろうなどというのは正しくないし、望ましくない。(日本を宥和するため)私が支那を売ったと非難するのはそもそもおかしい話だし、そんな悪宣伝が罷り通るようでは、剣突き合わせて対立している国が妥協するなんて不可能だ。」
この日の午後五時、ハル国務長官は、野村・来栖両大使にホワイト・モーゲンソー案を「合衆国及び日本国間協定の基礎概略」として提示した。それは我が国の乙案を「法と正義に基づく平和確保に寄与せず」と峻拒し、第一項で所謂四原則を掲げ、第二項で次の十項目を掲げていた。
一、 米国政府及び日本国政府は英国、中国、日本、オランダ、ソ連、タイ国及び米国の間に多辺的不可侵条約の締結に努むべし。
二、 両国政府は米、英、中、日、蘭、タイ政府間において各国政府が仏領印度支那の領土主権を尊重し且つ印度支那の領土保全に対する脅威発生するが如き場合、かかる脅威に対処するに必要且つ適当なりと看なされるべき措置を講ずるの目的を以て即時協議する旨誓約すべき協定の締結に努むべし。かかる協定は又協定締結国たる各国政府が印度支那との貿易もしくは経済関係における特恵的待遇を求め、または之を受けることなく且つ各締結国の為仏領印度支那との貿易通商における平等待遇を確保するが為、尽力すべき旨規定すべきものとす。
三、 日本国政府は中国及び印度支那より一切の陸海空兵力及び警察力を撤収するものとす。
四、 米国政府及び日本国政府は、臨時に重慶に置ける中華民国国民政府以外の中国におけるいかなる政府もしくは政権をも軍事的政治的経済的に支持することなし。
五、 両国政府は外国租界及び居留地内およびこれに関連せる諸権益をも含む中国にある一切の治外法権を放棄するものとす。両国政府は外国政府租界地及び居留地における諸権利に、一九〇一年義和団事件議定書による諸権利を含む中国における治外法権放棄につき英国政府および其の他の政府の同意を取り付けるべく努力するものとす。
六、 米国政府及び日本国政府は、両国による互恵的最恵国待遇及び通商障壁引き下げを基本とする米日間通商協定締結のための交渉に入るものとす。右通商障壁引き下げには生糸を自由品目に据え置くべき米国による約束を含むものとす。
七、 米国政府及び日本国政府は、各々米国にある日本資産及び日本にある米国資産に対する凍結措置を撤廃するものとす。
八、 両国政府は円ドル為替安定計画に付協定し、右目的の為の所要資金の分担は日米折半とするに同意するものとす。
九、 両国政府は、その何れか一方が第三国と締結しあるいかなる協定も、本協定の根本目的即ち太平洋地域全般の平和樹立及び保持に矛盾するが如く解釈せざるべきに同意するものとす。
十、 両国政府は、他の諸政府をして本協定に定められある基本的な政治的及び経済的諸原則を遵守し且つ之を実際に適用せしむる為其の影響力を行使するものとす。
来栖大使は、陸海空軍と警察の支那全面撤退と重慶政府以外不支持の両項は実行できず、アメリカが重慶(蒋介石)政権を見殺しにできないのと同様、日本は南京(汪兆銘)政権を見殺しにはできないことを述べ、更に重慶に対する日本の謝罪を要求するに等しいノートをこのまま本国政府に伝達するのは交渉妥結を祈願する者として深い疑念がある旨を述べた。
これは メッセージ 221916 (hangyosyufu さん)への返信です.