北朝鮮を巡る米中の合従連衡―Ⅲ
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/10/01 06:51 投稿番号: [218487 / 232612]
またレーガン政権当時には、金日成主席からの依頼を受けて訒じきじきに米国との3ヶ国会談の提案をシュルツ国務長官に仲介している。
親書は趙紫陽首相の米国訪問の際に持参された。だが突然のラングーンでの韓国要人暗殺工作によって、中国の和平仲介は水泡に帰した。金正日書記の関わった要人テロに訒は激怒した。
朝鮮有事は、米中両国にとっても望みもしない有事に巻き込まれることを意味する。理由は言うまでもない。中国は北朝鮮との間に中朝友好同盟協力条約を締結し、第2項には侵略に対する共同防衛義務が謳われていたからだ。事情は米国も変わらない。米国と韓国との間にも米韓軍事同盟があり、米軍人が38度線に展開している。北と南が戦火を交えれば、米中は意に反して戦わざるを得ない。
ワシントンも北京も「感性的で衝動的な」朝鮮半島の国民に良好な両国関係を破壊されてはたまらないのであった。現在中国と北朝鮮の関係について、「中国は北朝鮮を切れない」とか、「中朝は同じ穴の狢」という見方が存在している。だが朝鮮戦争当時ならいざ知らず、冷戦が終り、米中両国が正面から軍事的に向かい合うといった事態はまずあり得ない。
後でも触れるが、中国は朝鮮半島の動向を対米戦略と市場経済の進展という2つの要因から考慮し始めているのである。米国との関係にプラスかマイナスか、この点を抜きにした中国の半島政策は今では存在し得ない。
それは、中国経済の命運を握っているのが米国企業の旺盛な投資と米国内の市場だからだ。1989年の天安門事件で内外から孤立した中国がソ連・東欧のように崩壊することなくサバイバルでき得たのは、経済成長を通じて国民からの信任を手にしたからに他ならない。
だがその成長は、旺盛な輸出依存という特徴をもつ。中国国内の内需は依然として小さい。GDPの多くは外国市場に向う輸出が牽引しているのだ。輸出と外国市場が生み出している。そのため米国や日本への輸入がストップしたり減少した場合、中国市場経済は一挙に迷走を始めてしまう。そのためにも、西側各国との良好な外交関係が不可欠なのである。現在日中関係は「政冷経熱」と呼ばれているが、経済まで「冷」となれば、中国からのリアクションはこの程度では済まないだろう。政権の運命が左右されかねないからである。小泉首相の靖国神社参拝に反対する中国政府も、「中国経済の成長は日本にとって脅威ではない」との首相の発言だけは絶賛するのである。
(つづく)
これは メッセージ 218389 (komash0427 さん)への返信です.
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