「24時間の幻想」(上)
投稿者: gurit_gogo 投稿日時: 2005/09/28 12:38 投稿番号: [217931 / 232612]
先の6カ国協議の合意に対し、慙愧の念に耐え難い古森氏の叫び声・・・・・
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http://nikkeibp.jp/sj2005/column/i/07/03.html
「24時間の幻想」と呼ぶのは誇張だろうか…。
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だが、確かにわずか1日足らずの間に全世界の期待は風船の空気が抜けるように、がっくりと萎えてしまったのだ。当初は表面に出なかった大きな対立点が24時間にして、どっと巨大な姿を現したのだった。
日本のマスコミも天地を揺らがす「歴史的な前進」としてプレーアップした北朝鮮の核兵器開発をめぐる「共同声明」のことである。
北京で開かれていた6カ国協議が初めての共同声明を9月19日、まとめ、「北朝鮮はすべての核兵器と今ある核計画を放棄し、核不拡散条約(NPT)への復帰と、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを約束した」と発表した。
この発表部分だけをみれば、日本の各紙が「北朝鮮が核放棄確約」(朝日新聞)とか「非核化へ歴史的一歩」(同)と大見出しでうたったのも無理はない。要するに、全世界を過去十数年、悩ませ続け、とくに日本に脅威を与えてきた北朝鮮の核兵器開発もこれでやっと終わりになる、という意味に受け取れるニュースだった。
ところがこの大ニュースの水面下に、どんでん返しといえるような逆転が隠されていた。
アメリカのブッシュ政権も譲歩に譲歩を重ねさせられ、あげくにハシゴをすっと外されて、2階から地面に落ちるような、手玉に取られる格好となった。今回の「共同声明」には、北朝鮮の天才的な悪知恵と呼べるほどの巧妙な戦術が秘されていたのである。アメリカの北朝鮮専門家たちの間でバイブルのように熟読される『北朝鮮の交渉戦略』という書をつい思い出させる事態の展開でもあった。
『北朝鮮の交渉戦略』という本はアメリカでの北朝鮮問題の権威チャック・ダウンズ氏によって書かれた。ダウンズ氏は1990年代にずっと国務省と国防総省の両方で北朝鮮問題を担当した専門官である。その体験を基に北朝鮮が他国との外交交渉をどう進めるかを分析したのがこの書なのだ。
その分析によると、北朝鮮は対外交渉ではその相手国に「楽観」「幻滅」「失望」という心理状態を順番に味あわせるように働きかけてくるのがパターンだという。つまり北朝鮮と交渉しようとする日本のような国は「楽観」「幻滅」「失望」そしてまた「楽観」というサイクルをぐるぐる回されているというのだ。
ダウンズ氏は次のように説明する。
「北朝鮮は交渉相手国に対し、自国の政策に根本的な変化があるかのようにふるまい、相手国にとって有利となりそうな寛容な態度を示唆する。相手国が楽観へと転じ、前に出てくると、北朝鮮は交渉を仕切り、態度を急変させ、相手を幻滅させる。幻滅がさらに失望となったところで、北朝鮮は相手に次回の交渉ではより積極的に応じようという楽観を抱かせる。北朝鮮と交渉を試みる相手はいつもこの三つの状態のどれかにある」
このサイクルは小泉首相の2002年9月の第1回訪朝から2004年5月の第2回訪朝までの事態展開をみても、確かに合致する。拉致被害者5人の帰国による「楽観」がその他の被害者の死亡通知などで「幻滅」となり、被害者の家族の問題で行き詰まる。さらに沈んだ「失望」となり、待つこと久し、やっと日本側の堅固な姿勢が北側の一角を和らげた感じとなり、家族の帰国が可能となる。心理はまた「楽観」にもどって、小泉首相が2度目の平壌訪問をした、というわけだ。
(つづく)
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http://nikkeibp.jp/sj2005/column/i/07/03.html
「24時間の幻想」と呼ぶのは誇張だろうか…。
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だが、確かにわずか1日足らずの間に全世界の期待は風船の空気が抜けるように、がっくりと萎えてしまったのだ。当初は表面に出なかった大きな対立点が24時間にして、どっと巨大な姿を現したのだった。
日本のマスコミも天地を揺らがす「歴史的な前進」としてプレーアップした北朝鮮の核兵器開発をめぐる「共同声明」のことである。
北京で開かれていた6カ国協議が初めての共同声明を9月19日、まとめ、「北朝鮮はすべての核兵器と今ある核計画を放棄し、核不拡散条約(NPT)への復帰と、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを約束した」と発表した。
この発表部分だけをみれば、日本の各紙が「北朝鮮が核放棄確約」(朝日新聞)とか「非核化へ歴史的一歩」(同)と大見出しでうたったのも無理はない。要するに、全世界を過去十数年、悩ませ続け、とくに日本に脅威を与えてきた北朝鮮の核兵器開発もこれでやっと終わりになる、という意味に受け取れるニュースだった。
ところがこの大ニュースの水面下に、どんでん返しといえるような逆転が隠されていた。
アメリカのブッシュ政権も譲歩に譲歩を重ねさせられ、あげくにハシゴをすっと外されて、2階から地面に落ちるような、手玉に取られる格好となった。今回の「共同声明」には、北朝鮮の天才的な悪知恵と呼べるほどの巧妙な戦術が秘されていたのである。アメリカの北朝鮮専門家たちの間でバイブルのように熟読される『北朝鮮の交渉戦略』という書をつい思い出させる事態の展開でもあった。
『北朝鮮の交渉戦略』という本はアメリカでの北朝鮮問題の権威チャック・ダウンズ氏によって書かれた。ダウンズ氏は1990年代にずっと国務省と国防総省の両方で北朝鮮問題を担当した専門官である。その体験を基に北朝鮮が他国との外交交渉をどう進めるかを分析したのがこの書なのだ。
その分析によると、北朝鮮は対外交渉ではその相手国に「楽観」「幻滅」「失望」という心理状態を順番に味あわせるように働きかけてくるのがパターンだという。つまり北朝鮮と交渉しようとする日本のような国は「楽観」「幻滅」「失望」そしてまた「楽観」というサイクルをぐるぐる回されているというのだ。
ダウンズ氏は次のように説明する。
「北朝鮮は交渉相手国に対し、自国の政策に根本的な変化があるかのようにふるまい、相手国にとって有利となりそうな寛容な態度を示唆する。相手国が楽観へと転じ、前に出てくると、北朝鮮は交渉を仕切り、態度を急変させ、相手を幻滅させる。幻滅がさらに失望となったところで、北朝鮮は相手に次回の交渉ではより積極的に応じようという楽観を抱かせる。北朝鮮と交渉を試みる相手はいつもこの三つの状態のどれかにある」
このサイクルは小泉首相の2002年9月の第1回訪朝から2004年5月の第2回訪朝までの事態展開をみても、確かに合致する。拉致被害者5人の帰国による「楽観」がその他の被害者の死亡通知などで「幻滅」となり、被害者の家族の問題で行き詰まる。さらに沈んだ「失望」となり、待つこと久し、やっと日本側の堅固な姿勢が北側の一角を和らげた感じとなり、家族の帰国が可能となる。心理はまた「楽観」にもどって、小泉首相が2度目の平壌訪問をした、というわけだ。
(つづく)
これは メッセージ 217846 (komash0427 さん)への返信です.