北朝鮮の農業は重症でしょう
投稿者: sofiansky2003 投稿日時: 2005/06/26 01:48 投稿番号: [207110 / 232612]
>不作で食糧危機なのではなく、「経済改革」の影響で米や玉蜀黍の価格が暴騰しているんですね。
>改革したけど、穀物の生産量は増えるどころか、改革に失敗して逆に減ったんでしょうか。
北朝鮮の農業は94−97年の自然災害(洪水とか冷害)による不作ではないですが、もう構造的なもので、かなりの重症のような気がします。
北朝鮮は今年になって随分と力を入れていますが、はたして少しは収穫が増えるのでしょうか?
今村弘子の「北朝鮮「虚構の経済」」によると、北朝鮮の耕地面積は199万ha(畑140万ha、水田58万ha)ということです。
南と比較して気候が厳しいことはよく言われるのですが、それよりも北側に国境を接する中国・吉林省では、トウモロコシの反収が5970kg/ha、米が5554kg/haということで、単純にかけ算をすると、トウモロコシ=840万トン、米=325万トンということで、北朝鮮がかって長期計画経済で豪語した1000(〜1500)万トンを軽く越える数字になります。
ところが実際には、93年の900万トン余が最高実績らしく、94年以後は急速に収穫量が落ちています。
この原因として著者は以下のとおりまとめています。
①無理な密植のため地力が低下したこと。
(レス者注:稲苗の密植=主体式農法ということですが、黄長菀の本では金日成は中国におけるような密植は採用しなかった示唆している。先日の田植え風景の写真(=朝鮮日報)もそんな感じではなかった)。
②山の斜面を有効利用しようとした「全国土の棚田化」により山林が伐採されたために、土地の保水力がなくなり鉄砲水や山崩れが起こりやすくなっていたこと。
(レス者注:棚田は日本にも現在も少しは見られる風景ですが、稲を植える棚田自身は一般に保水力はあり、むしろダムの役割を果たしている。
昨年の新潟地震で、山古志村の棚田が崩れた。それにより水があふれやすい構造になったと思う)
それよりも、燃料としてのマキの伐採←この後きちっと植林をして管理をすれば問題はないと思うのですが、北朝鮮はこんなことやらない。禿山になり、この後は山全体の保水力が落ち、少しの降雨でも鉄砲水になりやすい。トウモロコシ等の畑としてしての使用=畦がないので棚田とは保水力が全く異なってくる)
③燃料不足から農業機械を動かすことができないこと。
④工場の稼働率が低下するにつれて、化学肥料や農薬の生産もできず適切な施肥ができないこと。
などの状況があったとしています。
私は、この他に、①働いても働かなくてもそれほど変わらない集団農場制度、仮に収穫が多くなってもも自らの収入増になるず、諸々の名目で国家に収奪される。
②種子が全く優れたものでないこと(吉林省との直接的差はこれでしょう)
③トラクターではなく、鎌とか簡単な農業器具・機械が使い物にならないとか、適期に流通しないといった社会主義特有の要因、
④トウモロコシとかジャガイモと言ってますが、適地敵産とか、生産者の工夫は生かされないというか、そう言う発想は皆無に近い(何故なら金日成・正日が全面的に指示するから)等の要因があると思います。
02年末に拉致被害者の<墓>を案内している映像がでましたが、現地人が「墓があったが洪水で押し流されてどこにあるのか分からない」旨の話をしていましたが、これの発言の真偽はともかく!、平地においての荒々しく積み上がった岩石の山は、洪水によって流されてきたものと思いました。
これは少しでも降雨があれば、毎年繰り返すものであり、そうそう簡単に修復できるものではないと思います。
以上のような複合的な要因がある限りは、難しいと思いますし、時間がかかるでしょう。
本格的回復ということになれば、トラクターなんか必要になりますが、それの目処もたっていないのでは?
今年になって北朝鮮は南北閣僚会議で肥料を要求していますが、それはそれで即効的であり、当たってはいると思いますが。
ところで、今村弘子によると、社会主義国における<経済改革>とは、中国にしろベトナム(ドイモイ)にしろ、食糧が充分にあったときにやった(やれた)。
ところが北朝鮮は、食糧が困窮しているときに価格だけいじったので、ハイパーインフレになった(当然!)としています。
うまくいってないし、その行方にはかなり悲観的にみています。
これまでにも、もろもろ北朝鮮の経済的な本は少ないと思いますが、今回の特徴は、中国の内容、同国経由の情報をかなり取り入れています。
データもたっぷり。私には面白かったです。
>改革したけど、穀物の生産量は増えるどころか、改革に失敗して逆に減ったんでしょうか。
北朝鮮の農業は94−97年の自然災害(洪水とか冷害)による不作ではないですが、もう構造的なもので、かなりの重症のような気がします。
北朝鮮は今年になって随分と力を入れていますが、はたして少しは収穫が増えるのでしょうか?
今村弘子の「北朝鮮「虚構の経済」」によると、北朝鮮の耕地面積は199万ha(畑140万ha、水田58万ha)ということです。
南と比較して気候が厳しいことはよく言われるのですが、それよりも北側に国境を接する中国・吉林省では、トウモロコシの反収が5970kg/ha、米が5554kg/haということで、単純にかけ算をすると、トウモロコシ=840万トン、米=325万トンということで、北朝鮮がかって長期計画経済で豪語した1000(〜1500)万トンを軽く越える数字になります。
ところが実際には、93年の900万トン余が最高実績らしく、94年以後は急速に収穫量が落ちています。
この原因として著者は以下のとおりまとめています。
①無理な密植のため地力が低下したこと。
(レス者注:稲苗の密植=主体式農法ということですが、黄長菀の本では金日成は中国におけるような密植は採用しなかった示唆している。先日の田植え風景の写真(=朝鮮日報)もそんな感じではなかった)。
②山の斜面を有効利用しようとした「全国土の棚田化」により山林が伐採されたために、土地の保水力がなくなり鉄砲水や山崩れが起こりやすくなっていたこと。
(レス者注:棚田は日本にも現在も少しは見られる風景ですが、稲を植える棚田自身は一般に保水力はあり、むしろダムの役割を果たしている。
昨年の新潟地震で、山古志村の棚田が崩れた。それにより水があふれやすい構造になったと思う)
それよりも、燃料としてのマキの伐採←この後きちっと植林をして管理をすれば問題はないと思うのですが、北朝鮮はこんなことやらない。禿山になり、この後は山全体の保水力が落ち、少しの降雨でも鉄砲水になりやすい。トウモロコシ等の畑としてしての使用=畦がないので棚田とは保水力が全く異なってくる)
③燃料不足から農業機械を動かすことができないこと。
④工場の稼働率が低下するにつれて、化学肥料や農薬の生産もできず適切な施肥ができないこと。
などの状況があったとしています。
私は、この他に、①働いても働かなくてもそれほど変わらない集団農場制度、仮に収穫が多くなってもも自らの収入増になるず、諸々の名目で国家に収奪される。
②種子が全く優れたものでないこと(吉林省との直接的差はこれでしょう)
③トラクターではなく、鎌とか簡単な農業器具・機械が使い物にならないとか、適期に流通しないといった社会主義特有の要因、
④トウモロコシとかジャガイモと言ってますが、適地敵産とか、生産者の工夫は生かされないというか、そう言う発想は皆無に近い(何故なら金日成・正日が全面的に指示するから)等の要因があると思います。
02年末に拉致被害者の<墓>を案内している映像がでましたが、現地人が「墓があったが洪水で押し流されてどこにあるのか分からない」旨の話をしていましたが、これの発言の真偽はともかく!、平地においての荒々しく積み上がった岩石の山は、洪水によって流されてきたものと思いました。
これは少しでも降雨があれば、毎年繰り返すものであり、そうそう簡単に修復できるものではないと思います。
以上のような複合的な要因がある限りは、難しいと思いますし、時間がかかるでしょう。
本格的回復ということになれば、トラクターなんか必要になりますが、それの目処もたっていないのでは?
今年になって北朝鮮は南北閣僚会議で肥料を要求していますが、それはそれで即効的であり、当たってはいると思いますが。
ところで、今村弘子によると、社会主義国における<経済改革>とは、中国にしろベトナム(ドイモイ)にしろ、食糧が充分にあったときにやった(やれた)。
ところが北朝鮮は、食糧が困窮しているときに価格だけいじったので、ハイパーインフレになった(当然!)としています。
うまくいってないし、その行方にはかなり悲観的にみています。
これまでにも、もろもろ北朝鮮の経済的な本は少ないと思いますが、今回の特徴は、中国の内容、同国経由の情報をかなり取り入れています。
データもたっぷり。私には面白かったです。
これは メッセージ 207101 (komash0427 さん)への返信です.