>脱税を許すな
投稿者: b_8_sp 投稿日時: 2005/03/05 14:49 投稿番号: [187128 / 232612]
■堤前会長逮捕――納税の実態も洗い出せ
「私は命令されるのが嫌い」と言ってはばからなかった堤義明コクド前会長が逮捕された。狭い調べ室で年下の特捜検事から追及される日が続く。権勢をふるってきた西武グループの総帥は、今どんな思いだろうか。
逮捕の容疑となった西武鉄道株をめぐる虚偽報告やインサイダー取引の疑惑は、当然のことながら、徹底的に洗い出してもらいたい。あわせて取り組んでもらいたいことがある。巨大な資産とそれにまつわる納税の解明だ。
堤前会長は、米国の経済誌フォーブズで80年代から90年代にかけて何度も「世界一の富豪」と認定された。バブル経済の盛りだったとはいえ、90年当時の資産は2兆4100億円と推計された。
ところが、自宅とみられていた東京都心の一等地にある家は、実はコクドの持ち物だった。彼がコクドの社長になった直後の66年に同社が建て、ずっと借り受けた形になっていた。
ふつうなら月家賃100万円は下らないような豪邸だ。それを彼自身はどれだけ負担していたのだろうか。もし払ってきた家賃が相場より安ければ、課税されるべき贈与になるかも知れない。そうでなくても、みずからが支配する会社に専用の豪華な社宅を提供させるなど、胸を張れることではない。
堤前会長はコクドの経営者として、同社が株の大部分を持つ西武鉄道やプリンスホテルなどを支配した。プリンスホテルは有力な政治家が好んで使ってきたことで知られ、現在も自民党の森派の事務所が置かれている。
しかし、昨年からグループの再建を託された経営改革委員会の調査によると、コクド株の50%前後は役員や社員の名義になったまま、実際は誰のものかはっきりしないという。ならば配当は誰が受け取り、それに伴う税金は誰が払っていたのだろうか。
逮捕容疑につながる西武鉄道株も、その多くが元社員らの名義に偽装され、実際はコクドが保有していた。親会社と子会社が同じような偽装を繰り返していたわけだ。
コクドは一方で西武グループの巨大な資産を実質的に支配しながら、借金をして新規の事業を展開してきた。このやり方なら法人税をほとんど払わなくてもすむ。堤前会長も納税者番付にはあまり顔を出さなかった。彼はかつて本紙記者に「日本の税制はよく出来ていますよね。やる気のあるものをちゃんと助けてくれる」と語ったことがある。
巨額の金を動かす会社が、法人税はほとんど払わずにすませる。富豪とされながら、所得税の額はそれほどでもない。同じ人物ををめぐって、そんな状態が何十年も続いていた。
まっとうに税金を納めている国民からすれば、何とも承服できない話だ。
事件は、不透明な株式保有の実態を明るみに出した。国税庁が税務の面から実態に迫ることを強く望みたい。
(朝日社説)
「私は命令されるのが嫌い」と言ってはばからなかった堤義明コクド前会長が逮捕された。狭い調べ室で年下の特捜検事から追及される日が続く。権勢をふるってきた西武グループの総帥は、今どんな思いだろうか。
逮捕の容疑となった西武鉄道株をめぐる虚偽報告やインサイダー取引の疑惑は、当然のことながら、徹底的に洗い出してもらいたい。あわせて取り組んでもらいたいことがある。巨大な資産とそれにまつわる納税の解明だ。
堤前会長は、米国の経済誌フォーブズで80年代から90年代にかけて何度も「世界一の富豪」と認定された。バブル経済の盛りだったとはいえ、90年当時の資産は2兆4100億円と推計された。
ところが、自宅とみられていた東京都心の一等地にある家は、実はコクドの持ち物だった。彼がコクドの社長になった直後の66年に同社が建て、ずっと借り受けた形になっていた。
ふつうなら月家賃100万円は下らないような豪邸だ。それを彼自身はどれだけ負担していたのだろうか。もし払ってきた家賃が相場より安ければ、課税されるべき贈与になるかも知れない。そうでなくても、みずからが支配する会社に専用の豪華な社宅を提供させるなど、胸を張れることではない。
堤前会長はコクドの経営者として、同社が株の大部分を持つ西武鉄道やプリンスホテルなどを支配した。プリンスホテルは有力な政治家が好んで使ってきたことで知られ、現在も自民党の森派の事務所が置かれている。
しかし、昨年からグループの再建を託された経営改革委員会の調査によると、コクド株の50%前後は役員や社員の名義になったまま、実際は誰のものかはっきりしないという。ならば配当は誰が受け取り、それに伴う税金は誰が払っていたのだろうか。
逮捕容疑につながる西武鉄道株も、その多くが元社員らの名義に偽装され、実際はコクドが保有していた。親会社と子会社が同じような偽装を繰り返していたわけだ。
コクドは一方で西武グループの巨大な資産を実質的に支配しながら、借金をして新規の事業を展開してきた。このやり方なら法人税をほとんど払わなくてもすむ。堤前会長も納税者番付にはあまり顔を出さなかった。彼はかつて本紙記者に「日本の税制はよく出来ていますよね。やる気のあるものをちゃんと助けてくれる」と語ったことがある。
巨額の金を動かす会社が、法人税はほとんど払わずにすませる。富豪とされながら、所得税の額はそれほどでもない。同じ人物ををめぐって、そんな状態が何十年も続いていた。
まっとうに税金を納めている国民からすれば、何とも承服できない話だ。
事件は、不透明な株式保有の実態を明るみに出した。国税庁が税務の面から実態に迫ることを強く望みたい。
(朝日社説)
これは メッセージ 187123 (b_8_sp さん)への返信です.