北朝鮮が保有する核爆弾②
投稿者: komash0427 投稿日時: 2005/03/05 01:30 投稿番号: [186758 / 232612]
北の核開発を論じる上で、最も信用が置けると思われる文献をまず挙げておきましょう。それはアメリカの科学・国際安全保障研究所(ISIS)が2000年に発行した「北朝鮮の核パズルを解く」という本です。これはデイビッド・オルブライトおよびケビン・オニールという二人のアメリカ人が編集したものですが、この本を入手した共同通信の記者が私のところにインタビューに来た際に、私は見ることができました。
この科学・国際安全保障研究所というのは、ワシントンに本部を置く民間のシンクタンクで、世界の核拡散について詳しく調査、研究している機関です。ことにプルトニウムの核兵器への転用については目を光らせつづけており、その調査の信頼性は非常に高いと言っていいでしょう。
オルブライトらはIAEA(国際原子力機関)関係者との数々のインタビューや関連の文書、旧ソ連の衛生写真などを材料にして、北の核開発の現状について念入りな検討を行っています。一読したところ、最も信頼できるレベルのものだと私は思いました。また原水禁国際部の田窪雅文氏が、この「北朝鮮の核パズルを解く」を正確に読みつつ「北朝鮮の核開発とはどのようなものか」という論文を『世界』の今月3月号に発表しています。さらに、日本原子力発電の技術部長を務め、政府の特命全権として軍縮会議やクウェート、メキシコ大使を歴任された今井隆吉氏の『IAEA査察と核拡散』(日刊工業新聞社 1994年)という本も大変参考になるものです。
私も今から持論を述べていく上でこれらの文献を検討の資料としていることをあらかじめお断りしておきます。
最初に北朝鮮が設けている原子力施設がどういうものであるかをざっと説明しておきましょう。この原子力施設は平壌から北方90キロほどに位置する寧辺という場所に建設されたものですが、広さは東海村の日本原子力研究所の10倍くらい。かなり広大な敷地という
ことになります。そしてこの敷地内に各研究棟が立ち並んでいます。
先述の通り、私はこれまで世界中の原子力研究所を訪れてきましたが、ビデオなどで見た限り、この北の施設は、他国の施設とはかなり異なった趣のもののように思われます。あえて言えば中国の施設に比較的雰囲気が近いと言えるでしょうか。しかし内部にならんでいる研究棟については、それほど不自然なものはありません。もともと原子力研究は両刃の剣のようなもので、平和利用も軍事利用も同じ研究施設から発展させることができるのです。平和利用なら原子力開発、軍事利用なら核兵器開発と呼ぶわけですが、本来的には1つの研究所でどちらも可能です。ですから、北朝鮮の研究施設に対しては平和・軍事両方の研究が行われているのではないか、との疑惑から、メディアは「核開発」研究施設と一括りにした表現をしているわけです。ただ北の研究所は敷地の割に研究棟数が少ないといえるでしょう。私のおおよその感じで言えば、この研究所の規模は1960年代初期のものと同程度のレベルに見うけられます。
そしてこの広い研究所の中にあるのが、まず種類の異なる2つの原子炉です。さらに基礎的な原子炉です。さらに基礎的な原子炉物理の実験研究を行うための臨界集合体装置が入った研究棟、使用済み燃料の貯蔵施設、核燃料再処理工場、ウラン濃縮工場、核燃料加工工場などが建っています。当然これだけの施設が揃えばいつでも核兵器開発は可能ですが、それは世界中のどの研究所でも同じなので、この寧辺の研究所だけが特別というわけでもありません。
これらの中でも、例えば臨界集合体を使った臨海実験装置というのは、よくテレビでタンクの周りに3人くらいの人が集まってタンクの中から何かを取り出す映像が流されていると思いますが、あの装置のことです。いわば原子炉の雛型のようなもので、この装置を使うことで炉心の計算や技術判断の可否を検証することが可能になります。ですから、これは、実際に核兵器を作るときも核設計の計算の信頼性を確認するために使うことができるもので、むろん核開発と直結する装置ということです。
(続く)
この科学・国際安全保障研究所というのは、ワシントンに本部を置く民間のシンクタンクで、世界の核拡散について詳しく調査、研究している機関です。ことにプルトニウムの核兵器への転用については目を光らせつづけており、その調査の信頼性は非常に高いと言っていいでしょう。
オルブライトらはIAEA(国際原子力機関)関係者との数々のインタビューや関連の文書、旧ソ連の衛生写真などを材料にして、北の核開発の現状について念入りな検討を行っています。一読したところ、最も信頼できるレベルのものだと私は思いました。また原水禁国際部の田窪雅文氏が、この「北朝鮮の核パズルを解く」を正確に読みつつ「北朝鮮の核開発とはどのようなものか」という論文を『世界』の今月3月号に発表しています。さらに、日本原子力発電の技術部長を務め、政府の特命全権として軍縮会議やクウェート、メキシコ大使を歴任された今井隆吉氏の『IAEA査察と核拡散』(日刊工業新聞社 1994年)という本も大変参考になるものです。
私も今から持論を述べていく上でこれらの文献を検討の資料としていることをあらかじめお断りしておきます。
最初に北朝鮮が設けている原子力施設がどういうものであるかをざっと説明しておきましょう。この原子力施設は平壌から北方90キロほどに位置する寧辺という場所に建設されたものですが、広さは東海村の日本原子力研究所の10倍くらい。かなり広大な敷地という
ことになります。そしてこの敷地内に各研究棟が立ち並んでいます。
先述の通り、私はこれまで世界中の原子力研究所を訪れてきましたが、ビデオなどで見た限り、この北の施設は、他国の施設とはかなり異なった趣のもののように思われます。あえて言えば中国の施設に比較的雰囲気が近いと言えるでしょうか。しかし内部にならんでいる研究棟については、それほど不自然なものはありません。もともと原子力研究は両刃の剣のようなもので、平和利用も軍事利用も同じ研究施設から発展させることができるのです。平和利用なら原子力開発、軍事利用なら核兵器開発と呼ぶわけですが、本来的には1つの研究所でどちらも可能です。ですから、北朝鮮の研究施設に対しては平和・軍事両方の研究が行われているのではないか、との疑惑から、メディアは「核開発」研究施設と一括りにした表現をしているわけです。ただ北の研究所は敷地の割に研究棟数が少ないといえるでしょう。私のおおよその感じで言えば、この研究所の規模は1960年代初期のものと同程度のレベルに見うけられます。
そしてこの広い研究所の中にあるのが、まず種類の異なる2つの原子炉です。さらに基礎的な原子炉です。さらに基礎的な原子炉物理の実験研究を行うための臨界集合体装置が入った研究棟、使用済み燃料の貯蔵施設、核燃料再処理工場、ウラン濃縮工場、核燃料加工工場などが建っています。当然これだけの施設が揃えばいつでも核兵器開発は可能ですが、それは世界中のどの研究所でも同じなので、この寧辺の研究所だけが特別というわけでもありません。
これらの中でも、例えば臨界集合体を使った臨海実験装置というのは、よくテレビでタンクの周りに3人くらいの人が集まってタンクの中から何かを取り出す映像が流されていると思いますが、あの装置のことです。いわば原子炉の雛型のようなもので、この装置を使うことで炉心の計算や技術判断の可否を検証することが可能になります。ですから、これは、実際に核兵器を作るときも核設計の計算の信頼性を確認するために使うことができるもので、むろん核開発と直結する装置ということです。
(続く)
これは メッセージ 186108 (komash0427 さん)への返信です.